ビジネスの世界では、宣伝目的でノベルティを配ることが一般的です。しかし、ただ配るだけでは効果が得られないため、戦略的に実施する必要があります。
この記事では、ノベルティを配る意味や効果、そして実施するために必要な準備などを解説します。これからノベルティを作ることを検討している人は、ぜひ本記事を参考にしていただき、自社の商品・サービスの売上向上に役立ててください。
目次
ノベルティとは？
ノベルティとは、広告宣伝やプロモーションのために、企業や団体が無料で配布する小さなプレゼントやグッズのことを言います。プレゼントやグッズには、企業や団体のロゴマークや社名などが印刷されることもあります。
ノベルティには、ボールペンやメモ帳、キーホルダー、水筒、マグカップ、エコバッグなど、日常生活でよく使われるものが配布されることが多いです。
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ノベルティとその他の違い
ノベルティの他にも、無料で配布されるプレゼントやグッズには、以下のようなものもあります。
● プレミアム
● 販促品
これらは、ノベルティとは異なるものになりますが、それぞれの違いについて順番に解説します。
プレミアムとの違い
ノベルティとプレミアムの違いは、お客様が商品・サービスを購入・利用しているかどうかです。
ノベルティは、商品やサービスの購入・契約前のお客様に認知度の向上を目的で配られるのに対して、プレミアムは商品やサービスをすでに購入・利用されているお客様へ、顧客フォローの目的で配られることが一般的です。
ちなみに、どちらの場合も商品・サービスの利用者や、来店者に対してもれなく提供する「ベタ付け景品」となり、景品表示法で以下のような制限があります。
| 取引価格 | 景品類の最高額 |
| 1,000円未満 | 200円 |
| 1,000円以上 | 取引価格の10分の2 |
販促品との違い
ノベルティと販促品とは、配布する「目的」に違いがあります。
ノベルティの目的が、商品・サービスの「認知度向上」であるのに対し、販促品は商品・サービスの「販売の促進」を目的としています。販促品はノベルティと同じく無料で配付されますが、商品のサンプル・試供品が多いです。
ノベルティを配る意味や目的
企業がノベルティを無料で配る主な意味や目的には、下記のようなものがあります。
● イメージアップ
● 認知拡大
● 見込み客の情報を集める
それぞれ順番に解説します。
イメージアップ
企業の中には、会社や商品・サービスのイメージアップを狙って、積極的にノベルティを配るところもあります。なぜなら、お客様の日常生活で使用する頻度の高いノベルティを配布すれば、お客様から喜ばれ、企業の印象が良くなることもあるからです。
例えば、定期的に利用する文具やエコバッグなどの実用的なアイテムは、お客様が日常的に使用するツールとなります。使い勝手が良かったり、「ちょうど欲しかった」というタイミングで配布したりすればお客様から喜ばれ、企業に対する印象もよくなるでしょう。
ただし、ノベルティは単なるプレゼントではなく、「プロモーションツール」の一つなので、いたずらに配布するのではなく、戦略的に活用することが大切です。
認知拡大
ノベルティは、企業や商品・サービスの認知拡大にも役に立ちます。なぜなら、ほとんどのノベルティには企業のロゴやブランド名が印刷されており、多くの人に配布されることで広く企業名やロゴをアピールできるからです。
ノベルティは渡された人だけでなく、そのノベルティを使っている人を見た人に気付いてもらえば、さらに認知拡大の効果が得られます。例えば、ある商品のロゴが入ったボールペンをもらって、自分が勤める会社で使っていたところ、他の社員がそのボールペンのロゴに気付いて興味を持って問い合わせたり、調べたりすることもあります。
ノベルティは企業や商品・サービスの認知拡大に非常に有効な手段となっています。
見込み客の情報を集める
ノベルティの配布には、見込み客の情報を集める目的もあります。ノベルティを使って見込み客の情報を集めることができる理由は、ノベルティを配布する際にアンケートや名刺交換を促すことができるからです。
例えば、展示会やセミナーで来場された人からアンケートを取りたい場合、「アンケートに回答していただいた方に、もれなくグッズを差し上げます」と案内することで、見込み客から貴重な情報を収集することができます。また、アンケートや名刺交換によって収集された情報を基に、見込み客のニーズや関心を把握し、それに合わせたマーケティング戦略を立てることができます。
このように、ノベルティを使って見込み客の情報を集めることは、企業にとって非常に有益な手段の一つとなっています。
関連記事：はじめての展示会出展 – ノベルティの目的と選定方法
ノベルティを配ることで得られる効果
ノベルティを配ることで得られる効果には、主に下記の3つがあります。
● すり込み効果
● 引き止め効果
● 効率的に宣伝できる
それぞれ順番に解説します。
すり込み効果
ノベルティを配ることで、見込み客へのすり込み効果が期待できます。なぜなら、ノベルティは比較的普段から使うものが多いため、ノベルティに印刷された企業や商品ロゴを日常的に目にする機会が増えるからです。
例えば、企業名やロゴが入ったボールペンを使っているときに、そのボールペンを見る度に、その企業の名前やロゴが脳裏に浮かぶようになるでしょう。もらったノベルティを使う頻度が多ければ多いほど、企業の名前やロゴを見る機会も多くなります。
場合によっては、普段何気なく見ているテレビCMやネット広告並みの印象を与えることもできます。
引き止め効果
ノベルティは、見込み客だけでなく、既存顧客にも配ることで引き止め効果が期待できます。なぜなら、既存顧客の場合、その企業の商品やサービスに満足している場合が多く、ノベルティがもらえることで企業や商品・サービスに愛着を持ち続け、リピート購入が期待できるからです。
また、企業側からも、顧客を大切にしているというメッセージを送ることにもつながります。既存顧客と良好な関係を続けるツールとしても、ノベルティは有効です。
効率的に宣伝できる
ノベルティを配ることは、効率的な宣伝にもつながります。なぜなら、低コストで多くの人に企業や商品・サービスのアピールができるからです。
また、前述の「認知拡大」でも触れましたが、ノベルティをもらった人だけでなく、そこから周囲の人が興味を持つこともあります。テレビCMのような莫大なコストをかけることなく、効率的に宣伝できます。
ノベルティを選ぶ上で重要な4つのポイント
どんなノベルティを配ればよいのか迷われる人もいると思いますが、ここではノベルティを選ぶ上で重要な4つのポイントを解説します。
・ターゲットの好みや興味を把握する
・自社のサービスに関連するものを選ぶ
・トレンドを押える
・実用性のあるものを中心に選ぶ
それぞれ順番に解説します。
ターゲットの好みや興味を把握する
どのようなノベルティにするかを決める前に、まずはターゲットの好みや興味を把握しておくことが大切です。なぜなら、ターゲットの好みや興味に合ったノベルティを配布することでノベルティを使ってもらえる頻度が上がり、宣伝効果が高まるからです。
例えば、スポーツ好きなターゲットにはスポーツタオルやドリンクボトル、ビジネスマンには蛍光ペンやボールペンなど、使い方や場面に合わせたノベルティが効果的です。反対に、ノベルティがターゲットの好みや興味に合わない場合は、逆効果になる可能性もあるため、選ぶ際には慎重になる必要があります。
ターゲットの好みや興味を考えてノベルティを選ぶことは、ノベルティによる宣伝効果を大きく左右することにもなるので非常に重要です。
自社のサービスに関連するものを選ぶ
ノベルティを配布するのであれば、自社のサービスに関連するものを選ぶと効果的です。なぜなら、ノベルティを受け取った人が、自然とそのサービスを思い出せるからです。
例えば、自動車販売会社が自動車の形をしたキーホルダーや、自社のロゴが入ったキーホルダーを配布することにより、顧客が自社のサービスを思い出す機会が増えます。もらった人が、そのサービスを連想しやすくなるよう、自社のサービスに関連するノベルティを選ぶことが大切です。
トレンドを押さえる
ノベルティを選ぶ際は、トレンドを押さえて選ぶことも大切です。なぜなら、その年代や季節に流行っているアイテムを選ぶことで、より多くの人々に興味を持ってもらえる可能性が高くなるためです。
例えば、夏の季節にはUVカット機能を持った帽子やタオル、クールタオルなどの涼しげなノベルティが人気となる傾向があります。また、近年ではエコバッグやマスクなど、社会的な関心事に関連するアイテムが人気となっています。
これらのトレンドを押さえたノベルティを選ぶことで、より多くの人々に受け入れられやすくなります。ただし、トレンドに敏感な人たちは変化が早い傾向があり、一定期間を過ぎるとトレンドが変わる可能性があるため注意が必要です。
実用性のあるものを中心に選ぶ
ノベルティは、実用性のあるものを中心に選ぶことが大切です。なぜなら、実用的なノベルティを配布することで、受け取った人が長く使用することができ、企業のロゴやメッセージがより多くの人々にアピールされる可能性が高くなるからです。
例えば、日常的に使用する文具や飲み物を入れることができるマグカップなどの実用的なノベルティは、受け取った人が日常的に使用できるため、ロゴやメッセージを見る頻度が増えるでしょう。また、他の人の目に触れる機会も増えるため、宣伝効果も高まります。
実用性のあるノベルティを選ぶことは非常に大切であると言えます。
関連記事：ターゲット顧客の解像度を高める6つの方法
まとめ
本記事では、ノベルティを配る意味や効果、選ぶ際のポイントについて解説しました。ノベルティを配ることで、企業や商品・サービスのイメージアップ、認知拡大、見込み客の情報収集、既存顧客の引き止め、効率的な宣伝が期待できます。
ノベルティを選ぶ際には、ターゲットの好みや興味、自社のサービスと関連するもの、トレンドを押さえたもの、実用性があるものを中心に選ぶことが重要です。また、ノベルティを配る際には、目的やターゲットを明確にし、適切な配布場所やタイミング、配布数を決めることも大切です。
これからノベルティを作ることを検討している人は、ぜひ本記事を参考にして、効果的なノベルティを作りましょう。
