経験と実績に裏打ちされた人事評価制度のプロ集団
――はじめにHRテックのクラウド市場の現状と、御社のサービスについてお聞かせください。
毛塚:弊社は人事評価制度の構築・導入・運用までを支援する「ゼッタイ!評価」というコンサルティングサービスと、人事評価クラウドシステム「あしたのクラウド」の2つをメインのサービスで提供してきました。
日本国内のHRテックのクラウド市場は、2019年で330億円、さらに2023年には1000億円に到達すると予想されています。一方、弊社代表の高橋は10年以上にわたり、約3000社の中小企業を対象に、人事評価制度の構築やコンサルティングを続けてきました。人事評価という企業にとって必要不可欠なものと地道に向き合う中で、クラウド市場が成熟し、昨今では「あしたのクラウド」というサービスの需要も高まってきています。
弊社はこれまで多くのお客様に寄り添い、個社毎の課題を把握し、解決に繋げてきました。つまり人事評価制度のプロ集団なのです。だからこそシステムだけに頼らず、本来の人事評価制度を提供することができます。 「あしたのクラウド」に関しては、AIによる目標添削や給与シミュレーションなど高度な機能が備わっていますが、これらも長年コンサルティングに注力してきた賜物であり、そこから得た経験や知見が活かされています。
和歌:クラウドと聞くと効率化のイメージが強いですが、そういった側面を全部カバーしつつも、コンサルティングのノウハウを凝縮し、本来の人事評価制度のあるべき効果をきちんと出すための機能も兼ね備えています。 また評価者のスキルが可視化でき、社内で誰が評価に長けているかを見極めることも可能です。このように単に効率化のためだけではなく、例えば評価データを人材育成に活用するなど、先々まで見据えているのが強みだと思います。
毛塚:またクラウドサービスの機能を提供するだけでなく、運用のサポートもしっかりと行います。 人事評価においては安定的に評価のフローを保つことも大切です。そういった意味では、我々はサポート体制も充実しており、例えば四半期評価を行う際、評価を行う期日を確実にチェックさせていただくなど、運用サポートにも自信を持っています。
自分たちの“想い”を伝えたい
――SaaS系の企業や、目標管理に関するサービスを提供する企業の状況について、どのように捉えていらっしゃるのでしょうか?
毛塚:競合他社を含めプレイヤーがどんどん増えてきています。しかし、増えれば増えるほどマーケットは盛り上がるので、弊社としてはむしろ歓迎すべきことだと思っています。 最近はテレビCMに力を入れている競合他社も増えています。それだけマーケットにお金が流れてきているということだと思います。
――競合が増えている中、御社の存在感を高めるという意味ではマーケティングが非常に重要になってくると思いますが、マーケティング活動はどのように取り組まれているのでしょうか。
和歌:毛塚が入社する2018年までは営業マインドの強いマーケティングをしており、どちらかというと対象を絞りすぎたり、課題が顕在化している方々のリードばかり求めていました。 また、「HRプロ」のような外部メディアを使ったマーケティングはせず、あくまで自社サイトにアクセスをしてくる方だけに目を向けていた時期もありました。本当の意味でのマーケティングにシフトし始めたのは、毛塚が入社してからだと思います。
毛塚:2018年10月に私が中途で入社したタイミングで、二人によるマーケティング部が発足。これが大きなターニングポイントになったと思います。 さらに2019年6月にはインサイドセールスのチームも発足。集客のチャネルの整理などを含め、マーケティングの機能や仕組みをきちんと活用し始めると、リードの獲得数など見る見る成果が出てきました。
弊社がマーケティングに注力し始めた時期と、マーケットの成長期が、タイミング的にうまく重なり合ったことも、弊社にとっては追風になったのでしょう。具体的な施策としては、全国各地でセミナーを開催したり、オウンドメディアを立ち上げるなど、インバウンドマーケティングを強化しています。
和歌:弊社は「はたらく人のワクワクをクリエイトする」を合言葉にサービスを提供しています。私自身のマーケティング活動においては、常にこの言葉を意識しており、すでに「人事評価制度」という答えに行き着いている方に自分たちのプロダクトを知ってほしいという気持ちはもちろんですが、「人事評価制度でワクワク働ける環境が整う」ことをまだ知らない方たちに自分たちの考えが広まってほしいという気持ちが強いです。 例えば、セミナーをたくさん開催するのも、まだ気づいていない方々にぜひ知ってもらいたいから。 これは私だけではなく、弊社では社員全員が想いを伝えるということを大切にしているように感じます。
毛塚:お客様の中には、クラウドを導入して単に効率化したいという方々もおられますが、一方で最近は、中小企業の経営者様を中心に、人事評価制度そのものを見直したいというニーズも増えてきています。和歌が言うように我々は本当に想いが強いです。だからこそ、どちらのニーズにも応えたいし、力になりたいと思っています。
シーズとニーズの双方にアプローチする
――御社が「HRプロ」をご導入いただいたのは2019年6月でしたが、そもそもどのような経緯で弊社をお選びいただいたのでしょうか?
毛塚:弊社の理念は「はたらく人のワクワクをクリエイトする」です。一方、御社も「ワクワクする、プロの未来へ」という言葉を企業理念に掲げられています。ビジョンやマインドが似ているというのは大事なこと。単純に、そういったメディアに掲載したいと思いました。 もちろんHRに特化しているという部分も大きかったです。しかもユーザー数やPV数も多く、メディアの規模感も間違いなくある。新規のリードを増やすためには、リードが枯渇する心配のない成長しているメディアかどうかも判断基準になります。そういう意味で、「HRプロ」には停滞感を感じませんでした。
また我々は目先の課題が顕在化したお客様の獲得だけでなく、未来の潜在的なお客様もしっかりと創出していかなければならないと考えています。そのためには、まだ生まれていない卵(シーズ)を自分たちの手で孵す必要があるのですが、「HRプロ」にはこのシーズと、潜在化したニーズの両方を獲得できている実績がありました。 さらにサイトインサイトの仕組みや仕掛けもとても合理的だと感じています。例えば、ランディングページを一つ作っていただくとメディアの中で露出が増えますが、そこへの誘導をはじめ、アンケート調査やダイレクトメールといったオプションがついている点など、パッケージとしても非常に魅力的です。
――アンケート調査をご利用いただき、率直にどのように感じられましたか?
和歌:元々、会社として調査すること自体が少なく、たまに行っても市場調査のような無機質なものばかりでした。ですから「HRプロ」のアンケート調査を活用し、アンケートの回答とリードの情報をセットで提供いただけたのは、とても新鮮でしたね。 これほど一人ひとりの顔が想像できる調査は初めてでした。これならば実際にインサイドセールスからリードにも当たれますし、アンケート調査の結果を他のコンテンツに活かすことも可能です。しかもコンテンツを作ったら、また「HRプロ」に掲載することができる。1回のアンケート調査で3度おいしい施策と感じています。
毛塚:たとえWebメディアだとしても、基本的には人と人とのコミュニケーションなので、やり取りをするフローは色々な手法があっていいと思います。アンケート調査然り、コミュニケーションをいかにできるかを今後も重視していきたいです。
――最後に、今後「HRプロ」の中で取り組んでいきたいことをお聞かせください。
毛塚:一つは、今顕在化している課題を解決したいという思いは強いので、ニーズがあるところに我々のソリューションをしっかりと届けたいと思っています。 一方で、近い将来ニーズが具現化するかもしれない、つまりシーズの段階の方々もたくさんいらっしゃると思いますので、そういった方々にも我々のサービスを知っていただきたいです。 また過去に接触したことがある方々に、「HRプロ」のサイトの中で改めて我々のことをよく知ってもらい、二次接触、三次接触という形で「HRプロ」の中でもナーチャリングができるようになればいいなと期待しています。
マーケティングは企業が求める価値と、弊社が提供できる価値を繋げる仕事だと思っています。 この両者をいかに繋げられるか、そのための工夫や仕掛けづくりをしていきたいと思いますし、御社にもぜひご協力いただければと思います。