チャネルという言葉をマーケティングの現場で一度は聞いたことがあるかもしれません。しかし、その言葉の意味を正しく理解している人はどれくらいいるでしょうか。チャネルは製品と顧客とを結ぶ経路のことを指し、近年ではWeb媒体の増加に伴い、チャネルも増加してきました。チャネルをうまく活用すれば、効果的な集客方法を考案することが可能になります。本記事では、チャネルとは何かといった基本的な用語の解説から、オムニチャネル、クロスチャネル、マルチチャネルとはなにかという、応用的な用語の意味まで解説していきます。
目次
チャネルとは？
チャネルは、さまざまなシーンで使われる用語です。チャネルは英語で「channel」と表記します。
本来チャネルは、「水路・運河」という意味で使われていましたが、テレビが普及するとともに、「テレビのチャンネル」という意味で使われるようになりました。その後、ITが普及してからは、「データを転送する経路」という意味で使われることが多くなります。
このようにさまざまな使い方がされるチャネルという言葉ですが、実はマーケティングの現場でも多く使用されていることをご存じでしょうか。
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チャネルはマーケティング用語としても使われる
マーケティングの現場において、チャネルは「集客するための媒体、経路」、または「それに携わる業者・組織」のことを意味します。つまり、商品やサービスを顧客に届ける「流通経路」のことです。
チャネルには3つの種類が存在し、それぞれ「販売チャネル」「流通チャネル」「コミュニケーションチャネル」と呼ばれています。
ECや実店舗などの販売チャネル
販売チャネルとは、顧客が実際に商品を購入する場所のことを指します。
B to C企業にとっての販売チャネルは、ECサイトや実店舗などを指し、企業側からすると商品を売る場所のことを意味しています。
販売チャネルの役割は、顧客との接点を作ることです。商品を売買する場所もそうですが、調査やプロモーションなども顧客との接点になります。調査は、市場調査をすることで消費者の好みや年齢層などを情報収集すること、プロモーションは消費者に対する販売促進活動のことを表します。
販売チャネルの種類
B to C企業の販売チャネルは、主なもので2種類に分けられます。
1つ目は、Webマーケティングです。Webマーケティングとは、インターネットを活用した販売方法のことを言います。さらに細かく分類すると、リスティング広告やアドネットワーク、 SNS広告が挙げられるでしょう。
販売チャネルの2つ目は、代理店展開です。日本全国で一気に販路を拡大したい場合は、代理店展開という販売チャネルの手法があります。
ゼロ段階〜第三段階
販売チャネルは、商品やサービスが顧客に届くまでの長さによって、ゼロ段階から第3段階まで分類することができます。
ゼロ段階チャネルは、企業が直接消費者に営業販売を行い、消費者に購入してもらうものです。これは従来の商習慣でも長く行われてきた最も基本となるやり方です。
第一段階チャネルは、企業が小売店を通して、販売する方法です。小売業界では以前は、卸売業者を通す第二段階のやり方が主流でしたが、コスト削減のため、今は第一段階チャネルが主流になってきています。
第二段階チャネルは、先ほども申し上げましたが、企業と顧客の間に小売業と卸売業が入って販売する方法です。この手法も以前は主流になったことがありました。しかし、現在ではコンビニエンスストアや大手の家電量販店などは、マージンを減らすためにメーカーと直接取り引きすることが増えてきています。
最後の第三段階チャネルは、企業と顧客の間に、小売業、卸売業、二次卸売業の3つが入って販売する方法です。二次卸売業は、「一次卸から仕入れて、小売店に売る」業者のことを指します。この第三段階チャネルは、物流の発達に伴って減少傾向にあります。
B to Bでの販売チャネル例
B to B企業は、B to C企業と比べて販売経路を作ることが難しいと言われています。そのため、B to B企業は、あらゆるところから販売チャネルを作らなければいけないため、販売経路は多様です。
展示会やセミナー、カタログ・パンフレット、電話営業、コールセンター、対面営業、保守・修理が主流で行われていますが、インターネットが普及した昨今では、B to B企業同士をつなぐサイトがどんどん作られてきています。
手段としての流通チャネル
流通チャネルとは、顧客に商品やサービスを届けるための配送や物流手段のことです。
どのような形で顧客に商品やサービスを届けたら良いのか、それぞれの企業に合った方法を探ることができれば、顧客の満足度は上がるでしょう。
顧客の満足度を上げるために検討する必要があるのが、この流通チャネルなのです。
情報伝達のコミュニケーションチャネル
コミュニケーションチャネルとは、企業が顧客とコミュニケーションを取るための場所のことです。具体的には、SNSやテレビCM、スマートフォン広告など多岐にわたります。
コミュニケーションチャネルは、消費者と直接、または間接的にコミュニケーションをとることができる場所なので、消費者の声をそのままマーケティングに反映することもできます。
顧客のニーズをつかみ、自社の商品・サービスに反映させるためにはとても重要なチャネルと言えるでしょう。
オムニチャネルとは
ここからは、チャネルの種類である「オムニチャネル」という言葉の意味について解説していきます。
オムニチャネルとは、複数の販売チャネルを活用するマルチチャネルの進化形で、リアルとネットの境界がなくされた状態のことを意味します。オムニ（omni）という言葉には、英語で「すべての」という意味があります。
たとえば、店舗に行って在庫がなかったため、ECサイトで購入する。または、店舗である商品を購入しようとしたのだが、ECサイトの方が安く買えることを知り、ECサイトで購入するなどが挙げられます。
このように、オンラインでもオフラインでも、消費者に購入の経路を意識させず接触し、リアルとネットの境界を融解させていくことを、オムニチャネルと呼ぶのです。
関連記事：オムニチャネルでブランド力を上げる／チャネル連携で得られるメリットや注意点とは？
クロスチャネルとは
クロスチャネルとは、チャネルが複数あり、かつチャネル同士で、顧客情報や在庫などのデータを連携し、情報を一元化することを意味します。
情報が一元管理されているため、チャネルごとに同じ最新の情報をリアルタイムで見ることが可能になり、「ネットショップに在庫があるが、実店舗にはない」など、マルチチャネルで起きていたことがなくなります。
クロスチャネルを活用すると、実店舗からECの在庫確認をし、顧客に案内することも可能になります。消費者にとっては購入しやすく、企業にとっては販売しやすいというメリットがあります。
マルチチャネルとは
マルチチャネルとは、チャネルが複数あるが、それぞれが独立している状態のことを意味します。
マルチチャネルを採用していると、ECサイトと実店舗販売の2つのチャネルを有しているが、それぞれのチャネルが独立しているため、「ECサイトでは在庫があるが、実店舗では在庫がない」というようなことが起こり、商品を販売する機会を逸しやすい傾向があります。
また、それぞれのチャネルが独立しているということは、顧客側からすると異なった購入体験をすることになるため、閲覧したECサイトの運営元と実店舗のお店が「1つの企業」であるという認識を持たせることが困難になってしまいます。
これは、ブランディングをするにあたり、認識が薄れてしまうため致命的です。
適切なチャネル判断は集客と売上アップを加速させる
以上、マーケティング用語としてのチャネルには様々な種類のものがあることが分かりました。
ここで学んだ知識を活用し、これらのチャネルを企業の特色に合わせて使用することができれば、商品やサービスの価値を高め、顧客満足度を高めることができます。つまり、チャネルの知識を深めることが、集客と売り上げをアップさせることにつながるのです。
まとめ：チャネルを適切に理解してマーケティングをしましょう
本記事では、マーケティング用語としてのチャネルとは何か、チャネルの様々な種類について説明しました。
それぞれのチャネルには、異なる特性があります。そのため、それらを理解し、自社に合った方法を採用することが必要です。企業に最適な方法を採用することができれば、自社の売り上げアップやブランド価値を高めることにつながるでしょう。
チャネルに関する知識は、マーケティングの現場においてとても重要なものです。このような基礎的な知識を身につけ、マーケティングをしていきましょう。そうすることが、自社のマーケティングの成功、自社の発展へとつながることになるからです。
