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消費行動は「カスタマージャーニー型」から「パルス型消費」へ変化しているのか?

2020.6.23
読了まで約 3

米Googleの日本法人「グーグル合同会社」は、2019年に日本人の新たな消費行動「パルス型消費」を提唱しました。
ある程度の時間をかけて購入に至る従来のカスタマージャーニー型とは異なり、偶発的に見つけた商品を瞬間的に購入するというもので、マーケティング施策にも影響が出ると考えられます。

この記事では、カスタマージャーニー型とパルス型消費のそれぞれの特徴をご紹介するとともに、昨今の消費行動はカスタマージャーニー型からパルス型消費へどのように変化しているのか解説していきます。

 

「カスタマージャーニー型」と「パルス型消費」の特徴


●カスタマージャーニー型とは
カスタマージャーニー型とは、顧客の行動や思考を時系列で表し、顧客が商品やサービスを購入するまでの一連の流れを可視化する手法です。
カスタマージャーニー型では、マーケティングの対象となるペルソナの設定が非常に重要になります。
マーケティングにおけるペルソナとは、商品やサービスを利用する典型的なユーザー像を指します。
カスタマージャーニー型はペルソナの行動を可視化するため、顧客の目線に立ったマーケティング戦略を立てることができます。

●パルス型消費とは
パルス型消費とは、2019年にグーグルが提唱した新しい消費行動の概念です。
特に明確な理由はないにもかかわらず、瞬間的に「買いたい」という購買意欲が湧き、そのまま購入に至る消費行動をいいます。


近年はネットショップが普及し、スマートフォンを用いていつでもどこでも気軽にネットショッピングを楽しめるようになりました。
その結果、空いた時間にスマートフォンを眺めているときなど、現在の日本人にとっては24時間すべてが消費行動のタイミングとなっているのです。
また、消費者はこれまでに知らなかった名前の商品を購入することにも躊躇がなくなってきています。

 

パルス型消費に影響する直感センサーとは?


グーグルによると、パルス型消費のトリガー(引き金)には6つの「直感センサー」があり、このセンサーが消費者の消費行動を促していると考えられています。

●6つの直感センサー


1. Safety(セーフティ)
「より安心安全なもの」に反応する直感センサー
業者の素性がわかりにくいネットショッピングだからこそ、消費者はより安心安全な取引を望んでいます。

2. For me(フォー・ミー)
「より自分にぴったりだと思うもの」に反応する直感センサー
数多くの商品があるなかで、消費者は自分に合うものの購入を望んでいます。

3. Cost save(コストセーブ)
「お得なもの」に反応する直感センサー
ネットショッピングでは価格の比較が容易であり、消費者はよりお得な商品の購入を望んでいます。

4. Follow(フォロー)
「売れているもの」や、「第三者が推奨するもの」に反応する直感センサー
消費者が購入を悩んでいるとき、第三者の意見は消費行動の後押しになります。

5. Adventure(アドベンチャー)
「知らなかったもの」や「興味をそそるもの」に反応する直感センサー
商品の購入に至るきっかけには、新しいものを試してたくなる冒険心、チャレンジャー精神もあります。

6. Power save(パワーセーブ)
「買い物の労力を減らせること」に反応する直感センサー
店舗よりもネットショッピングの方が手軽だと判断されれば、購入に至りやすくなります。

参考:Google『買いたくなるを引き出すために – パルス消費を捉えるヒント (3)』

 

消費行動はカスタマージャーニー型からパルス型消費へ


昨今の消費行動は、カスタマージャーニー型からパルス型消費へ変わってきているといえるでしょう。
その背景には、ネットショッピングやスマートフォンの普及があります。
消費者がインターネットで商品を購入する割合は年々増加しており、店舗に行かずともインターネット上で気軽に購入できることがパルス型消費を促していると考えられます。

従来のカスタマージャーニー型は、ペルソナの消費行動を時系列で追っていくため、ある程度の時間が必要でした。
しかし、ネットショッピングやスマートフォンが普及した現在、消費者は購入の意思決定をこれまでになく早いスピードで行っています。
マーケティングにおいても、この変化しつつある消費行動を反映させる必要があるでしょう。

パルス型消費に順応したマーケティングを行うには、消費行動のトリガーとなる6つの直感センサーへの働きかけがカギとなります。
パルス型消費は従来のような「消費者が商品を認知、調べたうえで購入に至る」のとはまったく異なる消費行動であることを理解し、マーケティングに落とし込んでいかなければなりません。

 

まとめ


◆カスタマージャーニー型とは、ペルソナの行動や思考を時系列で表し、商品を購入するまでの一連の流れを可視化する手法である。

◆パルス型消費とは、明確な理由がなくとも瞬間的に購買欲が湧き、そのまま購入に至るという新しい消費行動である。

◆パルス型消費の引き金となるのは、「セーフティ」「フォー・ミー」「コストセーブ」「フォロー」「アドベンチャー」「パワーセーブ」という6つの直感センサーである。

◆インターネットショッピングやスマートフォンの普及によって手軽に商品を購入できるようになり、消費者の消費行動はカスタマージャーニー型からパルス型消費へと変化している。マーケティングにおいては、この新しい消費行動に順応した施策を行っていく必要がある。

 

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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