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リレーションシップマーケティングとは?基本と具体的な手法を解説

2020.2.17
読了まで約 5

リレーションシップマーケティングとは、顧客との関係を構築し、優良顧客になってもらうことにより、顧客の生涯価値を最大化するマーケティング手法です。リレーションシップマーケティングにより、リピート率のアップや顧客単価のアップ、口コミによる拡散などを見込むことができます。

この記事では、リレーションマーケティングの概要とメリット、および具体的な手法について解説します。

リレーションシップマーケティングとは?

リレーションシップマーケティングとは、顧客との関係を構築して優良顧客になってもらうことにより、顧客の生涯価値(Life Time Value)を最大化するマーケティング手法です。
商材やサービスの市場シェアを高めることより、顧客との関係性を深めることに主眼をおき、商材・サービスのリピート購入、顧客単価のアップ、口コミによる拡散を狙います。

リレーションシップマーケティングは、1983年にレナード・ベリーにより提唱されました。
考え方の背景には、「売上の80%は上位20%の優良顧客が生み出している」という「パレートの法則」があるとされます。

新規に顧客を開拓するにはコストも労力もかかります。
リレーションシップマーケティングは、新規顧客開拓より、既存顧客との関係性をより深め、優良顧客になってもらうことにより売上を獲得していくという考え方です。

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リレーションシップマーケティングのメリット

リレーションシップマーケティングのメリットは、

1. リピート率のアップ・解約率の低下
2. 顧客単価のアップ
3. 口コミによる拡散
4. 顧客生涯価値のアップ

となります。

1. リピート率のアップ・解約率の低下
リレーションマーケティングにより優良顧客を生み出せば、顧客は商材・サービスを繰り返し購入してくれるようになり、リピート率がアップします。
また、商材・サービスに十分な満足を感じるために、他社へ乗り換える必要性がなくなり、解約率は低下します。
リピート率のアップおよび解約率の低下が実現されれば、コストや労力を使って新規顧客開拓をする必要がなくなります。

2. 顧客単価のアップ
リレーションシップマーケティングにより優良顧客が生み出されると、顧客の年間平均購入金額や1回あたりの購入金額が高まり、顧客単価がアップします。
また、自社にたいする信頼が高まるため、最初に探していた商材やサービス以外にも、関連する商材やサービスを購入する可能性も高まります。
顧客単価がアップすれば、顧客の数が少なくても売上を上げることができます。

3. 口コミによる拡散
リレーションシップマーケティングにより生み出された優良顧客は、自社の商材・サービスを口コミで拡散する傾向が強まります。
実際に商材・サービスを気に入っている優良顧客の口コミには真実味があるために、口コミを受けた新規顧客が前向きに購入を検討する可能性が高まります。
このように、リレーションシップマーケティングは、コストや労力をかけることなく、顧客の新規獲得もできることになります。

4. 顧客生涯価値のアップ
以上のように、リレーションシップマーケティングは、リピート率のアップ・解約率の低下、顧客単価のアップ、口コミによる拡散をもたらします。
結果として、顧客生涯価値は大きく高まることとなります。

リレーションシップマーケティングの具体的な手法

リレーションシップマーケティングの具体的な手法を見てみましょう。
リレーションシップマーケティングで顧客との関係性を深めるためには、

1. データベースマーケティング
2. アカウントベースドマーケティング(ABM)

などのマーケティング手法が有効とされています。

1. データベースマーケティング


データベースマーケティングの概要、メリット、および注意点を見ていきます。

・データベースマーケティングとは


データベースマーケティングとは、個人情報や属性情報、購買履歴、アンケートへの回答など、顧客に関する様々な情報をデータベースとして収集、保存、分析することにより、顧客の嗜好にマッチする商材やサービスを提供するマーケティング手法です。
データベースマーケティングの目的は、新規に顧客を獲得することではなく、既存顧客との長期的な関係を構築することとなります。

ある顧客が、特定の時期に特定の商材を購入する傾向があることが、購入履歴から判明したとします。
その場合には、その顧客に対してその時期に、その商材の販促活動を行うことが可能となります。

データベースマーケティングの古典的な例として、「富山の薬売り」があげられます。
富山の薬売りは、顧客の持病などを把握して、顧客ごとに異なる配薬を提案していたといわれるからです。

・データベースマーケティングのメリット


データベースマーケティングのメリットは以下のものです。

1. 顧客との関係性を強化できる


顧客に関する情報が、担当者のみが把握しているのではなく、データベース化することにより全社で共有できることになります。
そのために、担当者が変わってもクオリティを変えることなく、顧客に対するきめ細やかなサポートが可能となります。

2. 受注の可能性が高まる


データベースマーケティングでは、前述の例のように、顧客のニーズの発生を捉えることが可能です。
ニーズが発生したときにアプローチすることにより、受注の可能性が高まります。

3. 販促活動が効率的になる


顧客情報をデータベースに一元化することにより、データの管理・運用の手間を削減できます。
また、データが増えるにつれて顧客情報の精度が高まるため、販促活動を効率的に行えます。

データベースマーケティングを行う際の注意点】


データベースマーケティングを行う際の注意点として、行ったプロモーションを随時データベースに反映させる必要があることが、まずあげられます。
データが常に最新の状態でなければ、顧客に対する予測を正確に行うことができないからです。

また、単にデータを集めるだけでは、データ活用はできません。
データの目的および用途を明確にし、適切なデータ分析を行うことが重要です。

2. アカウントベースドマーケティング


アカウントベースドマーケティング(ABM)の概要とメリット、実施の手順を見ていきましょう。

・アカウントベースドマーケティングとは


アカウントベースドマーケティングとは、マーケティング活動を顧客企業(アカウント)のそれぞれに対して個別に行う、BtoBにおけるマーケティング手法です。
優良企業を絞り込み、それぞれの企業に合わせた戦略的なアプローチを行います。

アカウントベースドマーケティングにおいては、ターゲットとする企業を明確に定義します。
多くの受注を得られるような商談を成立させるためには、見込み顧客の量よりも質が問われることとなります。
Webへのアクセスやセミナーへの参加などの見込み顧客の行動履歴を個人単位で見ていても、実際の商談につなげることは困難です。
アカウントベースドマーケティングでは、Webサイトのコンテンツを役職に応じて変えるなど、ターゲット企業に合わせたアプローチを行うことで、商談につなげます。

・アカウントベースドマーケティングのメリット


アカウントベースドマーケティングのメリットは以下の通りです。

1. マーケティング活動が効率的になる


アカウントベースドマーケティングを行うことで、マーケティング活動が効率的になります。
ターゲットを優良企業のみに絞り込み、その企業のみにマーケティング活動を行うからです。

2. リソースの無駄を削減できる


アカウントベースドマーケティングではターゲット企業を絞り込むため、自社のリソースを有効に活用できます。
また、幅広いマーケティング活動を行わないため、リソースの無駄を削減できます。

3. 見込み顧客の追跡がしやすい


ターゲット企業を絞り込むため、広告やキャンペーンなどに関する見込み顧客の追跡がしやすくなります。
また、ターゲット企業に対するアプローチを複数回にわたって行い、その結果を測定・検討することにより、より精度の高いマーケティング活動を行うことができます。

4. 営業部門との連携がしやすい


アカウントベースドマーケティングを行うと、営業部門との連携がしやすくなります。
営業部門は多くの場合、法人ごとに営業活動を行うからです。

・アカウントベースドマーケティング実施の手順


アカウントベースとマーケティングを実施する手順は以下のようになります。

1. ターゲット企業を選定する


アカウントベースドマーケティングを実施するにあたっては、最初にターゲット企業を選定します。
過去に取引があった企業の中から、繰り返しての取引が見込めるなど、売上が最大化できそうな企業を選びます。

2. キーパーソンを特定する


次に、ターゲット企業のキーパーソンを特定します。
営業部門からの情報は有用なものとなるでしょう。

3. アプローチの方法と内容を決める


ターゲット企業の選定とキーパーソンの特定ができたところで、アプローチの方法と内容を検討します。
ターゲット企業が現在直面する重要課題を解決できる提供コンテンツを準備しましょう。

4. キャンペーンを実施する


アプローチの方法と内容が決まったら、実際にキャンペーンを実施します。
営業部門との連携、タイミングが適切であること、およびメッセージが一貫していることがポイントとなってきます。

5. 効果を測定し問題点を検討する


キャンペーンを実施したら、その効果を測定し、問題点を検討します。
キャンペーンの実施と効果測定をくり返し、より精度の高いアプローチを行っていくことが重要です。


まとめ


◆ リレーションシップマーケティングとは、顧客との関係を構築し、顧客生涯価値を最大化することを目的として行うマーケティング手法のこと


◆ リレーションシップマーケティングには、リピート率のアップ、顧客単価のアップ、および口コミによる拡散効果などのメリットがある


◆リレーションシップマーケティングの具体的な手法として、データベースマーケティングやアカウントベースドマーケティングなどがある

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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