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ダッシュボード(dashboard)とは?主な機能紹介とツール10選

2024.8.30
読了まで約 8

ダッシュボード(dashboard)は、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールに含まれる機能の一種で、個人、中小企業、大企業など、組織の大きさに関係なく利用できるものです。

複数の情報をグラフなどにまとめ可視化できることが大きな特徴ですが、詳細な機能や役割はよく分からないという人は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ダッシュボードの概要や機能、役割について詳しく解説します。また、代表的なダッシュボード作成ツールも10種ご紹介しますので、ダッシュボードの導入を検討している人はぜひ参考にしてください。

ダッシュボードとは

ダッシュボードとは、複数の異なるデータや情報を、一元化してまとめられるツールのことです。元々の語源としては、自動車や飛行機のガソリンの残量などを示す「計器盤」でした。

世の中のBI(ビジネスインテリジェンス)ツールの多くは、ダッシュボード機能を搭載しています。ダッシュボード機能が搭載されていることで、複数の重要項目を一度に可視化することができ、データ分析などに役立てることが可能です。

しかし、雑多な情報を単に可視化できるだけでは、優秀なダッシュボードとは言えません。優秀なダッシュボードはUIの面においても優れており、どこにどのような機能があり、分析できるかがひと目で分かるようになっています。

● BI(ビジネスインテリジェンス)とは
● ダッシュボードとレポートの違い

関連記事:【UI/UXとは?】それぞれの意味や違い、デザインの改善方法まで解説

BI(ビジネスインテリジェンス)とは

前述のとおり、ダッシュボードはBI(ビジネスインテリジェンス)ツールの一種です。

「BI(ビジネスインテリジェンス)=Business Intelligence」とは、企業がそれまで蓄積・保有してきた様々なデータや、社外から収集してきた情報などを分析及び加工し、それらを根拠として今後の経営戦略の意思決定を行うために役立てること、もしくはそういった仕組みのことを指します。

BI(ビジネスインテリジェンス)は、主にツールとして提供されています。

関連記事:BIツールとは? 基本的な解説とおすすめ10選をご紹介します!

ダッシュボードとレポートの違い

ダッシュボードと似たものとして、「レポート」が挙げられます。

ダッシュボードもレポートも、企業のビジネス活動におけるさまざまな情報やデータをひとまとめにして表示したものですが、両媒体は動的か静的かという部分で違いがあります。

レポートは、テキストデータや表、グラフなどの画像データを併せ持つ静的なドキュメントです。いわゆるデータセットのことで、アウトプットされた後は操作ができず、単なるデータの集合体となります。

一方、ダッシュボードは、表示されているさまざまなデータ群がリアルタイムで更新され、時間の経過とともにその画面は変化していきます。いわゆるデータビジュアライゼーションツールのことを指し、動的な媒体となります。データ更新中も、必要に応じて分析の範囲や程度を都度調整することができます。

ダッシュボードとレポートは、このように動的であるか静的であるかといった部分で違いがあるのです。

ダッシュボードの機能

ここまで、ダッシュボードの概要などについて解説してきました。ここからは、ダッシュボードの代表的な機能を5つご紹介します。

● 分析
● チャート・グラフの作成
● レポーティング
● コネクター
● シミュレーション

それぞれ順番に見ていきましょう。

分析

分析機能では、特定の条件を指定したうえで情報を分析することができます。たとえば、時期や地域、年齢、性別などの属性が挙げられます。分析する項目が多いほど、ユーザーのセグメントを細かく分けられたり、詳細な分析結果を取得できたりします。

関連記事:セグメントとは。マーケティングだけでなくビジネス全般で使われる用語の意味

チャート・グラフの作成

チャート、グラフの作成機能では、作成する内容によってグラフ形式を選択できます。代表的な例としては、円グラフや折れ線グラフ、棒グラフなどが挙げられます。

基本的に難しい作業をすることなく整ったデザインで作成できるので、営業資料やプレゼン資料を準備する際にも活用できます。

レポーティング

レポーティングは、連携しているツールにレポートを出力できる機能です。たとえば、Google関連のダッシュボードでは、Googleスプレッドシートにレポートを出力することができます。

利用するダッシュボードツールによっては、時間帯や期間に応じて、定期的に自動でレポートを出力してくれるものもあります。

コネクター

コネクターとは、外部のツールからダッシュボードにデータを出力できる機能のことです。代表的な外部ツールとして、MA(マーケティングオートメーション)ツール、Googleスプレッドシート、CRM(Customer Relationship Management)ツール、Google Analyticsなどが挙げられます。

外部のツールと連携してデータを取り込めるため、従来なら手動で行っていた作業時間を短縮することができます。

シミュレーション

シミュレーションは、取り込んだデータや分析結果をもとに、さまざまな数値的予測ができる機能です。代表的な例としては、来期の予算編成や業績予想、株価予想などが挙げられます。

シミュレーションを行うことにより、最適なコストカットやランニングコストの見直しを図ることが可能です。

ダッシュボードが担う役割とは

ここまで、ダッシュボードが持つ基本的な機能について解説してきました。ここからは、ダッシュボードが担う3つの役割をご紹介します。

● 打つべき施策を検討しやすくする
● データを分かりやすく可視化する
● 情報共有

それぞれ順番に解説します。

打つべき施策を検討しやすくする

ダッシュボードのシミュレーション機能は、たとえば予算編成の検討材料になります。そのため、現時点から予測できる来期の予算を検討すれば、どの程度攻めた販売戦略を立てられるのかが分かります。打つべき施策は当然予算によって変わってくるので、ダッシュボードの活用は施策に悩んでいる担当者には非常に有用だと言えるでしょう。

また、現時点でさまざまな施策を打っている場合は、ダッシュボードの分析機能が役立ちます。Google Analyticsなどからデータを取り込んだうえで分析を行えば、現時点の施策がターゲットに届いているのかなどを確認でき、施策の方向性が適切であるか否かを判断できるでしょう。

関連記事:Google Analytics(グーグルアナリティクス)とは?設定方法や使用用途を解説

データを分かりやすく可視化する

企業内に多くの人員がいたり複数の担当者がいたりすると、情報やデータは散在してしまう傾向があります。そうなると、同じ組織であるにも関わらず、特定のデータにたどり着くまでに相当な時間がかかってしまいます。

しかし、ダッシュボードを使って複数のデータを整理・可視化しておけば、探す手間をなくすことができます。また、情報がグラフなどで可視化されていることから、過去のデータ推移などもひと目で分かるようになります。

情報共有

企業の重要情報や目標をダッシュボードで共有することで、組織内の全員が共通の認識を持てるようになります。さらに、今期の予算の消化状況や集客数なども可視化しておけば、課題感を持って業務に取り組んでもらうこともできるでしょう。

ダッシュボードのメリットとデメリット

ダッシュボードのメリットとデメリットについて解説します。

● ダッシュボードのメリット
● ダッシュボードのデメリット

ダッシュボードのメリット

ダッシュボードのメリットとしては以下が挙げられます。

● 正確な分析により自社の現状を素早く把握できる
● データの集計及び資料作成の工数を削減できる
● データの一元化により迅速な判断ができる

正確な分析により自社の現状を素早く把握できる

ダッシュボードを活用すれば、データ分析により可視化された自社の現状及び自社が展開するビジネスの業績などについて、正確に把握することができます。数値化され画面上に表示されたデータをもとにデータマイニングを行い、ビジネスの改善を図っていくことができます。

データの集計及び資料作成の工数を削減できる

Excelやスプレッドシートなどを使用し、今まで多くの労力と時間が必要だったデータの集計や資料の作成なども、ダッシュボードを利用することで自動化できるようになります。これにより、人材などの経営資源を別のフェーズに充当できるようになるでしょう。

データの一元化により迅速な判断ができる

ダッシュボードは、Google AnalyticsやMAといった各種ツールと連携できます。各ツールから取得したデータを取り込んで一元化すれば、把握できていなかった情報も可視化されるようになります。表面化されていなかった経営指標の悪化や自社の課題なども素早く察知でき、改善のための迅速な判断ができるようになるでしょう。

ダッシュボードのデメリット

ダッシュボードのデメリットとしては以下が挙げられます。

● 導入にはコストがかかる
● 過去のデータをインプットする場合に手間となることがある
● データを使いこなすにはスキルが必要

導入にはコストがかかる

ダッシュボード機能を搭載したツールは、初期費用がかかる場合が多々あります。また、こういったツールはクオリティを保つためシステムを更新する頻度も高く、ユーザーの利便性やユーザビリティの面からクラウドで提供している企業も多く存在します。このような場合には初期費用に加え、月額費用もかかってきます。

さらに、機能に応じてオプション料金が発生することもあり、それなりのコストが必要となるケースがほとんどと言えるでしょう。

過去のデータをインプットする場合に手間となることがある

企業の現状を把握する場合、指標として過去の業績やデータを持ち出して比較することがあります。このようなケースでは、ツールに過去のデータをインプットさせる必要があります。

その際、自社で保管している過去データの仕様と、そのツールに互換性があるか否かが問題となります。互換性がなければすべて手入力でインプットする必要がありますし、仮に互換性があったとしても、手入力の必要な作業が発生する可能性もあります。

データを使いこなすにはスキルが必要

ダッシュボードの画面にはデータが視覚的に分かりやすく表示されますが、これらのデータを使いこなすには相応のスキルが求められます。

画面上に表示されたデータから誤った判断を下さないためには、教育や研修を行い、従業員の分析スキルを向上させる必要があります。

ダッシュボードの活用方法

ダッシュボードは正確なデータ分析ができる他、リアルタイムでの状況把握や情報の共有などもでき、さまざまな場面で活躍してくれます。これらの特性をうまく利用し、ダッシュボードを有効活用していきましょう。活用方法としては主に以下のようなものがあります。

● プロジェクト管理
● 財務状況の管理
● マーケティング分析

プロジェクト管理

ダッシュボードはプロジェクト管理を行う際にも利用できます。プロジェクトの進行管理や工程管理、従業員の業務状況などがリアルタイムで反映されるため、業務の効率化に繋げられます。

財務状況の管理

情報がリアルタイムで反映される特性を活かして、キャシュフローを管理することもできます。売上高の他、利益率や流動比率といった財務データをダッシュボードに反映させることで、財務状況を効率的に把握できるようになります。

マーケティング分析

マーケティング分析でダッシュボードを活用する場合は、営業活動における成果や売上状況などを反映させます。成約件数や成約状況、店舗ごとの売上などを反映させることで、リアルタイムに営業の成果を確認できます。成果が落ち込んできたときも早い段階でその原因を発見でき、迅速に改善対策を検討できるようになるでしょう。

おすすめのダッシュボード10選

ここまで、ダッシュボードの概要などについて解説してきました。ここからは、ダッシュボードの導入を検討している人に向けて、おすすめのダッシュボードを紹介します。

● Domo
● Qlik Sense
● Microsoft Power BI
● MotionBoard
● Pentaho
● Looker Studio
● Tableau
● Yellowfin
● Salesforce Sales Cloud
● board

Domo

Domoは、Salesforce、Facebook、AWAなど、1,000以上のコネクターによりソースに接続できるダッシュボードです。そのため、日々さまざまな外部ツールを利用している企業には特におすすめのダッシュボードとなっています。

アラート機能も搭載されており、あらかじめ設定していた予算を超えたときやKPIのしきい値を超えたときなどには、それが通知されるようになっています。

無料のトライアルプランが用意されているので、どのダッシュボードから試せば良いのか分からない人は、Domoから試してみるのも良いでしょう。

※2023年11月時点

Qlik Sense

Qlik Senseは、AIを活用したデータ分析が行えるダッシュボードです。精度の高い機械学習が用いられており、将来の予測が反映されたAnalytics(アナリティクス)も搭載されています。専門的な知識を要するダッシュボードであるため、より能動的な分析を行いたい企業におすすめです。

Qlik Sensは年間での費用が発生しますが、月額換算すると比較的低価格で利用できるようになっています。社内に専属の担当者が在籍している場合や、より高度な分析をしたい場合に導入を検討してみましょう。

Microsoft Power BI

Microsoft Power BIは、Microsoftが提供しているダッシュボードです。Microsoftが提供していることもあり、Excelなどとの連携が簡易的に行えるようになっています。

またアプリ版も提供されているため、外出先でも定期的にデータを確認することができます。

MotionBoard

MotionBoardは、非常にデザイン性に優れたグラフを作成できるダッシュボードです。3Dマップや地図データなどを用いたグラフを作成できるようになっており、2022年3月時点で、国内シェアNo.1も獲得しています。

営業、経営、マーケティング、人事などの領域で広く利用されており、オンプレミス環境で使える仕様も展開しているため、会社のサーバー環境に合わせつつ、より高度な分析とグラフ作成を行いたい方は、MotionBoardを検討してみると良いでしょう。

Pentaho

Pentahoは、Hitachi Vantara LLCが提供しているサービスで、データ統合とデータ分析の両方を兼ね備えたデータパイプライン・プラットフォームです。世界約180カ国、2,000社以上のリーディング企業や官公庁で15,000件以上の導入実績があります。

Looker Studio

Looker Studioは、Googleが提供するセルフサービスのビジネスインテリジェンス(BI)ツール
です。Looker Studioにはレポートテンプレートがあるため、データを数分で簡単に可視化できます。

またその他の特徴として、直感的に操作できる「ドラッグアンドドロップオブジェクト機能」があります。これにより、データソースを組み合わせるだけで魅力的なレポートが作成できるようになっています。

なお、Googleは「Googleデータポータル」というビジネスインテリジェンス(BI)ツールを保有していました。第3世代BIツールと呼ばれていた開発元であるLooker Data Sciencesを買収して、Googleデータポータルを「Looker Studio」へ改称し、製品統一されました。

Tableau

Tableauは、クラウドかオンプレミスかを選択できるビジュアル分析プラットフォームです。ビジュアルベストプラクティスが組み込まれているため直感的な操作ができるうえ、ユーザビリティを高める工夫が施されています。同コミュニティーには100万人以上のメンバーがおり、情報を共有することができます。

Yellowfin

Yellowfinは、アクションベースのダッシュボードが利用できます。同業他社より美しいダッシュボードを目指しており、非常に見やすくきれいなデザインのダッシュボードとなっています。あらゆるデータをワンクリックで情報分析できるうえ、即座に視覚化できる簡単さも魅力です。

Salesforce Sales Cloud

Salesforce Sales Cloudは、全プランがクラウドサービスとなっています。業務プロセスを自動化しながらコラボレーションさせることができる、プロダクティビティプラットフォームです。自動化にAIをプラスすることで業務スピードをアップさせています。

またAIによる「予測と提示」を活用することで、営業メンバーは適切なアクションを取ることができます。リアルタイムデータを上手に活用することで、効率よく営業活動を行っていけるでしょう。

board

boardは、Microsoft Azureクラウドを利用しているダッシュボードで、あらゆるデバイスからアクセスが可能です。画面のカスタマイズも簡単で、強力なセキュリティと拡張性も大きな魅力です。2,000件以上の導入実績があり、大手グローバル企業にも利用されています。

まとめ

本記事では、ダッシュボードについて解説をしてきました。ダッシュボードは、打つべき施策を検討しやすくしたり、データを分かりやすく可視化したりする役割を持っています。

レポーティング、グラフ作成、シミュレーションなどを上手く活用すれば、ダッシュボードによる業務効率化も図れるようになるでしょう。

まずは、本記事で解説したツールの中から、利用するダッシュボードを検討することから始めてみてはいかがでしょうか。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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