Webサイトを更新したにもかかわらず、更新したはずの部位が画面に反映されない、といった経験はないでしょうか。その場合、ブラウザのキャッシュをクリアにすることで、解決されることが多くあります。本記事では、特にマーケティングやWeb制作に携わる方は知っておきたいブラウザキャッシュクリアの方法を、各端末、ブラウザごとに詳しく解説します。
ブラウザのキャッシュクリアが必要な場面とは
ブラウザキャッシュとは、1度閲覧したWebページの情報をブラウザに一時的に保存する機能のことです。一時保存しておくことで、都度Webページの情報をダウンロードする必要がなく、スムーズなページ閲覧が可能です。しかし、ブラウザキャッシュが必要以上に蓄積されると、キャッシュのデータが重くなり動作が遅くなることがあります。
Webサイトの更新が重く感じたり、最新の情報が反映されなかったりするときには、ブラウザのキャッシュクリアが必要になるでしょう。
ブラウザのキャッシュとキャッシュのクリアについて詳しくは、こちらの記事も参考にしてください。
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ブラウザキャッシュクリアのメリットとデメリット
ブラウザキャッシュをクリアすることには、メリットとデメリットがあります。
それぞれ詳しく見てみましょう。
メリット
メリットは以下の通りです。
● ストレージの容量を確保できる
ブラウザキャッシュは、端末のハードディスクやSSDに一時保存されます。場所はブラウザによって異なりますが、キャッシュ専用のフォルダを作って一時保存しているケースがほとんどです。そのため、キャッシュクリアを行うことで一時保存していた分のストレージ容量を確保できます。
● 動作が軽くなる
古いブラウザキャッシュが蓄積すると、ブラウザやアプリケーションの動作が遅くなる恐れがあります。定期的にキャッシュをクリアすることで、動作をスムーズに保つことができるでしょう。
● 最新の情報を表示できる
ブラウザキャッシュが古いままだと、コンテンツが更新されていても古い情報が表示されるケースがあります。こうしたケースでは、キャッシュをクリアすることで最新の情報を表示できます。
デメリット
デメリットは以下の通りです。
● Webページの読み込み時間がかかる
キャッシュをクリアすると、Webページを閲覧するときにはブラウザはすべての情報を再度サーバーからダウンロードすることになります。そのため、キャッシュクリア前よりも読み込み時間が長くかかります。
● オフラインでの利用ができなくなるケースがある
ブラウザキャッシュを読み取ってオフライン状態で利用しているケースでは、キャッシュをクリアするとオフライン状態での利用が難しくなる恐れがあります。
● データ通信量が増加するケースがある
前述の通り、ブラウザキャッシュをクリアするとWebページの読み込み時間が長くなります。特に、インターネット接続が遅い場合やデータ通信に制限がある場合は、ダウンロード時のデータ通信量が増加するため、注意が必要です。
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スーパーリロードとは?
スーパーリロードとは、Webページやブラウザのキャッシュを無視して、サーバーから新しい情報を取得する手法です。キャッシュに問題がある場合や、ページが頻繁に更新される場合にも役立つでしょう。スーパーリロードでは、常に最新の情報を取得できますが、サーバーからすべてのデータを再ダウンロードするため、表示速度が低下する恐れがあります。また、Webサイトのログイン情報やページ設定がリセットされることもあるため、注意が必要です。スーパーリロードを行う方法は、各ブラウザや端末の種類によって異なります。まずは、Windowsと各ブラウザでのスーパーリロードの方法をまとめてご紹介します。
続いて、Macと各ブラウザでのスーパーリロードの方法をご紹介します。
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各ブラウザのキャッシュクリア手順
キャッシュをクリアする手順は、各ブラウザや各端末によって操作が異なります。
ここでは、端末別に各ブラウザのキャッシュクリア手順についてご紹介します。
PCのGoogle Chrome編
PCのGoogle Chromeでは、以下の手順でキャッシュクリアを行います。
1.Google Chromeを開き、ブラウザ右上の縦に点が3つ並んだ箇所をクリック
2.「履歴」から履歴をクリック
3.「閲覧履歴データの削除」をクリック
4.データを削除する期間を選択し、「キャッシュされた画像とファイル」をチェックする
5.「データを削除」をクリック
出典:キャッシュと Cookie の削除 – パソコン – Google アカウント ヘルプ
AndroidのGoogle Chrome編
AndroidのGoogle Chromeでは、以下の手順でキャッシュクリアを行います。
1.Chromeアプリを選択
2.右上の縦に点が3つ並んだ箇所をタップ
3.「閲覧履歴データの削除」を選択、タップする
4.データを削除する期間を選択し、「キャッシュされた画像とファイル」をタップする
5.「閲覧履歴データの削除」をタップ
出典:キャッシュと Cookie の削除 – Android – Google アカウント ヘルプ
iPhone・iPadのGoogle Chrome編
iPhone・iPadのGoogle Chromeでは、以下の手順でキャッシュクリアを行います。
1.Chromeアプリを選択
2.右上の縦に点が3つ並んだ箇所をタップ
3.「閲覧履歴データの削除」を選択、タップする
4.ポップアップからデータを削除する期間を選択し、「キャッシュされた画像とファイル」をタップする
5.「閲覧履歴データの削除」をタップ
出典:キャッシュと Cookie の削除 – iPhone と iPad – Google アカウント ヘルプ
Microsoft Edge編
Microsoft Edgeでは、以下の手順でキャッシュクリアを行います。
1.Microsoft Edgeを開き、ブラウザ右上の横に点が3つ並んだ箇所をクリック
2.「設定」をクリック
3.「設定」から「プライバシー、検索、サービス」をクリック
4.「閲覧データをクリア」の設定にある「クリアするデータの選択」をクリック
5.「閲覧データをクリア」で時間の範囲を選択し、「キャッシュされた画像とファイル」の項目をチェック
6.「今すぐクリア」をクリック
出典:Microsoft Edge の閲覧履歴を表示または削除する
MacのSafari編
MacのSafariでは、以下の手順でキャッシュクリアを行います。
1.Safariを開き、メニューバーの「Safari」から「環境設定」をクリック
2.「詳細」から「メニューバーに”開発”メニューを表示」にチェック
3.「開発」がメニューバーに追加されていることを確認し、「開発」から「キャッシュを空にする」をクリック
出典:MacのSafariでCookieを消去する – Apple サポート (日本)
iPhone、iPad、iPod touchのSafari編
iPhone、iPad、iPod touchのSafariでは、以下の手順でキャッシュクリアを行います。
1.「設定」から「アプリ」を開く
2.「safari」を選択
3.「履歴と Web サイトデータを消去」を選択
出典:iPhone、iPad、iPod touch で Safari から閲覧履歴、キャッシュ、Cookie を消去する – Apple サポート (日本)
Firefox編
Mozilla Firefoxでは、以下の手順でキャッシュクリアを行います。
1.Firefoxを開き、右上の3本線の箇所をクリック
2.「履歴」をクリック
3.「最近の履歴を消去」をクリック
4.「消去する履歴の期間」からいずれかを選択
5.「履歴」欄から「キャッシュ」にチェック
6.「OK」をクリックする
Opera編
Operaでは、以下の手順でキャッシュクリアを行います。
1.Operaを開き、「Opera」メニューをクリック
2.「設定」をクリック
3.「プライバシーとセキュリティ」をクリック
4.「閲覧データを消去」をクリック
5.「キャッシュされた画像およびファイル」にチェック
6.「データを消去」をクリック
Samsung Internet編
Samsung Internetでは、以下の手順でキャッシュクリアを行います。
1.「設定」アプリを開く
2.「アプリ」をタップ
3.キャッシュを消去したいアプリを選択
4.「ストレージ」をタップ
5.「キャッシュを消去」をタップ
出典:Samsung でアプリのキャッシュをクリアする方法とそれが何に役立つのか
キャッシュクリアに関しては、下記のリンクもあわせて確認すると理解を深められるでしょう。
参考:ブラウザのキャッシュを削除する方法 | 政府広報オンライン
特定のサイトでキャッシュクリアする方法
ブラウザのキャッシュクリアを行うと、ログイン情報やブラウザに保存していたパスワードやIDもまとめてリセットされてしまうのが不便な点といえるでしょう。
この点を解消するために、ここでは、特定のサイトについてのみキャッシュクリアする方法をご紹介します。
Google Chrome編
Google Chromeを利用して、特定のサイトについてキャッシュクリアする方法は以下の通りです。
1.Google Chromeでキャッシュクリアしたいサイトを開く
2.「デベロッパーツール」を開く
※Windowsの場合は「F12」もしくは「Ctrl+Shift+I」、またはメニューバーの「設定」から「デベロッパーツール」、Macの場合は「Ctrl+Shift+R」でツールを開きます。
3.デベロッパーツールを開いたままで更新ボタンを右クリック
4.「キャッシュの消去とハード再読み込み」をクリック
以上でGoogle Chromedeの、特定のサイトについてのキャッシュクリアは完了です。
iPhone、iPad、iPod touchのSafari編
iPhone、iPad、iPod touchのSafariを利用して、特定のサイトについてキャッシュクリアする方法は以下の通りです。
1.「設定」から「アプリ」を開く
2.「safari」を選択
3.「詳細」を選択
4.「Webサイトデータ」を選択すると、キャッシュ容量が多い順に並び変えられる
5.画面右上の「編集」を選択し、削除したいWebサイト・ドメインの左側のボタンをタップ
6.「削除」ボタンが現れるので、削除したいものをタップ
Microsoft Edge編
Microsoft Edgeを利用して、特定のサイトについてキャッシュクリアする方法は以下の通りです。
1.Microsoft Edgeでキャッシュクリアしたいサイトを開く
2.「開発者ツール」を開く
※ショートカットキーの「Ctrl+Shift+I」、またはメニューを右クリックし「開発者ツールで調査する」を開きます。
3.開発者ツールを開いたままで更新ボタンを右クリック
4.「キャッシュをクリアしてハードリフレッシュ」を選択
Firefox編
Mozilla Firefoxを利用して、特定のサイトについてキャッシュクリアする方法は以下の通りです。
1.Mozilla Firefoxブラウザを開く
2.右上のメニューボタンをクリック
3.「設定」から「プライバシーとセキュリティ」を選択
4.「Cookie とサイトデータ」をクリック
5.「データを管理…」ボタンをクリック
6.キャッシュをクリアしたいサイトを選択し、「選択したサイトデータを削除」をクリック
7.「変更を保存」をクリック
キャッシュクリアのアドオンとは
アドオンとは、ブラウザに特殊な機能を追加できるソフトウェアのことをいい「プラグイン」や「拡張機能」と呼ばれることもあります。Googleが提供する「Googleツールバー」や、アドビシステムズが提供する「Adobe Reader」などがアドオンの一例です。
また、一部のアドオンはアプリケーションソフトウェアに組み込まれており、ユーザーが意識しないうちにインストールされ、日常的に使用されることもあります。
本記事でご紹介した各ブラウザには、キャッシュをクリアするためのアドオンも存在します。例として、Google Chromeであれば「キャッシュクリア」や「Clear Cache」などが該当します。これらのアドオンは、ストアからダウンロードし、ブラウザにインストールすることで使用が可能です。
しかし、なかにはスパイウェアのような悪意ある機能も存在しています。アドオンを利用する際には、企業が配布しているものか、広く普及しているものかを見定め、内容が不明なアドオンは安易にダウンロードしないよう注意が必要です。
ブラウザキャッシュとサーバーキャッシュの違い
最後に、ブラウザキャッシュとサーバーキャッシュの違いについて解説します。
ブラウザキャッシュについては本記事の冒頭で解説した通りですが、サーバーキャッシュというものも別に存在します。どちらもパフォーマンスを向上させるためのものですが、役割が異なります。
以下にブラウザキャッシュとサーバーキャッシュの主な違いを表にまとめました。
ブラウザキャッシュ | サーバーキャッシュ | |
保存場所 | ユーザーのブラウザ | Webサイトのサーバー |
管理者 | ユーザー | Webサイトの管理者 |
保存されるデータ | 静的なリソース (画像、フォント、CSSなど) |
サーバー内の処理結果など、動的に生成されるデータ (HTML、APIレスポンスなど) |
目的 | 通信量の削減、操作性の向上など | サーバー負荷の軽減、応答速度の向上など |
制御 | サーバーがルールを設定 (HTTPヘッダーなど) |
サーバーの管理者や開発者がキャッシュの技術に応じて設定 |
まとめ
キャッシュとは、Webサイトやアプリケーションのパフォーマンスを向上させるために重要なものです。一方で、ブラウザにキャッシュが蓄積しすぎると動作が重くなったり、最新の情報が反映されにくくなったりすることがあります。
特にブラウザキャッシュは、定期的にリフレッシュさせることで快適な操作が実現できます。また、ブラウザによっては、アドオンや拡張機能を利用することでショートカットキーよりも簡単にキャッシュのクリアが可能です。そのほか、一部のサイトに限定してキャッシュをクリアすることもできます。うまく使いこなして、快適な操作性を保ちましょう。