プレスリリースという言葉を一度は耳にした経験がある方も多いのではないでしょうか？
展開するビジネスやサービスを、できるだけ多くのユーザーに向け発信し、認知拡大やビジネスやサービスに対して共感を獲得しようと現在、多くの企業やマーケターが、プレスリリースを活用しています。
プレスリリースは、企業と多くのユーザーを繋ぐ架け橋として、その存在価値を確立しています。
本記事では、プレスリリースとは？という部分から、プレスリリースの活用メリット、作成時におけるポイント、重要視される構成要素などについて詳しくご紹介していきます。
目次
プレスリリースとは
近年、耳にする機会も多くなったプレスリリースとは、プレスと呼ばれるテレビや新聞をはじめとするマスメディアの報道関係者に対して、企業が展開するサービスや商品、ビジネスを発表、発信（リリース）する文書を意味します。新しい情報を発信するという意味で「ニュースリリース」とも呼ばれます。
以前であれば、企業間や一般消費者に、展開するビジネスやサービスに対する詳細な情報や有益な情報がプレスリリースを通して届けられることが主流でありました。しかし、インターネット環境の整備や、スマートフォン利用者の爆発的な増加により、SNSツールを利用するユーザー数も多いことで、一般消費者に直接的にプレスリリースを提供できる世の中へと変化しています。
現代は、用意されているステークホルダーも数多く存在し、各ステークホルダーへ企業やマーケターが手掛けるサービスや商品、ビジネスに対するメッセージを発信するためのものと把握しておいてください。
ここでご説明しましたステークホルダーを詳しくご紹介すると、企業のステークホルダーの種類には以下の種類が存在します。
・メディア
・株主
・従業員
・行政機関
・金融機関
・取引先
・一般消費者
企業は、上記のステークホルダーと良好な関係性を築きあげることを第一目標とするのです。ステークホルダーの中でも、メディアの項目に対する需要は多く、さまざまな企業が活用を実施しています。
企業によって多少の違いはあるかもしれませんが、プレスリリースは主にPRの一環で企業の広報部門が担当することが主流です。
プレスリリースを通じて、各ステークホルダーに認知してもらうことが重要です。企業やマーケターが提供する内容には、サービスに対する情報公開・商品の詳細情報・人事に関連する発表・社内開催のイベント情報の発表など多岐に渡る内容が存在します。
企業が届けたいメッセージを、プレスリリースというかたちで各ステークホルダーに具体的に提供することで、結果として「素晴らしい商品を開発した」「この企業の事業内容は共感できる」「魅力溢れる企業である」と好印象を与えることに繋げます。多くの消費者から共感を獲得し、さまざまな魅力を感じてもらえる内容を意識した上で実施していくことがポイントです。
プレスリリースの掲載場所については、企業が運用をおこなうWebサイトやプレスリリースを専門的に扱うプラットフォームの利用、SNSツールを活用した発信方法が主流です。その他にも、ビジネスの取引先を介してプレスリリースを実施する場合や、Web広告、広報誌、メール、FAX、郵送などさまざまな方法が存在します。
プレスリリース活用のメリット
企業が発信するプレスリリースが大きく取り上げられた場合には、市場の注目度は上昇し、間接的に売り上げが増加する場合や、各ステークホルダーから受ける評価が高くなることがあります。
プレスリリースの大きな特徴として、各メディアにプレスリリースの内容がニュースとして掲載される場合、費用は発生しないといった特徴があります。各メディアに掲載されれば、広範囲に渡り企業の届けたい情報が一気に拡散され、PR活動が実施できることが最大のメリットといえるでしょう。また、ブランディングにもつながります。
しかし、費用は発生しないといった利点はありますが、各メディアの編集者や記者に注目される内容でなければプレスリリースとして扱ってもらうことができない点や、リリースの掲載形式は自由に選択することはできないので注意が必要です。掲載形式や取扱メディアを考慮しながらプレスリリースを設計することを心がけましょう。
このようなことも踏まえ、費用を払って広告枠に情報の掲載を目的とする広告とは大きな違いがあることが分かります。
プレスリリース作成時に欠かせないポイント
プレスリリースでは、報道関係者に要点を簡潔に伝達することが重要です。
その中でも、プレスリリースの内容に報道関係者を引き寄せるためには、以下の項目を押さえておきましょう。
・提供する情報が最新の情報であること
・提供する情報が捏造された情報ではないこと
・提供する情報が社会的な意義を持つこと
提供する情報が最新の情報であること
プレスリリースは、最新の情報を発信する特徴があります。新商品のリリースや新たに手掛ける商品の情報開示などは、商品の発売日前や発売と同時に実施することが大切です。
提供する情報が捏造された情報ではないこと
自社商品やサービスに関する情報の提供であれば、商品やサービスに対する明確な調査データを事前に用意し提供することなど、プレスリリースに掲載する情報はエビデンスが明確になっているものを対象としましょう。
調査データを提示する場合には、信頼性を確保するためにも、多くの調査対象者に対して調査を実施し十分な母体数を提示することも大切です。このようなことは、プレスリリースに限らずに、さまざまな側面から情報発信をおこなう際に注意すべきことであり、メディアに自身の情報が掲載される可能性がある場合に特に注意が必要です。万が一、誤った情報が世の中に出回ってしまうような事例が発生してしまうと、情報を提供した企業と、その情報を掲載したメディア双方の信頼失墜に繋がってしまうのです。
提供する情報が社会的な意義を持つこと
プレスリリースの発表の背景には社会的意義やストーリーが明確化していことも重要視されます。どのようなユーザーに向けて開発された商品やサービスであるのか、該当の商品やサービスが問題可決にどのような役割を担うのか、生産背景には企業や製造者のどのような思いが込められているのかなどを、しっかりと表現することで社会的に意義のある内容であると評価されるような設計を実施しましょう。
プレスリリースの構成要素
数多く存在するプレスリリースの中から、自身のプレスリリースがメディアの編集者や記者に選ばれるためには、興味を引き立てるような内容であると共に、記事の読みやすさである構成要素が整っている必要があります。各メディアの専門家の目を意識して文章を作成することは、ハードルが高くライティング能力が必要になるのではないかと考えるかもしれません。
しかし、プレスリリースは比較的簡単に作成することが可能です。重要な要点を盛り込みながら、テンプレートに沿う形で作成していくと読まれやすい文章に自然と仕上げることができます。プレスリリースの中には、文字数が制限されるものもあります。大切な要点をしっかりとまとめて、適切な表現で作成することも心がけましょう。
【プレスリリースに必要な構成要素】
・ヘッダー
・タイトル
・サブタイトル
・リード
・キービジュアル
・本文
・連絡先
構成要素「ヘッダー」
ヘッダーはプレスリリースの冒頭部分を表わします。この冒頭部分には、差出人、日付、宛先を記載することを覚えておきましょう。プレスリリースが各メディアに取り上げられた場合に、この記載された情報を基にどこから・いつ発信された情報であるかを適切に伝える役割を果たします。
構成要素「タイトル」
構成要素の中でも重要度の高いものにタイトルが挙げられます。各メディアの編集者や記者が、まず初めに確認する項目がタイトルとも言われています。季節性や話題性を可能な限り表現し、実績を表現する場合には必ず数字を使用して明確に表現することを心がけましょう。また、ポイントしては、タイトルの文字数を30文字ほどで簡潔に作成することも大切です。
構成要素「サブタイトル」
タイトルを補足する内容を、具体的に記載する場所がサブタイトルです。タイトルとサブタイトルは比較的近い場所に配置されることが主流であるため、同一ページ内で双方を一緒に確認することが可能となります。そのため、タイトルで伝えたくても記載する余裕がなかった場合などには、追加したい情報をサブタイトルに盛り込むようにしましょう。
タイトルと同様にサブタイトルも、数字で表せる表現には具体的な数字を記載し、簡潔に内容を伝えるように心がけましょう。
構成要素「リード」
リードはサブタイトルの下にある概要をまとめたものであり導入文の役割を果たします。リード部分も適切な記載が必要とされ、各メディアが採用を判断する部分でもあります。そのためリード部分には「いつ（When）、誰が（Who）、何をする（What）」を明確に記載することを覚えておきましょう。注意すべきポイントは全ての内容をリード部分に盛り込む必要はなく、補足は本文に記載するといいでしょう。
構成要素「キービジュアル」
キービジュアルには、プレスリリースを実施するサービスや商品の写真を掲載します。文字では伝えきれないような表現を写真では伝えることも可能となります。また、写真での表現は視認性も高まることで、記者や編集者に対して印象を根強く残せるといった利点もあります。特に印象に残るようなインパクトのある画像を1、2枚用意しておきましょう。また各メディアはキービジュアルで使用した画像を、実際の記事へ落とし込みを行い全体のバランスをイメージする傾向があるため、見やすさや簡潔に内容が伝わる写真を選定する場合もあるので覚えておきましょう。
構成要素「本文」
本文には商品やサービスを全面的にアピールすることが大切だと思われがちですが、その他にも商品やサービスがもたらす社会的意義や、プレスリリース発表に至った背景などを記載する必要があるのです。また、プレスリリース構成要素の1つであるリードで必要とされる「いつ（When）、誰が（Who）、何をする（What）」よりもさらに5W1Hを使用することを明確に記載しましょう。本文では、商品やサービスに関するさまざまな詳細な情報を全て記載し、多くの情報をどうにかして届けたいという思いになりがちです。
しかし、「提供する情報が最新の情報であること」「提供する情報が捏造された情報ではないこと」「提供する情報が社会的な意義を持つこと」という重要なポイントである3つの条件をしっかりと満たすものであるかを判断し、簡潔に伝わる内容にまとめることを心がけましょう。
構成要素「連絡先」
実際に各メディアから問い合わせが発生した時に応対できる連絡先を記載しましょう。プレリリースが採用されたのに連絡が繋がらないといった事態は避けたいですよね。どのような状況でも問い合わせに対して即座に対応できるよう、会社の電話番号はもちろんのこと、プレリリースの担当者の携帯電話やアドレスも合わせて記載することをおすすめします。
まとめ
本記事では、プレスリリースとは？という基本的な部分から、プレスリリースの活用メリット、作成時におけるポイント、重要視される構成要素などについて詳しくご紹介してきました。プレスリリースは、企業が発信したい情報を世の中に知らせるための効果的な手段です。しかし、ただ単に商品やサービスが持つ特徴をアピールするだけのようなプレスリリースでは、正常に機能しないことが把握できました。
商品やサービス以外にも、受け手となるユーザーに対してさまざまな有益な情報が記載されている必要があり、各項目を的確に表現することではじめてプレスリリースとしての効果を発揮するでしょう。プレスリリースを通じて価値提供を実施し、企業のブランディング、効果的な情報の拡散、提供するサービスや商品に対する認知拡大など、ビジネスに対する可能性を広げてみてはいかがでしょうか？
