集客や販促のテクニックを探している方にとって、市場調査やマーケティングリサーチといった言葉は、日頃から聞きなれている単語でしょう。
どちらも経営を行う上で欠かせない戦略の一つです。
一方で市場調査とマーケティングリサーチの意味を混同してしまっている方も少なくありません。
この先、効率よく集客を行っていくためにも二つの違いを知り、販促へ役立てていきましょう。
市場調査とマーケティングリサーチの違い
市場調査とマーケティング、この二つには大きな違いがあります。
市場調査には“これまでの傾向を把握する”という意味合いが、マーケティングリサーチは“顧客の考えを探り、今後のニーズを知る”という意味合いを持っているのです。
そのため過去の流れや現在までの状況を確認したい場合は市場調査、今後の流行や展開を予測したい場合はマーケティングといった風に、目的によって上手に使い分けていく必要があるでしょう。
また市場調査は基本的に情報を数値化しますが、マーケティングリサーチでは顧客や見込み客が考えている思いとして言葉を収集します。
出てくる結果がまったく違うものであるため、それぞれに詳しい専門家へ分析を依頼すると、より結果を集客や販促へ生かしやすくなるでしょう。
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市場調査やマーケティングリサーチの進め方
業界への新規参入や新サービスの導入時など、今後の経営を安定させるためにも、市場調査やマーケティングの実施は非常に有用です。
しかしこれまでにこれらの調査を行ったことがない場合、何から始めてよいのか分からず戸惑ってしまうでしょう。
そんな調査やリサーチ未経験の方のために、一般的な市場調査やマーケティングリサーチの進め方をご紹介いたします。
<市場調査の進め方>
市場調査には主に6種類の方法があります。
「インターネット調査」「アンケート調査」「対面ヒアリング調査」「電話調査」「郵送調査」「現地調査」です。
どの方法を選ぶかによって、結果の正確性や費用が大きく異なるため、判断は慎重に行うようにします。
とくに対面での調査は、調査員のレベルが大きく結果を左右するため、専門業者へ市場調査を依頼する場合は、信頼のおける企業であるかどうかの見極めも重要となるでしょう。
経費をかけないのであれば、自社でアンケートを作成したり、郵送や電話で調査を行ったりすることも可能です。
しかし市場調査に慣れていない人間では、アンケートやヒアリングの内容が薄くなってしまう場合もあります。
まったくの初心者の場合は、市場調査に慣れた外部のプロへ任せることで、スムーズかつ内容の濃い調査結果が得られるでしょう。
<マーケティングリサーチの進め方>
マーケティングリサーチの場合も、主な調査の種類は市場調査と変わりません。
場合によっては定番の調査に加え、消費者の生の声を聞くことができる覆面調査や試供品を提供しての調査、長期的な意見を求めるパネル調査などを行うケースもあります。
マーケティングリサーチは、今後の参考にしていく大切な意見です。
味や香り、使い心地といった五感で感じる部分について顧客の意見を聞きたい場合は、インターネットや電話、郵送といった顔の見えない手法は避けた方がよいでしょう。
マーケティングリサーチを行う際、気になる点をただアンケートしているだけでは市場調査と変わらない結果になってしまいます。
今後売り出したい商品、リニューアルしたいサービスなどを世間へ押し出すために、求めるべき意見を厳選していきましょう。
社内でリサーチ内容を考える場合は、「何故?」「もしかして?」気持ちが大切だと言われています。
「素晴らしい商品やサービスができた!良し!」ではなく、「この商品を見た顧客はどう思うのだろう?」「もしかしたら女性に不評なパッケージかもしれない」といったあらゆる可能性を事前に考えておくことで、よいリサーチ内容が生まれます。
市場調査と同じく、自分では内容を決めかねるという場合は、リサーチ専門の企業へ情報収集を依頼しましょう。
実際にあったマーケティングリサーチの成功例などを、チェックしてみるのもオススメです。
市場調査とマーケティングリサーチの活用法
市場調査とマーケティングリサーチは、どのように使い分けて行けばよいのでしょうか?
実際に市場調査とマーケティングリサーチを行い、経営を軌道に乗せている例をいくつか見ていると、ある共通点に気付きます。
それは、市場調査を行った後に、数値では見えない部分についてマーケティングリサーチで情報を補っている、という点です。
先に市場調査を行い、全体的な構図を把握することで、マーケティングリサーチで集めるべきアンケート内容が絞られていくでしょう。
もう一点、市場調査やマーケティングリサーチは顧客の傾向やニーズを知るための方法でしかないと心得ることも大切です。
飲食店を経営している人間が、市場調査やマーケティングを行い、顧客がオシャレな雰囲気を求めていることに気付いたとします。
だからといって安易に内装や定番メニューを変えてしまっては、これまでの常連客を失ってしまう場合もあるでしょう。
このようなあからさまな部分ではなく、高級感のある食器や制服の導入や、どこよりも丁寧な接客、インスタ映えする限定メニューの提案といった一部分を変えることでオシャレなイメージが湧き集客へつながるケースも考えられます。
方向性で再び悩んでしまった場合は、絞り込んだ2~3択の意見の中から、再度マーケティングリサーチを行うと、向かうべき道が確定していくでしょう。
市場調査やマーケティングリサーチの結果は、安定した経営を行うために欠かせないものです。
しかしその声の裏側にどのようなニーズが隠されているのかについて、丁寧に検証を行い、さまざまな実験を繰り返していく必要があるのです。
市場調査やマーケティングリサーチを行う際の注意点
市場調査やマーケティングを経営へ取り入れる場合、事前に予算を明確にしておきましょう。
一度の調査で良く分からなかったから、次は別の方法……では、費用がいくらあっても足りません。
必要な情報を得るためにはいくらくらい必要なのか、自分の会社にもっとも適している調査方法はどれか、といった面に留意し、一つひとつの調査で確実に結果を得られるようにしましょう。
市場調査やマーケティングリサーチの結果は、社会情勢や流行によって変化します。
一度のデータ収集で満足することなく、定期的に顧客の意見へ耳を傾けることで、飽きられず愛され続ける商品を提供できるでしょう。
まとめ
過去の流れや現在までの状況を確認したい場合は市場調査、今後の流行や展開を予測したい場合はマーケティングといったように、目的によって上手に使い分ける。
市場調査やマーケティングリサーチの結果は、その声の裏側にどのようなニーズが隠されているのかについて、丁寧に検証を行い、さまざまな実験を繰り返していく必要がある。
ビジネスを成功させたいなら、市場調査とマーケティングリサーチが必須です。身内では考えもしなかった新しいアイデアの数々が、今後の経営を後押ししてくれる強い力になるでしょう。