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ターゲティング|競合他社と差をつけるターゲット設定の方法

2019.6.3
読了まで約 3

ターゲティング」とは、市場をさまざまな切り口から分類し、そのうちのどの顧客層に向けて自社の製品やサービスを開発するか、もしくは販促を行っていくか、自社のターゲットを明確にすることです。

ターゲティングはBtoC(顧客が個人客)企業で有効と思われがちですが、BtoB(顧客が法人客)企業においても同様に重要です。

そこで今回は、BtoBにおけるターゲティングについて、その内容や設定方法をご説明します。

 

BtoBにおけるターゲティングの特徴

BtoCと異なり、BtoBにおけるマーケティングでは、以下の特徴があります。

・意思決定までのプロセスに複数人が関わる
・意思決定までに時間を要する
・担当者との長期的な信頼関係が必要となる
・感情に動かされにくく合理的な意思決定がなされる

BtoCではより個人の感情にフィットする側面が重視されたターゲティングがなされてきましたが、BtoBでは合理的に判断するための要素を重視したターゲティングが効果的です。

製品情報はもちろん、企業風土やビジョンに合うこともポイントだといえます。

 

競合他社と差をつけるターゲティングは詳細な分析から!

どのようにしてターゲティングを行えばいいのでしょうか。まず競合他社と差をつけるためには、前提として2wayでの分析が必要です。

●自社の強みを再認識する

ターゲティングを行う前に、自社の製品やサービスが市場に提供できる価値を可視化することが重要です。

言い換えれば、「自社の強み」といえるでしょう。これが曖昧であれば、そもそもターゲットを設定すること自体が難しいといえます。

自社の製品やサービスがどのように利用され、また企業の課題を解決していくことができるのか。

この点を明確にしなければなりません。

あわせて「自社の強み」に対する客観的なデータも必要です。具体的にはどのような企業との取引が多いのかを分析する必要があります。

「業種」「企業規模」「上場区分」「売上高」「所在地」などの顧客企業の基本データはもちろん、企業風土、社員の気質なども必要な情報となってきます。

さらに「取引金額」、「購入頻度」なども加味して、どのような企業が自社の提供価値を求めているのかを明確にします。

●市場を細分化する(セグメンテーション

一方で現在の市場を分析する必要があります。市場を細分化してセグメントを明確にしなければなりません。

どのような切り口で細分化するのか、このセグメンテーションも非常に重要となってきます。

なお細分化する際には、既存の企業情報だけではなく、行動データをベースにしてセグメントを分けることもできます。

以上より、ターゲティングを行う前提として、自社側と市場側の二つの方向で分析を行う必要があるといえます。

 

ターゲティングのカギは「将来性」「自社との相性」「他社にない強み」

分析が終了すれば、あとは、どのセグメントを自社のターゲットにするかを選択します。

一つのセグメントに集中して、リピートを狙い永続的な取引を行う、もしくはサブスクリプション形式でのサービスの提供などを検討してもいいかもしれません。

また一つに絞らず、複数のセグメントをターゲットにするでも構いません。

注意すべきは、市場全体を可能な限りカバーするという視点から脱却することです。複数のセグメントを選ぶのと、市場全体を取り込むのとでは、そもそもアプローチが異なります。

「選択と集中」、絞り込むという意識を持つことが重要です。

なおターゲットを選択する上で「カギ」となるのが、以下の三つです。

・将来性
・自社との相性
・他社にない強み

まず将来発展する可能性のないセグメントは選ぶべきではありません。結果的にセグメントの規模が縮小し、ターゲットを選びなおすことになるからです。

またどんなに魅力的なセグメントであっても、自社との相性が良くないセグメントは選ぶことを避けましょう。

自社のブランドや企業風土と相容れないセグメントであれば、よい反応を得られないかもしれません。

また自社との相性が良くないセグメントを選ぶことにより、自社のイメージが変わる可能性もあるため、慎重に検討すべきといえます。

さらに将来有望で自社との相性のいいセグメントであっても、競合他社がすでに存在し、参入障壁となる場合も、避けるべきでしょう。

逆に他社にはない強みが自社にあれば、後発的な参入であっても、十分勝算はあるといえます。

ターゲティングの成功の秘訣は、守りに入らず攻めの姿勢を貫くことです。

というのも担当者は、ターゲティングを避けたがります。

マーケティング戦略を行うセグメントを絞るため、万が一ターゲットがうまく反応しない場合を恐れて消極的になるからです。

ターゲティングをせずに市場全体に受け入れられる商品やサービスは、逆をいえば個性がなく他社との差別化も図れないとも捉えることができます。

つまり結果的に中途半端な状況を招きかねない可能性が高いのです。

そのため本来、ターゲティングは競合他社との差をつける上で非常に有効な手法といえます。

あとは、ターゲット設定のための分析次第といえるでしょう。

 

まとめ

◆ BtoBでは合理的に判断するための要素を重視したターゲティングが効果的

◆ ターゲティングの前提として、「自社の強み」の再認識と市場の細分化が必要

◆ 「将来性」「自社との相性」「他社にない強み」という視点でセグメントを選択する

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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