何らかの商売やビジネスなどを始めるうえで、「集客」は非常に重要なマーケティング要素となります。集客とは、自社の商品やサービスを利用する「客」を集めることです。本記事では、集客の重要性や方法を解説します。
目次
集客とは?取り組む重要性
売上を上げる場合は、集客が必要であると理解しているものの、「なぜ集客が必要なのか」「どのようにすれば人を集められるかが分からない」などの疑問が多いのではないでしょうか。集客の概要や重要性を、詳しく解説します。
集客とは?
先述のとおり、集客とは自社の商品やサービスを利用する顧客を集めることです。また、顧客には継続的に利用してもらう必要があり、ファンにする必要があります。なお、購入見込みのない人を集めた場合は売上にはならないため、集客とは呼べません。そのため、単なる人集めではなく、購入見込みのある人を集めたり、継続購入まで導いたりすることが集客です。
なお、集客する対象の顧客は、これから購入する「新規顧客」とすでに購入された「既存顧客」の2つに分けられます。新規顧客を獲得する場合は、購入可能性のある「潜在顧客」を発掘する必要があります。
「潜在顧客」とは、まだ自社のことや商品・サービスのことは把握していないが、解決したいこと(ニーズ)を理解し、将来的に解決するための手段として購入してもらえる見込みのある顧客のことです。既存顧客の場合は、すでに購入実績があるため、購入回数を増やしたり一回当たりの購入金額の増加(アップセル)を図ったりできると言えます。
関連記事:アップセルとクロスセルの違いは?戦略として取り組む際のポイントと事例
集客の目的と重要性
集客が重要な理由は、集客力を上げると売上の改善につながるためです。売上は「売上=顧客数×購買回数×平均購買金額」の計算式で求められます。
※平均購買金額:顧客の1回あたりの購買金額を平均したもの。
これらを踏まえると、「顧客数」と「購買回数」を増やすことは売上アップに直結すると言えるでしょう。「顧客数」を増やす場合は、自社の商品やサービスの魅力を認知して一度利用してもらう必要があります。そのため、新規顧客を増やす場合は広告やチラシなどの集客施策が有効です。
一方で、「購買回数」を増やす場合は、一度利用した顧客に繰り返し利用をしてもらわなければなりません。また、繰り返し利用してもらう場合は、メールマガジンやポイントカードなどの集客施策を実施すると良いでしょう。
オフラインの代表的な7つの集客方法
ここからは、インターネットを介さない集客方法を7つ紹介します。各方法のメリット・デメリットも解説しています。代表的な方法は次のとおりです。
・ DM
・ ポスティング
・ OOH広告
・ テレアポ
・ 無料セミナー
・ 顧客経由の紹介
・ 展示会
・ テレビ・タクシーCM
それぞれ順番に解説します。
DM
DMとは、商品やサービスの情報をチラシやカタログ、冊子などの形で郵送することで集客する方法です。新規顧客、既存顧客、脱落者の双方が対象です。ダイレクトメールの利点は、情報を一つ一つ手作業で配布するポスティングと異なるため、県外など遠隔地に住む人への宣伝が可能なことです。また、ターゲットにアプローチできるため、カタログや冊子など、より多くの情報を届けることができます。
一方、デメリットとしては、宛名書きや封入の手間に加え、印刷代や送料がかかることが挙げられます。また、郵送先の氏名や住所などを事前に入手する必要があるため、会員登録やメンバーズカードの発行などによる情報収集が必要です。
関連記事:マーケティングにおけるDMの役割とは? その効果と実施のためのポイント
ポスティング
ポスティングとは、集客が見込める地域のポストにチラシを直接入れて集客する方法です。社員やアルバイトなどの社内担当者が行う方法と、業者に委託して行う方法があります。
ポスティングのメリットは、チラシの配布エリアや大きさを細かくコントロールでき、調査次第では、お客様の望む情報を的確に届けることができる点です。他のメリットは、人の目に留まりやすいため、反応率が高くなり、集客につながることです。
OOH広告
OOHとは「out of home」の略語で、マーケティング用語では「家の外」という意味です。また、OOH広告には様々な種類が存在し、主な媒体としては「街頭ビジョン」「デジタルサイネージ」「ビルボード」「ラッピングカー」「街頭イベントでのサンプリング」「交通広告」などがあります。
OOH広告のメリットは、視認性や視覚効果が高く、不特定多数への接触・訴求が容易なことです。デジタルメディアを活用する場合、ターゲティングや印象に残るプロモーションで効果的に認知拡大を図ることが可能です。
一方、デメリットとしては、効果や結果を出すためにコストがかかることも挙げられます。また、電源の確保や設置スペースの問題から、設置場所が限られるなどのデメリットもあります。
テレアポ
テレアポとは、電話で営業を行う集客方法です。テレアポは、主に新規のお客様に対して、自社の商品やサービスをアピールするために利用されます。テレアポのメリットとしては、メールマガジンやWebサイトなどのインターネットを利用した手法では不可能な、お客様と直接会話してニーズを収集することができる点が挙げられます。
一方、デメリットとしては、テレアポ担当者がリストの一人一人に電話をかける手間がかかることが挙げられます。また、断られることを前提に電話をかけるため、精神的なタフさが要求されることもデメリットの一つです。
無料セミナー
無料セミナーとは、無料のセミナーを開催し、講演後に商品を紹介する集客方法である。講演は、社内の担当者が行う場合と、外部から講師を招いて行う場合がある。無料セミナーのメリットは、参加者の大半がその商品やサービスに興味を持っているため、成約率が高いことです。
一方、デメリットは、講師のオファー、スケジュール調整、会場選定、レンタル依頼、告知準備、広報活動などに手間がかかることです。また、ブランド力がない場合は、広告でプロモーションを行なったり、独自性が高いセミナー内容にするなど、工夫をしないとセミナー自体の集客が難しい場合もあります。
顧客経由の紹介(口コミ)
顧客経由の紹介は、既存の顧客から次の顧客を紹介してもらうことで集客する方法です。これは は、契約直後など状況が温まっている時に、信頼関係ができているお客様から紹介してもらう方法です。メリットは、信頼関係ができている顧客からの紹介なので、自社にとって有益な情報を得ることができることです。デメリットは、信頼関係がなければ紹介を受けられる可能性が低いことです。
関連記事:口コミで広がるバイラルマーケティング!そのメリットや実施のポイントとは?
展示会
展示会集客とは、展示会に出展することで見込み客を獲得する方法です。ブースを設けて自社の製品やサービスを紹介し、その場で商談を行うことができます。展示会で集客するメリットとしては、人が集まるので、うまくアピールできれば顧客になる可能性が高くなることが挙げられます。
一方で、会場の選定や機材の手配、当日のブースの設営・運営に手間がかかるなどのデメリットもあります。
関連記事:展示会1小間の出展ノウハウとは?狭いスペースでも商談を獲得する方法
テレビ・タクシーCM
タクシー広告は、タクシーの車内外を有効活用して広告を掲載する広告媒体です。電車など他の交通広告と比べ、タクシー広告はターゲットとの距離が近いため、プライベートな空間に広告を掲載できるメリットがあります。
一方で、1台のタクシーにつき1日数十人の乗客にしかリーチできないため、Web広告などに比べてリーチできる人数が少ないというデメリットもあります。
また、テレビ広告を使った集客方法は、新規ターゲットとなりうる顧客を幅広くカバーできるメリットがあります。一方で、CMの制作や配信に数百万円の費用がかかる点がデメリットです。
オンラインにおける代表的な集客方法10選
ここでは、オンラインにおける代表的な集客方法を10選紹介します。主に以下のような集客方法があります。
・ ホームページ
・ Web広告
・ SNS
・ ランディングページ
・ Webメディア出稿
・ 動画
・ ウェビナー
・ メールマガジン
・ SEO
・ オウンドメディア
それぞれ順番に見ていきましょう。
ホームページ
ホームページの集客方法とは、ホームページを作成して集客を行う方法のことです。また、ホームページで行う集客は、テレアポや飛び込み営業が必要ないといったメリットがあります。一方で、有料であれば費用がかかってしまうものの、無料の場合はホームページの質が低いといったデメリットがあります。
なお、以下の資料ではホームページの構成や考え方を詳しく解説しているため、本記事とあわせてぜひご活用ください。
関連資料:ホームページ構成の考え方・手順とは?押さえたいポイント
Web広告
Web広告とは、Webサイトによって自社名や商品・サービスの認知度を高め、顧客を獲得する集客方法のことです。Web広告のメリットは、良質なコンテンツを揃えたりSEO施策を行ったりしてWebサイトを上位表示させることによって、多くの人の目に触れやすくなるため、集客を増やせる可能性が高まります。
デメリットは、上位表示を狙うにはSEOの知識が必要なことです。SEOの知識がない人には少し難しい集客方法と言えるでしょう。
Web広告の1つであるバナー広告については、その作成手順を解説している資料があるので、本記事とあわせてご活用ください。
関連資料:バナー広告がよくわかる!~サイズ選定から制作手順まで解説~
SNS
SNS集客とは、Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)など、SNSを通じて集客する方法のことです。SNS集客のメリットは、商品を購入した顧客と密なコミュニケーションが図れるため、満足度の高い情報を発信することによってリピーターになる可能性が高まることです。
反対に、デメリットとしては定期的に広告を出したり、頻繁に投稿を行ったりしなければ、ニュースフィードやタイムラインから消えてしまうため、顧客の目に触れるために数をこなす必要があります。
関連記事:
・SNS(ソーシャルネットワークサービス)の基礎知識と現代のSNSマーケティングがもたらす効果をご紹介
・BtoB向けSNSマーケティングで効果を出す方法を徹底解説
ランディングページ
ランディングページとは、ユーザーがWebサイトに訪れた際に最初に到着する(=land)、つまり最初に閲覧するページのことです。ランディングページのメリットは、自由度の高いデザインが可能であるため、訴求したい内容を容易に強調できることによって、記憶に定着させやすいといった特徴があります。
反対に、リスティング広告やバナー広告などの運用が基本であるため、表示やクリックごとに月額で費用が発生するといったデメリットがあります。
関連記事:LP(ランディングページ)を作る意味は?費用対効果を高める方法を解説!
Webメディア出稿
Webメディアは、ペイドメディアとも呼ばれるようなビジネス全般や特定の領域に特化したメディア(バーティカルメディア)へ出稿し、ブランディングやリード、売上獲得につなげていきます。Webメディア出稿のメリットは、ユーザーが欲しい情報を発信し続けることによって、「自社のファン」を作れるといったメリットがあります。
一方で、ある程度の知識や経験がないと集客効果が薄れてしまうといったデメリットが挙げられます。上手くメディアを活用する場合は、知識やメディア活用方法を学ぶ必要があります。
以下の資料では、ペイドメディアに出稿する際に失敗しないメディア活用を詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてご覧ください。
関連資料:ポイントは2つ!見込み顧客獲得につなげる「失敗しないペイドメディア活用方法」基本のき
動画
動画集客とは、YouTubeを始めとする動画サイトに動画をアップロードして商品やサービスのアピールや、自社サイトへの呼び込みなどを行う集客方法のことです。動画集客のメリットは、商品やサービスを伝える際に説明が分かりやすいこともあるため、顧客に効果的にアピールが可能です。
反対に、動画作成にはある程度の知識が必要であるため、知識をつけるまでに時間がかかるといったデメリットがあります。また、自社で作成できない場合は、専門の企業に依頼することになるため、打ち合わせなどの時間や相応の費用がかかります。
ウェビナー
Webinar(ウェビナー)とは、Web(ウェブ)とSeminar(セミナー)を合わせた略語で、名前のとおりインターネット上で動画や音声を配信して行われるセミナーのことです。ウェビナーのメリットは、集客範囲が広いことです。これまで接点がなかった様々な見込み客へ、低いハードルでセミナーを提供できるといった特徴があります。
反対に、インターネット環境がなければ受講できないというデメリットがあります。システム障害が起こった場合は、予定していたセミナーの配信も視聴もできません。なお、ウェビナーで集客を行いたい人は、以下の資料でも詳しく方法を解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
関連資料:
・商談につながる『ウェビナー』を実践する方法 ~企画からフォローまでポイント解説~
・新規リードを効率よく増やす!知っておきたい共催ウェビナーの実施ポイント
メールマガジン
メールマガジンとは、メールアドレスを登録した人にメルマガを送付する集客方法のことです。メルマガを通してお得なキャンペーン情報を発信することによって、商品購入やサービスの利用を促します。メルマガのメリットは、一般的なWeb広告とは異なるものの、労力は文章作成であるため、伝えたい情報をいち早く一斉配信が可能です。
一方で、デメリットとしては送信ごとにメールの文面を作成する必要があるため、発信したい情報を網羅しつつ、顧客が有益と感じられる情報も含めながら配信時期に適した構成にしなければなりません。なお、メルマガの構成文やクリックを上げる方法は、以下の記事や資料にて解説しているため、メルマガを行う人は参考にしてご覧ください。
関連記事:メルマガとは?配信の目的やメリット、開封率が上がる作り方
関連資料:
・メルマガの開封率を上げる!効果的な件名を作成する2つのコツは?
・これだけはおさえたい! メルマガの開封率・クリック率をあげる3つのポイント ~タイトル・テキストメール構成編~
SEO
SEOを使った集客とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンからアクセスを集めて、自社サイトやホームページ内で集客することです。SEOとは、「Search Engine Optimization」の略語で、検索エンジン最適化を意味します。SEO集客のメリットは、費用対効果が高いことです。一度自社サイトの上位表示に成功すれば、広告費をかけずに継続した検索流入が見込めると言えるでしょう。
一方で、SEOを外注した場合は、初期費用だけで200,000円程度や維持費として月額費用も発生するといったデメリットがあります。加えて、多くの労力や費用をかけた場合でも検索エンジンのアルゴリズムの複雑化によって、結果が出ない可能性もあります。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、自社が運用するメディアのことです。たとえば、「ブログ」や「ホームページ」などがオウンドメディアに該当します。オウンドメディアのメリットは、幅広い目的や課題に合わせた集客方法が可能なことです。つまり、コンテンツの自由度が高いため、認知段階からニーズが顕在化したユーザーまで、コンテンツを作成できるといった特徴があります。
なお、オウンドメディア構築にはCMSが必要です。CMSとは、ホームページコンテンツが簡単に制作できるシステムのことです。CMSは数が多く、どのCMSを使えば良いのか分からない人も多いでしょう。弊社では感覚的に使えるCMSと、MA(マーケティングオートメーション)が1つになったWebマーケティング支援ツール『Switch Plus』を展開しています。無料トライアルも受け付けておりますので、まずはお気軽に概要をご覧ください。
集客成功のカギは?
結論からいうと、顧客像を明確にすることです。効果的な集客方法は、顧客像(ペルソナ)によっても異なるため、自社が求めるペルソナを明確にしましょう。顧客像を明確にすることによって、商品やサービスのコンセプトにズレが生じにくくなったり、アプローチが定まりやすくなったりするため、顧客に響くキャッチコピーを考えやすくなります。
まとめ
本記事では、集客の概要やオフライン、オンラインで行う集客方法を解説しました。結論として、集客を行う際は顧客像を明確にしましょう。顧客像を明確に想定できた場合は、顧客の行動を考えてマーケティング集客を行います。
また、BtoBマーケティングの方法については以下の資料で詳しく解説しています。ゼロから学びたい人や、詳しくマーケティングを学びたい人はぜひ参考にしてご覧ください。