インターネットの進化とともに、SNSは私たちの生活に深く入り込んでいます。X(旧Twitter)、Instagram、YouTubeといったプラットフォームは、個人利用はもちろん、企業のマーケティング戦略においても必要不可欠な存在です。
特にマーケターにとって、SNSは特定のターゲット層へ効率的にアプローチできる強力なツールです。BtoC、BtoBを問わず、その重要性は増すばかりです。
しかし、SNSの多様化と分散化が進む現代では、各プラットフォームの特性を理解し、目的に応じて使い分ける必要があります。変化のスピードに対応できなければ、マーケティングの効果は期待できません。
本記事では、2025年の最新動向を踏まえ、進化し続けるSNSのマーケティング活用について解説します。SNSの最新トレンドを把握し、今後の戦略に役立てたいマーケターは、ぜひ参考にしてください。
目次
SNSとは?基本と目的
はじめに、SNSの定義や分類などの基本的な情報と、現代のマーケティングにとって重要とされる理由について解説します。
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の定義と役割
SNSとはソーシャルネットワーキングサービスの略で、オンライン上に集まった人々がお互いにつながり、情報を発信・共有するプラットフォームのことです。
SNSが誕生した当時は、友人や知人とつながる場としての利用が主でしたが、現代では企業だけでなく政府なども利用するようになり、その役割も変化してきました。そんな中で注目されているのが、SNSマーケティングです。
SNSマーケティングとは、企業と消費者がSNS上でコミュニケーションを取り、商品やサービスの販売促進を行うマーケティング活動を指します。企業と顧客の接点といえば、従来はメルマガやDMなどの一方通行のメディアだったのが、双方向のメディアであるSNSへと変わってきているのです。
SNSの登場によって、企業と一般消費者の距離は劇的に縮まり、よりパーソナライズされた情報発信が可能となりました。双方向のコミュニケーションを通して、商品やサービスの改善活動にも役立てるなど、現代の企業活動において非常に重要な役割を果たしています。
SNSの歴史:黎明期から現代までの変遷、主要な出来事
いまやSNSは私たちの生活にとって当たり前の存在といえます。友人との連絡手段や情報収集、ショッピングに至るまでSNSは時代に合わせて進化してきました。
一般的なSNSが誕生したとされるのは1990年代後半です。SNSの原型の一つとされているのは1997年に登場した「Six Degrees」で、プロフィールと友人リストの作成ができるシンプルな設計でした。その後、2004年に誕生したFacebookは、当初大学生向けのアプリでしたが、一般向けへと拡大したことで爆発的な注目を集めます。
2000年代後半からはSNSの発展期になります。2003年にはビジネスユーザー向けのLinkedIn(リンクトイン)が生まれ、2004年にはGoogle発のOrkut(オーカット)、そして日本ではmixi(ミクシィ)が人気を集めました。そして2006年にリアルタイムで短文を投稿する新しい形式のSNS「Twitter」が誕生します。2009年には現在世界最大のメッセージアプリとなったWhatsAppなど、SNSの多様化が進みました。
そして2010年には写真共有SNSであるInstagramが登場しました。視覚的に訴えかける美しい写真や動画の投稿が人気を博し、特に若年層を中心に急速にユーザー数を増やしました。
2010年代に入ると、SNSはさらに進化を遂げ、成熟期へと突入。2011年に誕生したSnapchatは24時間で削除される仕組みが注目を集め、また誰でも手軽に編集や加工ができるアプリとして若年層を中心に人気を博しました。
その後2016年にはTikTokが世界に広まり、動画形式のSNSにおける不動の地位を築いていくことになります。
また、FacebookはMeta社に名称変更し、メタバースやVRなどの新たな技術にも注目が集まったことで、SNSの未来が一気に広がったともいえるでしょう。Metaへの名称変更は、Instagramを含む同社のサービス全体に大きな影響を与えました。Instagramは、Meta社のリソースを活用し、ショッピング機能の強化、リール動画の導入、ARフィルターの拡充など、さまざまな新機能や技術を取り入れることで、ユーザー体験を大きく進化させました。メタバースとの連携も視野に入れ、より没入感のある体験を提供しようとしています。
2022年にはTwitter社がイーロン・マスクに買収されてX(Twitter)となり、その騒動の前後で、「Mastodon」や「Bluesky」といった分散型SNSが生まれました。2023年にはMeta社がThreadsを公開しています。
そして現在では、SNSは単にコミュニティ形成や時間潰しのためだけではなく、政治や経済などの情報収集や、世論形成の一端を担うようになり、多方面に向かって進化を遂げています。
SNSの分類:目的、機能、ターゲット層による分類
SNSはそれぞれ異なる特徴を持っており、その特徴を理解することで、より効果的なSNSマーケティングを実行できます。
それぞれのSNSは目的、機能、ターゲット層の3つの切り口に分けることが可能です。
【目的別】
● 情報発信型:X(Twitter)、Threads、Voicy、Pinterest、Bluesky
● コミュニティ型:Facebook、mixi2、LinkedIn、Clubhouse
● エンタメ型:YouTube、TikTok、Instagram、BeReal
● メッセージ型:LINE、WhatsApp
【機能別】
● 文章投稿型:X(Twitter)、mixi2、LINE、Facebook、Threads、Bluesky
● 画像・動画投稿型:YouTube、Instagram、TikTok、Pinterest、BeReal
● 音声配信型:Voicy、Clubhouse
【ユーザー層別】
● 若年層向け:TikTok、Instagram、X(Twitter)、Threads、Pinterest、Voicy、Clubhouse
● 中年層向け:mixi2
● 全年齢向け:YouTube、LINE
● ビジネス向け:LinkedIn、Facebook
このように、SNSはその目的や機能、ユーザー層によって特徴が異なります。
より効果的なSNSマーケティングをするうえで、SNSの分類を理解しておくことは、適切なターゲットへアプローチするために必須といえるでしょう。
なぜSNSが重要なのか?:現代社会における影響力、マーケティングへの活用
現代社会において、SNSは単なる情報発信や共有のツールを超え、ビジネス、政治など、多岐にわたる分野に大きな影響を与えるプラットフォームへと進化しました。たとえば、2016年のアメリカ大統領選挙では、SNS上の情報が有権者の意思決定に大きな影響を及ぼしたと考えられています。
ビジネスの視点でも、SNSマーケティングは企業の成否を左右する重要な要素として考えられています。X、Instagram、YouTubeなどを活用した情報発信は、とくに若年層への効果的なアプローチ手段といえるでしょう。
さらに、15歳から35歳の世代においては、SNS上でもっとも信頼できるのは友人であるという調査結果があります。インフルエンサーマーケティングも重要ですが、友人間のリアルな口コミの影響力も考慮する必要があります。 またSNSにおける口コミは、消費者の購買行動に大きな影響を与えるということも示唆しています。
日本のSNSユーザーは2027年に1億1,300万人を突破すると予測されており、その影響は今後ますます拡大するでしょう。
SNS運用の効率化に役立つコンテンツカレンダー
SNS運用の効率化におすすめなのが、コンテンツカレンダーの活用です。各SNSの投稿スケジュールや内容を一元管理することで、運用効率は飛躍的に向上します。
コンテンツカレンダーを使えば、複数人での運用でも方針のブレを防ぎ、計画的なマーケティング活動ができます。投稿内容の偏りを防ぎ、多様なコンテンツ展開も容易です。
さらに、部門間での共有により、SNSと営業活動の連携を強化し、マーケティング効果を最大化することもできるでしょう。
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主要SNS一覧:特徴・仕様・ユーザー層を比較
主要なSNSの詳細は以下のとおりです。
発祥国・誕生年 | ユーザー数 | 特徴 | 日本国内のユーザー層 | |
X(Twitter) | アメリカ・2006年 | 世界:約5億7,000万人 日本:約6,000万人 |
140字までの短文投稿が可能なSNS | 10代~30代 |
Instagram(インスタグラム) | アメリカ・2010年 | 世界:約20億人 日本:約6,600万人 |
画像や動画の見映えに特化したSNS | 10代~30代 |
Threads(スレッズ) | アメリカ・2023年 | 世界:約3億2,000万人 日本:約1,000万人 |
Instagramと連携できる文章投稿型のSNS | 若年層 |
Facebook(フェイスブック) | アメリカ・2004年 | 世界:約30億人 日本:約2,600万人 |
ビジネスユーザーに強みのあるSNS | 20代~50代 |
LinkedIn(リンクトイン) | アメリカ・2003年 | 世界:約10億人 日本:約400万人 |
転職・採用などキャリア管理に特化したSNS | |
LINE(ライン) | 日本・2011年 | 世界:約1億7,800万人 日本:約9,700万人 |
日本で最もユーザー数が多いSNS | 全世代 |
YouTube(ユーチューブ) | アメリカ・2005年 | 世界:約25億人 日本:約7,000万人 |
あらゆるデバイスで視聴できる動画投稿型のSNS | 全世代 |
TikTok(ティックトック) | 中国・2017年 | 世界:約15億6,000万人 日本:約3,300万人 |
60秒の短尺動画が人気のSNS | 10代~20代 |
Bluesky(ブルースカイ) | アメリカ・2023年 | 世界:約2,400万人 日本:約110万人 |
X(Twitter)に対抗する分散型SNS | 20代~30代 |
アメリカ・2010年 | 世界:約5億5,300万人 日本:約1,000万人 |
アイデア収集に活用されるSNS | 20代~30代 | |
mixi2 | 日本・2024年 | 日本:約120万人 | 友人と今を共有するための招待制のSNS | 40代 |
BeReal | フランス・2020年 | 世界:約2,300万人 日本:約450万人 |
通知によって投稿を促される新興SNS | 10代~20代 |
SNSマーケティングは、企業にとって重要な戦略の一つですが、全てのSNSが同じ効果をもたらすわけではありません。各SNSの特徴を理解し、自社サービスに最適なプラットフォームを選択することが重要です。
BtoBマーケティングでは、BtoCとは異なる視点での戦略が求められます。意思決定プロセスが複雑で、長期的な関係構築が重要となるため、SNSの活用方法も大きく変わってきます。
そこで、以下の資料では、各SNSの特徴や成長率を詳細に解説するとともに、BtoBマーケティングにおけるSNS活用のポイントを事例付きでご紹介します。最適なプラットフォーム選択と効果的な戦略立案にお役立てください。
X(Twitter):リアルタイム性と情報拡散力
X(Twitter)は、2006年8月にアメリカで一般公開され、2008年4月に日本へ上陸をした文章投稿型のSNSです。1投稿につき140字の文字制限(Xpremiumのユーザーは、長文の投稿が可能)があり、日々のつぶやきから政治経済の時事ネタまで幅広く投稿されています。
新しい投稿がフィードの先頭に表示される仕組みのため、リアルタイムの情報収集が可能です。また、リツイート機能による情報拡散力に長けているのもポイントです。リアルタイムで注目されている情報を素早く入手できるSNSといえるでしょう。
2024年11月時点でのアクティブユーザー数は世界5億7,000万人と推定されており、国別のユーザーは特定の地域に集中しているのが特徴です。
● アメリカ:1億623万人
● 日本:6,928万人
● インド:2,545万人
● インドネシア:2,485万人
● イギリス:2,430万人
● ブラジル:2,148万人
出典:statista「2024年4月時点のX(旧Twitter)ユーザー数に基づく上位国」
また、総務省の「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、日本国内におけるX(Twitter)の利用率は10代~30代の50%以上が利用しており、中でも20代が78.8%ともっとも高くなっています。
上記を意識し、ターゲット層に合わせたコンテンツを発信することが重要です。
なお、イーロン・マスク氏による買収後、名称変更や仕様変更が頻繁に行われています。そのため、常に最新の情報を確認することが重要です。
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Instagram(インスタグラム):ビジュアル重視のブランディング向き
Instagram(インスタグラム)は2010年にアメリカで生まれた、写真と動画に特化したSNSです。2024年現在、世界中で20億人、日本国内でも6,600万人もの人々が利用しており、とくに10代から20代の若年層の利用率は70%を超えています。「インスタ映え」「映える」という言葉が象徴するように、視覚的に魅力的なコンテンツが非常に重視されるプラットフォームです。
I Instagramの最大の強みは、画像を通じて企業や商品、サービスのブランドイメージを直接消費者に伝えられることです。24時間で消えるストーリーや、最長60秒のショート動画を投稿できるリールといった機能も充実しており、SNS初心者でも手軽に写真や動画を加工して投稿できるのが魅力です。
さらに、ハッシュタグ機能を活用することで、特定のキーワードに関連する投稿を一覧で閲覧できます。企業は、このハッシュタグを効果的に使うことで、これまでリーチできなかった潜在顧客層にアプローチすることが可能です。
また、Instagramにはショッピング機能も搭載されており、ファンの獲得から商品の販売促進まで、一貫したマーケティング活動を展開できます。企業は、自社のウェブサイトやオンラインショップへの誘導を通じて、ブランドイメージの向上を図ることができるでしょう。
Instagramを効果的に活用するためには、スムーズな顧客動線を設計することが重要であり、適切なURLの設置方法を理解することが求められます。
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・Instagramの不具合を解決!ログイン不可、アカウント削除、乗っ取り防止方法とは
Threads(スレッズ):Instagramユーザーを取り込んだXの対抗馬
Threads(スレッズ)は、FacebookやInstagramを運営するMeta社が2023年7月にリリースしたテキストベースのSNSで、Instagram(インスタグラム)との連携が特徴です。X(Twitter)の代替としての可能性を秘め、急速にユーザー数を伸ばしています。
Threadsは公開からわずか5日間で1億人のユーザー数を突破し、2025年1月時点での月間利用者数は3億2,000万人にも達しています。
世界的なマーケティング調査会社ニールセンの調査によると、日本国内のユーザー数は1,071万人と推定されています。また、モバイル社会研究所の調査によると、日本国内での利用者数は全体の5%程度と少ないですが、10代では約20%の方が利用しており、今後の成長に期待できるSNSといえるでしょう。
出典
・ニールセン、デジタルコンテンツ視聴率のMonthly Totalレポートによる ソーシャルメディアジャンルの利用状況を発表 | ニュースリリース | ニールセン デジタル株式会社
・【サービス】10代のSNS:LINE9割、Instagram8割、TikTok6割、Threads2割:4年でTikTok利用率が増加(2024年4月22日)|レポート|NTTドコモ モバイル社会研究所
このプラットフォームでは、最大500文字までのテキスト投稿が可能であり、画像や動画、さらにはウェブサイトへのリンクも共有できます。X(Twitter)と比較して、より多くの情報を一つの投稿に盛り込めるため、詳細な情報発信や、ECサイトへの誘導など、多岐にわたるマーケティング活動に活用することが可能です。
また、Threadsの投稿はInstagramのストーリーやフィードへ簡単に共有できる機能も備わっています。これにより、異なるジャンルのユーザー層にも自然にリーチを広げることができ、情報の拡散性を高めることができます。
日本国内においても、Threadsは特に若年層の間で急速に普及しており、今後の成長が期待されています。そのため、マーケターはThreadsの動向を注視し、その特徴を活かした戦略を立てることが重要となるでしょう。
関連記事:Threads(スレッズ)とは?登録方法や使い方を解説
Facebook(フェイスブック):対ビジネスユーザーに強み
Facebook(フェイスブック)は、ビジネスユーザーに強みを持つSNSとして2004年にアメリカで誕生しました。世界中で30億人以上、日本国内でも2,600万人が利用しており、その規模は他のSNSと比較しても圧倒的です。
特に30代から40代のビジネスパーソンに支持されており、コミュニティ形成の場として活用されることが多いのが特徴です。この年代層は、企業の意思決定に関わる立場にあることも多く、BtoBマーケティングにおいては、直接的なアプローチが可能な点が大きなメリットとなります。
Facebookのグループ機能は、共通の趣味や関心を持つ人々が集まるコミュニティを形成するのに役立ちます。企業は、この機能を活用してブランドのファンクラブを設立し、顧客との関係を深めることができます。参加者の限定や公開範囲の設定など、プライバシーを保護しながら、活発なコミュニティ運営が可能です。
実名登録制であるため、ユーザーの年齢、性別、居住地、職業などの詳細な情報が蓄積される点も、Facebookの強みです。これにより、ターゲット層を絞り込んだ精度の高い広告配信が可能となります。ただし、近年はユーザー数の減少傾向が見られるため、今後の動向には注意が必要です。
企業がFacebookを活用する際は、機能の詳細や専門用語の理解が不可欠です。利用時の注意点を含め、基本的な知識を事前に把握しておくことが、効果的な運用につながります。
関連記事:Facebookとは?基礎知識を解説
LinkedIn(リンクトイン):ビジネス・キャリア管理に特化
LinkedIn(リンクトイン)は、2003年にアメリカで誕生した、ビジネスとキャリア管理に特化したSNSです。主にプロフェッショナルな人脈を広げることを目的とており、世界中で10億人、日本国内でも400万人を超えるユーザーが利用しています。
LinkedInの特徴は、単なる転職プラットフォームにとどまらず、企業人の能力開発にも活用されている点です。ユーザーはLinkedIn Learningを通じてスキルアップのための学習機会を得ることができます。また、ビジネス利用者が多いため、BtoB向けのマーケティングにも適しています。
LinkedInの最大の特徴は、これまでの職務経歴やスキルを記載できる点です。自身のキャリアビジョンを構築し、理想とするキャリアパスを持つ人々のモデルケースを参考にすることができます。
コミュニティ形成はほかのSNSでも可能ですが、キャリア開発やスキルアップに特化したプラットフォームとしては、LinkedInが際立っています。
マーケティングに活用する際は、Facebookとの違いを理解し、LinkedInの広告機能を活用することが重要です。LinkedInの詳細な活用方法は、以下の関連記事を参考にしてください。
関連記事:LinkedIn(リンクトイン)とLinkedInラーニングの使い方:採用・転職・広報活動だけじゃないビジネス活用術とは
LINE(ライン):テキストコミュニケーション以外のハブとして拡大中
LINE(ライン)は2011年に韓国企業であるNHN Corporationの日本法人であったネイバージャパンで企画開発されたSNSです。世界1億7,800万人のユーザーのうち、2024年9月時点で日本国内ユーザーは9,700万人超えとなっていることから、日本での利用率が最も高いSNSです。
商務省の資料「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、日本人のLINE利用率は一貫して増加しており、10代~50代の利用率は軒並み90%を超え、また60代についても86%と非常に高い水準となっています。
LINEの核となるのは、友人や家族とのコミュニケーションを円滑にするトーク機能ですが、企業や個人事業主によるBtoCコミュニケーションツールとしての側面も強化されています。メッセージ配信、個別チャット、クーポン配信、ショップカード連携など、多様な機能を通じて、顧客との接点を深めることが可能です。
とくに注目すべきは、LINE公式アカウントの普及です。企業はこれを利用して、効果的なマーケティング活動を展開できます。
関連記事
・LINEアイコン画像の変え方!おしゃれな設定にする方法を解説
・LINE STORE(ラインストア)とは?仕組みや出来ること
・メンションの意味は?インスタグラムやLINEなどSNSでのやり方を解説
YouTube(ユーチューブ):動画コンテンツプラットフォームで一強
YouTube(ユーチューブ)は2005年にアメリカで開発された動画投稿型のSNSです。動画コンテンツ系のプラットフォームは多数ありますが、YouTubeはトップクラスのシェアを誇っています。
世界100カ国以上に24億9,100万人のユーザーを抱え、また日本国内の月間ユーザー数は2023年5月時点で7,120万人にものぼります。
モバイル社会研究所の調査によると、日本国内におけるYouTubeの認知率は96.8%と非常に高く、68%の人が実際に利用しているという結果が出ています。年代別には20代が最も高く83.7%、次いで10代が79%、30代が76.4%となり、70代でも50.6%と半数以上の人が利用しています。
YouTubeはパソコンやスマートフォン、テレビ、タブレットなど幅広いデバイスで視聴可能なのも魅力です。編集された動画だけでなく、ライブ配信や音楽などの多種多様な動画が揃っており、エンタメやスポーツ、ウェルネス、ショッピングなど、興味のある動画をキーワードで検索して見られるのが特徴です。
近年注目されているのが、最長60秒のYouTubeショートと呼ばれる動画で、1日あたりの平均視聴回数は700億回を超えるほどに市場が伸びています。動画広告市場の規模は年々増加しており、今後もスマートフォンや5Gの普及を背景に、動画視聴サービスは拡大すると考えられるでしょう。
企業としてYouTubeに取り組む際には、YouTube広告運用の流れや特徴を把握しておくことが大切です。以下の記事ではYouTubeの広告を種類別に詳しく解説していますので、広告運用を検討している方はぜひ参考にしてください。
関連記事:YouTube広告の基本!種類や出し方、配信の流れまで解説します!
また以下の記事では、YouTubeチャンネルの分析に必要なYouTube Studioの使い方や動画SEOについて解説しています。
関連記事
・YouTube Studioとは?使い方やメリットを初心者でもわかるよう解説!
・VSEOとは?YouTubeなど動画のSEO基礎知識と対策のポイント
YouTubeでショート動画を作る際のポイントについては、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:ショート動画とは?作り方とポイント、具体的な企業事例
TikTok(ティックトック):短尺動画でタイパ世代など若年層に強み
TikTok(ティックトック)は2014年に中国で誕生したmusical.lyというショート動画アプリの国際版として2017年に日本に上陸したSNSです。
ショート動画投稿サービスとして、60秒が最長でしたが、現在は10分までの長尺動画の投稿が可能となっています。ユーザー数は2024年2月時点で15億6,000万人と、Facebook、Instagramに次いで世界3位のユーザー数です。国内月間ユーザー数は2024年11月時点で3,300万人以上となっています。
「TikTok Socio-Economic Impact Report 2024~日本における経済的・社会的影響~」によると、ユーザーは15歳~19歳が最も多く67.2%、20代では42.5%と若年層ほど利用率が高い傾向です。また、「商品やサービスの情報収集のため」や「新しい商品やサービスに出会うため」と回答した割合も20%ほどおり、企業にとって若年層に対する認知拡大のチャンスがあるといえるでしょう。
一方で、2023年版「モバイル社会白書」によると、57.3%のユーザーは「暇つぶしのため」に使用していることがわかっており、適切なターゲット選定が重要と考えられそうです。
TikTok(ティックトック)の広告は、YouTubeのように強制ではなくスキップできるため、広告がつまらなければ誰にも見られないというリスクがある反面、広告を見ているということは、自社サービスに興味関心が高いと考えられます。また、60秒ほどであれば多少興味の薄いユーザーも消化しやすく、潜在顧客のニーズを引き出せる可能性を秘めているでしょう。
SNSマーケティングとしてのTikTokの活用方法は以下の記事を参考にしてください。
関連記事:TikTokのマーケティングとしての使い方を徹底解説。ビジネスアカウントや広告の特徴・戦略
気になった動画を保存して自社内で共有したい場合の方法や注意点は以下の記事でまとめています。
Bluesky(ブルースカイ):若年層、サブカル層中心に急成長中の分散型SNS
Bluesky(ブルースカイ)は、2023年1月にX(Twitter)の元CEOであるジャック・ドーシー氏が立ち上げたSNSです。公開当初は完全招待制でしたが、2024年2月6日に招待制が廃止され、現在は誰でも利用可能となっています。
Blueskyの最大の特徴は、企業による管理がない点にあり、ユーザーやグループが自由にサーバーを構築できる分散型SNSとして知られています。これにより、企業の買収や方針転換によるコンテンツの制約を受けにくく、自由度の高いSNSとして注目を集めています。
Blueskyは、マスク氏のX運営に反発するユーザーの受け皿としての役割も果たしています。2024年11月のアメリカ大統領選挙では、マスク氏がトランプ氏支持を表明した影響でBlueskyのユーザー数が急増し、2024年12月時点で2,400万人以上に達しました。
Blueskyの日本国内のユーザー数は約110万人と推定され、その多くはZ世代を含む20代です。また、投稿の多くはアニメ、ゲーム、漫画などのサブカルチャーに関心のあるユーザーが多く、フィードのカスタマイズ機能が特定のサブカルチャーグループの形成を促進していると考えられます。
Blueskyは自分の興味に応じたコンテンツのみを選択し、表示することができることから、自分の興味のあるものをより深掘りしたいユーザーが多くいると考えられるでしょう。最大4枚までの画像投稿、「いいね」、拡散といった基本機能が実装されていますが、DM機能や動画とテキストの同時投稿は未対応なので今後に期待したいところです。
その他:Pinterest、BeReal、mixi2
注目のSNSはまだ多くありますが、今後のユーザー数の増加が期待できるSNSとして、以下のSNSをご紹介します。
● Pinterest
● mixi2
● BeReal
Pinterest(ピンタレスト)
Pinterestは2010年にアメリカで生まれたSNSで、世界5億5,300万人のユーザー数を誇ります。2024年8月時点で日本国内のユーザーは1,050万人を突破しました。
Pinterestは人とのコミュニケーションに軸が置かれておらず、画像や動画をもとにアイデアを探すために利用されるのが最大の特徴です。検索画面でキーワードを入力すると、関連する画像や動画の一覧が表示される仕組みで、主にアイデアを求めるクリエイターやデザイナーなどに活用されています。また、広告事業も開始されたため、今後の動きに注目のSNSです。
mixi2
mixi2は、日本人にお馴染みのmixiに続くSNSです。2024年に12月時点で120万人のユーザーを獲得しており、日本発のSNSとして期待されています。
ユーザーはmixi世代ともいえる40代以上が中心です。mixiの初期設定と同様に完全招待制を採用しており、プライベートを確保した独自の空間が魅力で、フォローした人の投稿のみが表示されます。
また、エモテキ(エモーショナルテキスト)と呼ばれる、文字に色や背景、動きを加えることで感情を表す独自の機能もあります。日々の出来事や友人とのやり取りを気軽に行えるSNSとして注目されています。
BeReal.(ビーリアル)
BeRealは2020年にフランスで公開されたSNSです。世界で2,300万人、日本の月間アクティブユーザー数は450万人で、若年層での利用率が高い傾向にあります。
BeRealは、毎日ランダムな時間に届く通知をきっかけに画像を投稿します。通知が来たら2分以内にイン・アウトカメラで画像を投稿しなければならず、2分を過ぎると他人の投稿が見られなくなるなどのペナルティが科されます。2分を過ぎると、投稿には「~時間遅れ、~回取り直し」など回数が表記される仕組みです。投稿者は突然写真を撮らざるを得なくなり、名称どおり「Real」な姿を投稿することになります。
SNSマーケティングとは:概要、メリット、始め方
SNSマーケティングは、現代のビジネスにおいて欠かせない戦略の一つです。企業が自社の商品やサービスを効果的に売り出すためには、SNSを重要なチャネルとして活用することが求められています。単に情報を発信するだけでなく、ユーザーとの積極的なコミュニケーションを通じて、企業の成長を促進する必要があります。
多くの企業がSNSの重要性を認識しているものの、実際に効果的な運用ができているケースはまだそれほど多くありません。
SNSマーケティングの最大の魅力は、比較的低いコストでターゲットとする顧客層に直接アプローチできる点です。また、効果測定が容易なため、得られたデータをもとに戦略を柔軟に調整し、継続的な改善を図ることができます。
SNSマーケティングを始めるには、まず専門のチームを発足させ、具体的な目標とターゲット層を明確にする必要があります。次に、適切なプラットフォームを選び、目的に合わせたマーケティング手法を採用します。
そして、PDCAサイクル(計画、実行、評価、改善)を意識しながら、長期的な視点で運用していくことが重要です。
SNSマーケティングの詳細は、以下の記事で解説しています。これからSNSマーケティングに取り組みたいという方は、ぜひ参考にしてください。
関連記事:SNSマーケティングとは?成功事例や始め方のポイントを解説
マーケティングでSNSを活用するためのヒント
SNSマーケティングには、多様な手法が存在し、それぞれが独自の特性を持っています。ここでは、代表的な3つの手法、「公式SNSアカウント運用」「広告配信」「インフルエンサーマーケティング」について解説します。
公式SNSアカウント運用
企業が自社の公式アカウントを通じてブランドや商品、サービスに関する情報を発信する基本的な手法です。定期的な情報発信により、ユーザーとの信頼関係を築き、購買意欲や問い合わせの増加につなげることを目指します。
ターゲット層に合わせたトーンやコンテンツを選択することが重要であり、各SNSプラットフォームの特性を理解した上で運用する必要があります。
以下の記事では、それぞれのSNSの特徴をまとめていますので、ぜひ参考にしてSNS選びを進めてください。
関連記事:SNSマーケティングとは?成功事例や始め方のポイントを解説
広告配信
SNS広告配信は、各プラットフォームが提供する広告配信サービスを利用して、特定のターゲット層に広告を表示させる手法です。これにより、自社のECサイトへのアクセスを増やし、売上向上を目指します。
広告運用にはコストがかかるため、ターゲットを明確に絞り込み、効果的な広告戦略を立てることが求められます。
関連記事:SNSマーケティングとは?成功事例や始め方のポイントを解説
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、SNS上で影響力を持つ有名人やインフルエンサーなどを起用し、彼らのフォロワーに向けて製品やサービスを紹介してもらう手法です。自社だけではリーチできない潜在顧客層にアプローチできるのがメリットです。
インフルエンサーの選定は、ターゲット層との相性やブランドイメージを考慮し、慎重に行う必要があるため、代理店に依頼するのが無難でしょう。
近年では、インフルエンサーマーケティングに加えて、アンバサダーマーケティングも注目されています。企業がブランドの熱心なファンをアンバサダーとして起用し、口コミを通じてブランドの認知度や信頼性を高める手法です。消費者が口コミを重視する傾向が強まっているため、アンバサダーマーケティングは今後さらに重要性を増すと予測されます。
関連記事:アンバサダー(Ambassador)とは?アンバサダーマーケティングの意味や事例
インフルエンサーを活用したマーケティングでは、思いもよらないバズり方をすることがあります。ITを駆使した事業のDX化によってユーザーの利便性を向上させることができます。
インフルエンサーマーケティングは、時に予想外の大きな効果を生むことがあります。例えば、夜行バス事業を展開するWILLER EXPRESSは、インフルエンサーを活用したマーケティングにより、海外からの需要を大きく伸ばしました。このように、SNSマーケティングでは、創意工夫によって大きな成果を得ることが可能です。
関連記事:IT×インフルエンサーで移動に新たな価値を―― WILLER MARKETINGが仕掛ける、旅をもっとワクワクさせるマーケティング戦略
まとめ
SNSマーケティングを成功させるためには、各プラットフォームの特性を理解し、ターゲット層に合わせたコンテンツ戦略を展開することが重要です。また、効果測定と改善を繰り返すことで、より高い成果を目指すことができます。
この記事で紹介した各SNSの特徴を参考に、自社のマーケティング戦略に最適なSNSを選び、効果的なSNSマーケティングを展開してください。