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CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは?DMPとの違いとその特徴

2019.6.5
読了まで約 3

「CDPの導入についてどう思う?」との上司からの突然の問いに、あなたは答えられるでしょうか?

マーケティング用語には頭文字を取って3文字で表すものが多いのが特徴です。

「CDP…?」と、逆に上司に聞き返すことにならないためにも、今回は、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)について、その内容やDMP(データマネジメントプラットフォーム)との違い、特徴までご説明します。

 

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは?

CDP(Customer Data Platform=カスタマーデータプラットフォーム)とは、自社、他社問わず、さまざまなデバイスやプラットフォームに記録されている顧客の情報や行動データを収集、統合し、特定の個人や企業としての情報に再構築されたものを指します。

個人や企業に関する情報はありとあらゆるところに存在します。

まず自社内から見ていきましょう。

BtoB企業では、自社内に取引先企業である顧客のさまざまな情報が蓄積されています。

具体的には以下に挙げるオンライン、オフラインの情報です。

・顧客情報(企業規模、業種、役職など)
・購買履歴
・自社サイト内の行動データ
・DM施策の反応などの結果データ

次に自社以外にも、他社で記録されている情報など、外部データも存在します。こちらも、具体的には以下に挙げるオンライン、オフラインの情報です。

・他社サイト内の行動データ
・IOT製品からのデータ
・位置情報
・SNSやスマホアプリのログデータ
・国や地方公共団体からの情報(国勢調査など)
・民間企業からの情報(口コミなど)

バラバラに存在するこれらの情報に対して、個別に対応していては顧客の真のニーズはキャッチできません。

点在する情報をすべて取り込み、再度、顧客単位の情報にまとめる必要があるのです。つまり自社だけでなく、自社以外の外部データも収集して、すべての情報を統合して、特定の個人や企業単位としての情報に再構築することがカスタマーデータプラットフォームなのです。


DMPとの違い

それではDMP(Data Management Platform=データマネジメントプラットフォーム)とは何が異なるのでしょうか。

一般的にいわれる「DMP(データマネジメントプラットフォーム)」とは、パブリックDMPとプライベートDMPの二つをまとめた総称です。

パブリックDMPとは、インターネット上にある自社以外のデータを収集して管理するデータプラットフォームです。

一方プライベートDMPは、自社に蓄積された情報を中心に、自社以外のデータも含めて収集、管理するデータプラットフォームです。

これだけの情報であれば、CDPとプライベートDMPは非常に似ている概念といえるでしょう。

ただ両者にはキーとなる情報が大きく異なるという差異があります。

CDPの場合、具体的な個人や企業の情報として、名前が特定された顧客単位で情報が再構築されます。たとえば「田中ソリューション株式会社」などで紐付けされたデータをすべて拾い上げて、情報を統合します。

一方でDMPはブラウザのCookie情報をキーにしています。たとえば「東京都・非上場・100人以下の規模・製造」などで紐付けされた情報を拾い上げて再構築します。

どこまで詳細に再構築の情報単位が絞り込まれるか、CDPとDMPではこの点で決定的に異なるといえます。

 

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)の特徴

さてCDPの特徴は、マーケターがマーケティング施策を行う際に利用できるという点にあるといえます。顧客情報が行動データも含めてすべて一元化されており、外部のシステムからもアクセスが可能となります。

逆をいえば、これらの情報を利用してマーケティング施策を考えるのは、利用者であるマーケターが行わなければならないということです。

とくにBtoBマーケティングにおいては、企業(組織)が顧客であるため、その意思決定プロセスに精通することが重要といえます。

つまり顧客企業の意思決定に関与する部門、役職、担当者の情報が非常に大事になってくるのです。

顧客企業はどのような課題を持っており、中でも意思決定に関わる複数の人の関心がどこに向いているのか、顧客企業の風土やビジョンなどを正確に把握することが、他社との差別化にもなります。

これらの情報をベースにして具体的なマーケティング戦略を練り、自社内の関連部門との連携を図ることで、飛躍的に市場での優位性は確保されるといえます。

こうしてみると、マーケティング施策の良し悪しはマーケターの腕の見せ所といえますが、その材料となる情報こそが重要といえるでしょう。

顧客企業単位の詳細な独自の情報かどうかで、施策は左右されます。

そのためCDPの導入を検討する企業も広がりつつあるのが現状といえます。

ビジネスの世界で今や常識となる「顧客ファースト」。

しかし商品やサービスを提供する側からすれば、実際に顧客が何を求めているのかを知り得ることが大前提です。

とくにIT技術の進化によりタッチポイントが増えている現在では、すべての情報を収集、統合し、特定の個人や企業として再構築された情報があってこそ「顧客ファースト」が実現できるというものです。

よりタイムリーで顧客企業のニーズやウォンツに対応できるマーケティング施策を実行できるためには、CDPは欠かせないといえるでしょう。
これを機会にCDP導入の検討をしてみるのはいかがでしょうか。

 

まとめ

◆ CDPは、自社、他社問わず、さまざまなデバイスやプラットフォームに記録されている顧客の情報や行動データを収集して統合し、特定企業情報として再構築されたもの

◆ CDPとプライベートDMPは似ているが、キーとなる情報が異なる

◆ CDPは外部からのアクセスも可能でマーケターがマーケティング施策の際に利用するものといえる

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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