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ABM成功のために必要なデマンドセンターの構築とは?

2020.5.11
読了まで約 3

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)は、アメリカのBtoBマーケティングを飛躍的に発展させたマーケティングの仕組みです。
近年は日本のマーケティング分野においても、営業部門を支援する戦略的なマーケティング手法として注目されています。

ABMで成果をあげるには、デマンドセンターの構築が欠かせません。
デマンドセンターはABM運用において、どのような役割を担っているのでしょうか。

この記事では、ABMの概要を具体的に説明するとともに、ABM成功のカギを握るデマンドセンターの構築について解説します。

 

ABM(アカウント・ベースド・マーケテイング)とは

ABMとは、アカウント・ベースド・マーケティングの頭文字をとったマーケティング用語のひとつです。
企業の営業部門とマーケティング部門が連携し、今後攻めていきたい重要なクライアント(ターゲットアカウント)に焦点を当て、持続的な収益を目指す戦略的マーケティング手法をいいます。

ABMを進めていくには、クライアントの選別作業やそれぞれのニーズに合わせた施策考案などが必要となり、時間も工数もかかり過ぎてしまいます。
うまく運用するのは難しいとされていましたが、近年はデジタルツールの普及によりオートメーション化されたため、ABMを取り入れる日本企業も増えています。

◇ABMを取り入れるメリット
ABMでは、自社に利益をもたらす価値の高いクライアントを選別し、それぞれのクライアントのニーズに沿った最適なアプローチを仕掛けていきます。
積極的にアプローチすべきクライアントとそうではないクライアントを明確に区別するため、より高いLTV(顧客生涯価値)が見込める企業だけに効果的なマーケティングを行うことが可能です。

◇ABMを取り入れるデメリット
ABMは営業部門とマーケティング部門の連携が重要です。
しかし、営業部門が価値を見出すクライアントとABMの視点から効果があると予想されるクライアントが必ずしも同じであるとは限りません。
ABMをはじめる前に、まずは営業部門への落とし込みが必要となりますが、なかなか賛同を得られずに時間を要する可能性があることを理解しておかなければなりません。

 

ABM成功に欠かせない「デマンドセンター」とは

デマンドセンターとは、営業部門に提供する見込み客の獲得・育成・選別を行う組織です。
これらは「デマンドジェネレーション」とも呼ばれています。
ABMの運用において、デマンドセンターは非常に大きな役割を担っています。
ABMには、クライアントの取引実績や購買履歴などのさまざまな顧客データが必要です。
この膨大なデータを正確に管理し活用していく、いわゆる「データマネジメント」もデマンドセンターの役割のひとつであり、デマンドジェネレーションを行う上では欠かせません。

デマンドセンターでは、主に以下の5つのプロセスを行っています。

1.リードジェネレーション
展示会やWeb広告などで、企業のターゲットとなる見込み顧客の情報を集めます。

2.データマネジメント
企業と個人を紐付けたり、同一情報を削除したりと、データの精査を行います。

3.リードナーチャリング
精査したデータを用いて、見込み顧客を正式な顧客に導くために一斉にメールなどでアプローチします。

4.リードクオリフィケーション
企業の顧客となる可能性が高い層を絞り込みます。

5.リードトゥオーダー
これまでの過程で絞り込んだ見込み顧客を企業の営業部門に提供します。

ABMの成功は、デマンドセンターにかかっていると言っても過言ではありません。
デマンドセンターからの情報の質が高く適切であればあるほど、顧客獲得という企業の成果に繋がるからです。

 

デマンドセンターの構築が必要な理由

デマンドセンターの構築が必要な理由は、主に以下の2点が挙げられます。

◇営業機会の創出
営業がいくら自社のツールや知識を持っていたとしても、営業機会がなければ売ることはできません。
商品やサービスを発注するキーパーソンとなるのは、大体企業の奥にいるシステム管理や設計、研究部門などです。
しかし、営業はなかなかアプローチできない部門なため、営業機会の創出が難しい現状があります。
この問題を解決するのが、見込み顧客を集めて精査し、選別した上で情報を引き渡すというデマンドセンターの役割です。
すでにデマンドセンターで顧客の育成や選別が終わっているため、営業は絞られたターゲットに対して効果的なアプローチを仕掛けることができるのです。

◇案件の取りこぼしや認識違いの回避
多くの企業では見込み顧客に対し、営業部門やマーケティング部門でそれぞれ異なるアプローチを行っています。
これが続いていくと、部門同士の情報共有が徹底されていない限り、案件の取りこぼしや認識違いなどのトラブルが起きる可能性があります。
デマンドセンターを構築すれば、こうした失敗を防ぐことができます。
デマンドセンターで獲得・育成・選別した顧客のみにアプローチする無駄のない過程で、部門同士の連携ミスが起こることはないからです。

 

まとめ

◆ABMとは、自社に利益をもたらす価値の高いクライアントに絞って最適なアプローチを仕掛けることで、持続的な収益を目指す戦略的マーケティング手法である。

◆デマンドセンターとは、営業部門に提供する見込み客の獲得・育成・選別を行うABMの成功に欠かせない組織である。

◆デマンドセンターの構築は営業機会の創出や連携ミスの回避に繋がり、近年BtoBマーケティングにおいて注目を集めている。

 

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監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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