最近マーケティングオートメーション(MA)というキーワードをよく耳にするようになりました。
いままではウェブ上のマーケティングと言えばSEO・SEMなど検索エンジンやSNSを活用したものがほとんどでしたが、それらとマーケティングオートメーションの違いは何なのか?見ていくこととしましょう。
マーケティングオートメーションとは
マーケティングオートメーション(MA)とは、一般的にはBtoBにおいて広告やセミナー、ネット上でのSEOやSEMで集めた見込み客の情報を一元管理し、メール、SNS、 ウェブサイトなどで見込み客に対して適切な情報を配信することで最終的に成約率を上げていくためのプロセスをシステム化し、通常人力で行う定型的な業務や、大量の作業を自動化し、効率を高める仕組みやソフトウェア・ツールを指します。
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ソフトウェア・ツールとしてのマーケティングオートメーションは
ウェブサイトの訪問者を分析したり、集めた見込み客の中から商談に進む可能性が高い顧客を抽出する(リードスコアリング)、見込み客に対して、興味を高めたり、自社の優位性をアピールするコンテンツを提示することで、商談の見込み度合いを高める活動(リードナーチャリングキャンペーン)、キャンペーンの管理、データ解析、レポート作成などの機能を1つのソフトウェアに統合したものです。
マーケティングオートメーション自体はマーケティングのフローの中で表現される「ファネル」(漏斗)の一部として認識するとわかりやすいと思います。
下記の図は「マーケティングファネル」と呼ばれるもので商品・サービスの購買に至る顧客行動の過程をフェーズ分けし、モデル化したものです。
この中で見込み客を獲得した後のマーケティングの後半部分顧客を育成したり、さらに絞り込む場合にユーザーの属性などを自動で判別し、囲い込むためメールマガジンやDMを自動で発送する部分でマーケティングオートメーション利用します。
上記の様にマーケティングオートメーションは見込み客に関して自動・定型でさまざまなアプローチを行いますが、それらの方法が成果を出しているのかデータを解析することも大変重要です。
プロジェクトやデータ解析には何かしらの到達点・目標を設定しなければなりません。
マーケティングでは最終目標が達成されているかを計測するための指標として「KGI」(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)を設定しますが、最終的な目標(KGI)を達成するためには複数の過程を経ていかなければいけません。
最終目標を達成するために必要な過程をピックアップし、過程をどのくらいの成績で通過すれば最終目標を達成できるのか?
またその成績の基準になる目標を「KPI」(key performance indicator:重要業績評価指標)と言います。
ではマーケティングオートメーションの中で一番重要な見込み客の育成部分「リードナーチャリング」におけるKPIの設定について考えてみましょう。
リードナーチャリングのKPIについて
先ほどの「マーケティングファネル」の図では見込み客を育成することが「リードナーチャリング」となっています。
リードナーチャリングのKPI(key performance indicator:(=重要業績評価指標)の略。
企業の目標達成度を定量的に評価するための指標のこと)は何を設定したらいいのでしょうか?
よく使われるKPIとしては
- アプローチ数・・・見込み客との接点数のこと。展示会のブース来場数、自社ブログへのアクセス数など。
- コンバージョン率・・・見込み客へ転換した割合のことで、サイトのアクセスに対するメルマガの登録率や、セミナーや展示会来場数に対する名刺交換率など。
- 問い合せ獲得率・・・問い合せにつながった割合。
- アポ獲得率・・・訪問アポにつながった割合のこと。
- 商談化率・・・訪問や商談に至った割合。
- 成約率・・・契約に至った割合。
などです。
これらを実際に運用する例として
- 資料請求・ダウンロード数
- メールマガジンの発行部数
- メール・メールマガジンの開封率・クリック率・継続率(解除率)
- メール・メールマガジン・LPなどからのコンバージョン率
- コンテンツ閲覧ユーザーの通知メール受信数や返信などのアクション数
などになるでしょう。
上記を見てもわかるように、1つのプロジェクトを成功させるには、さまざまな目標をクリアしていなければなりません。
それら一つ一つの目標や達成率をKPIとして設定していきます。
まとめ
大きなプロジェクトの達成のためには明確な到達点・目標を設定しなければなりません。
リードナーチャリングのKPIはプロジェクト全体を達成するための小さな目標となります。
プロジェクトを達成するためKPIを細かく設定し、部分部分のな達成率を測ることで客観的にプロジェクトの進捗やテコ入れの必要な部分が見えてくるでしょう。