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OMOとは(Online Merges with Offline)?O2Oやオムニチャネルとの違いも解説します!

2022.6.23
読了まで約 5

OMOとは「Online Merges with Offline」の略語のことであり、日本語に訳すと、オンラインとオフラインを掛け合わせることを指します。主に小売業界で注目され、実店舗でのスマートフォン決済から商品とお客様のIDを紐付け、購入翌日からおすすめの商品をメールでレコメンドする、といったことが代表例です。

近年、実店舗を運営している方もWebマーケティングに力を入れているものの、なかなか良い成果に結びつかないケースが多く見られます。そういったケースであっても、OMOに力を入れることで、現状よりも良い成果に結びつく可能性が高まります。

そこで本記事では、OMOの概要を解説するとともに、OMOと混同されやすいO2Oやオムニチャネルとの違いを解説します。また、OMOで売上を伸ばすための方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

OMOとは

まずは、OMO(Online Merges with Offline)の概要から解説します。OMOとは、オンラインとオフラインを掛け合わせることであり、主に小売業界で注目されています。具体的には、ECサイトと実店舗の垣根をなくした施策を実行し、ユーザー(消費者)視点で、体験価値を最大化することを目的に行われます。

関連記事:市場規模が拡大する「Electronic Commerce(EC)」とは?注目のビジネスモデルD2Cについても解説

OMOの代表例としては、実店舗でのスマートフォン決済が挙げられます。アパレルショップで試着した商品を、そのままスマートフォン決済で購入したとします。この際、商品とお客様のIDを紐付け、購入翌日からおすすめの商品をメールでレコメンドしたり、クーポン情報を配信したりできます。つまり、OMOを活用することで、オンラインとオフラインを掛け合わせた施策を講じられるようになるのです。

なお、OMOは元GoogleチャイナのCEOである「カイフ・リー氏」が提唱したと言われています。実際にOMOを駆使することにより、売上が20%以上向上した事例も見られます。

関連記事:ウィズコロナ時代のアフターデジタルで重要なのは?バリュージャーニーやOMOを解説

OMOとその他の違い

先ほど、OMO(Online Merges with Offline)の概要を解説してきました。一方で、O2Oとの違いが分からない人は多いかと思います。ここでは、OMOとO2Oの違いを解説します。

O2Oとの違い

O2Oとは「Online to Offline」の略語のことであり、オンライン(インターネット上)の情報をきっかけに、オフライン(実店舗)への来店を促す施策、考え方を指します。たとえば、ユーザーの位置情報を基に近隣店舗のクーポンを配信したり、InstagramやTwitterなどのSNSからセール情報を配信したりして来店を促します。

OMOは、あくまでオンラインとオフラインを掛け合わせた施策のことを指すため、OMOは双方向の施策であり、O2Oはオンライン→オフラインと一方通行の施策になります。ただし、どちらの施策が絶対的に正解というわけではありません。あくまで、どちらの施策も実行した後に、より成果や売上につながる施策を実行することが大切です。

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オムニチャネルとは?

OMO(Online Merges with Offline)と混同されやすい言葉の1つに、オムニチャネルも挙げられます。オムニチャネルとは、企業が持つすべてのチャネルを連動し、消費者と接点を持つ機会を増やすことを指します。OMOは、主に小売業界で注目されている施策であり、結果的にECサイトや実店舗のみの施策として捉えられることが多いです。

一方のオムニチャネルはすべての販売チャネルを指すため、テレビCMやインターネット広告、電話注文、Webアプリなども含まれます。また、オムニチャネルではすべての施策が連動しているため、分析するデータを1箇所に集約します。これにより、総合的な販売戦略を考えることが可能になるのです。その結果、オムニチャネルから除外するべき施策や、さらに予算を投下したほうが良い施策も見えてくるでしょう。

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OMOで売上を伸ばすためには何をする?

ここからは、OMO(Online Merges with Offline)で売上を伸ばすために重要な4つのポイントを解説します。

・ ICTを活用する
・ 消費者との接点を増やす
・ 店舗での満足度も高める
・ Webと実店舗の双方を見れる担当者を育成する

それぞれ順番に見ていきましょう。

ICTを活用する

ICT(Information and Communication Technology)とは、広義では情報通信技術のことを指しますが、OMOでは、情報を集約して分析する技術やツールのことを指します。OMOを実行する際には、はじめにオンラインとオフラインのデータを集約させる必要があります。なぜなら、それらを集約しなければ、本当に消費者にとって有用な施策を導き出すことができないためです。

そのうえで、集約したデータを商品やサービスに反映させる必要があります。ICTツールの中でも、OMOには、特にMA(マーケティングオートメーション)ツールCRMツール、SFAツールなどが必要不可欠です。また、上述したカイフ・リー氏は、OMOの実現にはモバイルアプリ、スムーズな決済システム、高品質で低コストのセンサー、AI技術の4つが必要不可欠だと述べています。

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消費者との接点を増やす

次に、消費者との接点を増やすことも大切です。近年、消費者の購買行動は複雑化しています。たとえば、スマートフォンの購入1つをとっても、実店舗に足を運ぶユーザーもいれば、インターネット上で購入するユーザーもいます。

特にインターネット上で購入するユーザーは、様々なWebサイトで情報収集を行い、Amazonなどの口コミ欄をくまなくチェックし、さらにはSNSで他の使用しているユーザーの声を拾います。また、カスタマーセンターが用意されているかを確認したり、ネガティブな口コミが見られた場合は、競合他社との製品を比較したりもします。

このように、ユーザーの購買行動が複雑化するなかで、それらに対応できる接点を増やすことがOMOの実現には必要不可欠です。仮に、現状の接点が実店舗とWebサイトの2つしかない場合は、それら以外の接点を増やすことを早急に検討すると良いでしょう。

・関連記事:時代によって変わる購買行動プロセス。初期から最新まで7つをご紹介

店舗での満足度も高める

オンラインとオフラインを掛け合わせた施策を実行するOMOでは、当然ながら店舗での満足度を高めることも重要です。ただ単に接客の質を上げるといった抽象的なことではなく、具体的な施策が必要になります。

たとえば、世界中で有名なハンバーガーチェーンであるマクドナルドでは、モバイル注文を行っています。事前に携帯アプリで商品を注文しておくことで、店舗に足を運んだ際に、すぐに持ち帰りができる仕組みを実現しているのです。また、モバイルでの決済にも対応しているため、接客の担当者がその場でレジ打ち(決済)を担当する手間も削減しています。

その他にも、商品棚に陳列されている商品のQRコードを読み込むことで、原産地やアレルギーの情報を確認できる仕組みを導入している実店舗もあります。

上記のように、包括的に実店舗での消費者の満足度を高めることが、OMOを実現するうえでは非常に重要です。

Webと実店舗の双方を見れる担当者を育成する

OMOを実現するためには、Web(オンライン)と実店舗(オフライン)の双方を見れる担当者を育成することも重要です。OMOの難しいところは、Webマーケティングとオフラインの施策のそれぞれを最適化しても、掛け合わせができていなければOMOを実現できないところにあります。つまり、それぞれが掛け合わされていることが前提条件になります。

したがって、OMOを実現する際に必要な、オンラインとオフラインの施策を提案する企画力や実行力を持った担当者が必要です。しかし、1から育成するのは非常に時間もかかるため、外部のコンサルタントに依頼することや、すでにスキルを持った新しい担当者を雇うことも検討しましょう。

OMOに対応する2つのメリット

最後に、OMO(Online Merges with Offline)に対応する2つのメリットを解説します。

LTV(Life Time Value)の向上
・ 体験価値の向上

それぞれ順番に見ていきましょう。

LTV(Life Time Value)の向上

LTV(Life Time Value)とは、生涯顧客価値のことで、1人の顧客が生涯に渡ってもたらす利益や売上を指します。様々な販売チャネルで消費者の満足度を高めることができれば、自社サービスや商品のファンになってもらえる可能性が高まります。その結果、LTVも向上していきます。

また、LTVが向上することで、新規顧客の獲得に大きなリソースを注がなくても良い状態を作れます。LTVが向上するということは消費者がリピーター化している状態なので、新規顧客の獲得に大きなリソースや力を注がなくて良いのです。その結果、広告費を投じる必要もないので、利益率も高まっていくでしょう。

・関連記事:マーケティングで重要になるLTV(ライフタイムバリュー)とは

体験価値の向上

現代は無数の商品やサービスが存在しており、商品自体で差別化を図ることが難しくなっています。そこで差別化を図る際に必要なのが、消費者にどのような体験価値を与えられるのかという点です。

先述したアパレルショップの例のように、OMOを活用することで、パーソナライズされた体験を提供できるようになります。その結果、体験価値が向上し、上述したLTVが向上することにもつながります。

まとめ

本記事では、OMO(Online Merges with Offline)について解説をしてきました。OMOは、オンラインとオフラインを掛け合わせることであり、主に小売業界で注目されています。オンラインとオフラインの垣根をなくした販売施策を実行することにより、早期に売上が伸びる可能性が高まります。また、体験価値も向上するため、LTVも伸びる可能性が高まるでしょう。

まずは、自社に最適なOMO施策を検討することから始めてみてはいかがでしょうか。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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