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MRRとは?SaaSビジネスで押さえておきたい売上の概念

2025.9.22
読了まで約 11

サブスクリプションサービスやSaaSは継続的な契約を前提としたビジネスモデルであり、毎月決まった売上が発生します。このビジネスモデルの特徴ゆえに、毎月の経常的な売上から事業の成長性や将来性を見極めることができ、投資家が重視する経営指標になっています。

SaaSビジネスにおいて毎月発生する売上のことをMRR(Monthly Recurring Revenue)と呼びます。MRRは、サブスクリプションベースのビジネスにとって非常に重要な指標です。今回はMRRについて、SaaSビジネスにおける重要性を合わせて詳しく紹介します。

MRRは、単に月次の売上を表すだけでなく、ビジネスの安定性や成長性を示す重要な指標となります。MRRが高ければ高いほど、事業の将来性や投資価値が高いと評価されることが多いです。

MRRは主に4種類のMRRで構成されています。これらの4種類のMRRを理解し、適切に管理することで、SaaSビジネスの健全性を維持し、成長を加速させることができます。以下に、4種類のMRRについて簡単に説明します。

  1. New MRR:新規顧客から得られる月次収益
  2. Expansion MRR:既存顧客のアップグレードやクロスセルによる増加分
  3. Downgrade MRR:既存顧客のダウングレードによる減少分
  4. Churn MRR:解約・退会による減少分

これらのMRRを適切に分析・管理することで、ビジネスの課題や成長の機会を明確に把握することができます。MRRは、SaaSビジネスの経営者や投資家にとって、事業の健全性や成長性を評価する上で欠かせない指標となっています。

関連記事:サブスクリプションとは?ビジネスモデルの特徴や代表的なサービスを紹介

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MRRとは?4種のMRRで構成

MRR(Monthly Recurring Revenue)とは、月次経常収益を意味し、SaaSビジネスやサブスクリプションサービスにおいて重要な経営指標です。MRRは、毎月定期的に発生する売上を指し、サービスの継続的な利用によって得られる収益を表します。

MRRの特徴は、安定的かつ予測可能な収益であることです。初期費用やスポット的な追加費用は含まれず、純粋に継続的な契約から生まれる収益のみを対象としています。このため、MRRはビジネスの成長性や将来性を評価する上で、投資家が重視する指標となっています。

MRRは4種類のMRRで構成されており、それぞれが月々の収益変動に影響を与えます。具体的には、以下の4つのMRRが存在します。

  1. New MRR:新規顧客獲得による収益増加
  2. Expansion MRR:既存顧客のアップグレードやクロスセルによる収益増加
  3. Downgrade MRR:既存顧客のダウングレードによる収益減少
  4. Churn MRR:顧客の解約・退会による収益減少

これら4種のMRRを合計することで、その月の総MRRが算出されます。MRRを継続的に分析することで、ビジネスの健全性や成長トレンドを把握することができ、戦略的な意思決定に役立てることができます。

MRRの重要性は、SaaSビジネスの各成長段階によって異なります。例えば、アーリーステージではNew MRRが注目されますが、成熟段階ではすべてのMRR指標がバランスよく重視されます。このように、MRRは事業のライフサイクルに応じて、その解釈や重要度が変化する動的な指標と言えます。

①New MRR

新規顧客に起因するMRRです。新規顧客の獲得には一定のマーケティング予算を投じ、マーケティング施策やセールス活動を行います。顧客獲得にかけたコストが過剰であるとビジネス全体が赤字となるため、適切なコストで算出するため重要なのがNew MRRです。MRRの中でも、New MRRは特に注目される指標の一つです。

New MRRを増加させるためには、効果的なリードジェネレーション戦略が不可欠です。例えば、SEO対策やコンテンツマーケティングを活用して、潜在顧客にリーチすることができます。また、ソーシャルメディア広告やリターゲティング広告などのデジタル広告も、New MRRの向上に寄与します。

さらに、セールスチームとマーケティングチームの連携を強化することで、リードの質を向上させ、より効率的に新規顧客を獲得することができます。これにより、CAC(顧客獲得コスト)を抑えつつ、New MRRを最大化することが可能となります。

MRRの成長において、New MRRは重要な役割を果たします。継続的に新規顧客を獲得し、New MRRを安定的に増加させることで、事業の拡大と持続的な成長を実現することができるのです。

関連記事:CAC(顧客獲得単価)ってなに?SaaSビジネスでの適切な獲得単価を算出 

②Expansion MRR

既存顧客に起因するMRRで、前月の利用料金からの増加分を計上します。Expansion MRRは、SaaSビジネスにおいて重要な指標の一つです。複数の料金プランのあるサービスで契約プランよりも高い料金プランへ移行するアップグレード、また、既存のサービスとは別のサービスを追加で契約するクロスセルの2つのパターンがあります。Expansion MRRを増加させることで、顧客単価を向上させ、MRR全体の成長を促進することができます。そのため、多くのSaaS企業はExpansion MRRの最大化に注力しています。効果的なアップセルやクロスセル戦略を実施することで、Expansion MRRを改善し、事業の安定性と成長性を高めることが可能となります。

関連記事:アップセルとクロスセルの違いは?戦略として取り組む際のポイントと事例

③Downgrade MRR

Expansion MRRと同様に既存顧客に起因するMRRですが、アップセルやクロスセルによる増加分ではなく、ダウングレードによる減少分を計上します。Downgrade MRRは、SaaSビジネスにおいて重要な指標の一つです。顧客が契約プランを下位のものに変更したり、利用規模を縮小したりすることで発生するMRRの減少を示します。

Downgrade MRRを最小限に抑えることは、MRR全体の安定性と成長を維持する上で非常に重要です。顧客満足度の向上や、サービスの価値提案の強化などを通じて、Downgrade MRRを抑制する努力が必要です。また、定期的な顧客ヒアリングやアンケート調査を実施し、ダウングレードの理由を把握することも有効な施策となります。

MRRの構成要素としてのDowngrade MRRは、ビジネスの健全性を評価する上で欠かせない指標です。特に、SaaSビジネスの成長段階や競合状況によっては、Downgrade MRRの動向が事業の将来性を左右する重要な要素となる場合があります。したがって、MRRの分析や改善策の立案において、Downgrade MRRに十分な注意を払うことが求められます。

④Churn MRR

Churn MRRは、既存顧客の解約・退会による月次経常収益(MRR)の減少分を表す重要な指標です。SaaSビジネスの健全性を維持するためには、このChurn MRRを最小限に抑えることが不可欠です。

解約・退会の要因を分析し、それに対しての改善を行うことがChurn MRRの低減につながります。例えば、顧客アンケートやインタビューを実施し、解約理由を詳細に把握することが有効です。要因分析の結果、他社より料金が高い、サービス自体に問題があるといったことであれば、サービス自体の見直しを検討する必要があります。

また、カスタマーサクセスの仕組み構築も解約・退会の改善に有効な手段です。カスタマーサクセスチームを設置し、顧客との定期的なコミュニケーションを通じて、サービスの活用状況や満足度を把握し、問題点を早期に発見・解決することができます。

さらに、顧客のサービス利用状況をモニタリングし、利用頻度が低下している顧客に対して、プロアクティブなサポートを提供することもChurn MRRの抑制に効果的です。例えば、サービスの新機能や活用事例を紹介するウェビナーを開催したり、個別のトレーニングセッションを提供したりすることで、顧客のサービス活用を促進し、解約リスクを軽減できます。

Churn MRRを適切に管理することで、MRR全体の成長を加速させ、SaaSビジネスの持続的な成長を実現することができます。

関連記事:チャーンレート(Churn rate)とは?マーケターが押さえておきたいSaaSビジネスの顧客解約率

MRRの算出方法

MRR(Monthly Recurring Revenue)の算出方法には、主に2つのアプローチがあります。1つ目は、4種類のMRRを用いて計算する方法で、2つ目は月額利用料金と契約顧客数から算出する方法です。これらの方法を使うことで、SaaSビジネスの月次経常収益を正確に把握することができます。

1つ目の方法では、前月のMRRに、New MRR、Expansion MRR、Downgrade MRR、Churn MRRを加えてMRRを計算します。この方法は、MRRの変動要因を詳細に分析できるため、ビジネスの成長や課題を明確に把握するのに役立ちます。

2つ目の方法は、月額利用料金に契約顧客数を掛けて計算します。複数の料金プランがある場合は、各プランの料金と契約顧客数を掛け合わせ、その合計を出します。この方法は、シンプルで分かりやすく、MRRの全体像を素早く把握するのに適しています。

どちらの方法を選択するかは、ビジネスの状況や分析の目的によって異なります。MRRを正確に算出し、定期的に分析することで、SaaSビジネスの健全性や成長性を評価し、戦略的な意思決定を行うことができます。

①4種類のMRR

前月のMRRに、それぞれ計算したNew MRR、Expansion MRR、Downgrade MRR、Churn MRRを追加してMRRを計算します。この4種類のMRRは、SaaSビジネスにおける重要な指標となります。MRRの構成要素を理解することで、より効果的な経営戦略を立てることができます。

MRR = 前月のMRR + New MRR + Expansion MRR + Downgrade MRR + Churn MRR

各MRRの意味を簡単に説明すると、New MRRは新規顧客からの収益、Expansion MRRは既存顧客からの増収、Downgrade MRRは既存顧客からの減収、Churn MRRは解約による減収を表します。これらのMRRを総合的に分析することで、ビジネスの成長性や安定性を評価することができます。MRRの変動を注視し、各要素のバランスを適切に保つことが、持続可能なSaaSビジネスの運営において重要です。

②月額利用料金と契約顧客数

月額利用料金に契約顧客数を掛けて計算する方法です。これはMRRを算出する際の簡易的な方法として広く利用されています。複数の料金プランがある場合、それぞれの料金プランに契約顧客数を掛けて、それらの合計値を出します。この計算方法はMRRの全体像を把握するのに適しており、SaaSビジネスの経営者やマネージャーにとって重要な指標となります。

例えば、以下のような計算式でMRRを算出することができます。

MRR = Aプラン料金 × Aプラン契約顧客数 + Bプラン料金 × Bプラン契約顧客数 + ・・・

この方法を用いることで、各料金プランごとのMRRの内訳も明確になり、どのプランがMRRに最も貢献しているかを把握することができます。これにより、プラン別の戦略立案やMRRの向上施策を検討する際の重要な情報となります。

また、MRRの推移を月次で追跡することで、ビジネスの成長率や顧客の利用状況の変化を把握することができます。これはSaaSビジネスの健全性を評価する上で非常に重要な指標となります。

MRRはSaaSビジネスの重要な経営指標

投資家がSaaSビジネスを評価する際に重視する主要な指標の一つがMRRです。MRRは、SaaSビジネスの成長性や将来性を測る上で非常に重要な役割を果たします。SaaSビジネスモデルの特徴である毎月の定期的な売上、つまりMRRを分析することで、事業の健全性や成長のポテンシャルを正確に把握することができます。

MRRの重要性は、その安定性と予測可能性にあります。毎月一定の収益が見込めるため、中長期的な事業計画の立案や資金調達の際の判断材料として非常に有用です。さらに、売上全体に占めるMRRの比率が高ければ高いほど、その事業の安定性も高いと評価されます。これは、一時的な売上や単発の取引に依存せず、継続的な顧客との関係性に基づいた収益構造を持っていることを示すためです。

また、MRRは単なる数字以上の意味を持ちます。MRRの推移を詳細に分析することで、新規顧客の獲得状況、既存顧客の利用拡大、解約率などの重要な事業指標を把握することができます。これらの情報は、マーケティング戦略の効果測定や顧客満足度の向上、製品開発の方向性の決定など、事業運営の様々な側面に活用できます。

投資家は、SaaSビジネスの各成長段階に応じて、MRRの異なる側面に注目します。例えば、事業の初期段階では新規顧客獲得によるMRRの増加(New MRR)に重点が置かれますが、事業が成熟するにつれて、既存顧客からの収益拡大(Expansion MRR)や解約率の低減(Churn MRRの抑制)にも注目が集まります。

このように、MRRはSaaSビジネスの健全性と成長性を包括的に表す重要な経営指標であり、継続的なモニタリングと分析が不可欠です。MRRを適切に管理し、改善していくことが、SaaSビジネスの持続的な成功につながる鍵となります。

①アーリーフェーズ~シリーズA

サブスクリプションサービスやSaaSのリリース直後のアーリーフェーズや、少しずつ認知と顧客が増加しさらに加速させる拡大期のシリーズAでは、New MRRに注視します。New MRRは新規顧客の増加を表すため、この段階ではMRRの中でも特に重要な指標となります。新規顧客獲得によるMRRの増加は、サービスの成長を示す重要なシグナルとなるからです。

また、事業の立ち上がりの時期は解約・退会が起きにくいため、Churn MRRはそこまで注視しません。しかし、ある程度の顧客が獲得できるようになった段階で徐々に、顧客継続性の指標として、Expansion MRR、Downgrade MRRとともに注視されるようになります。これらのMRR指標は、顧客の利用状況や満足度を反映するため、サービスの改善点を把握する上で重要な役割を果たします。

MRRの推移を注意深く観察することで、サービスの成長曲線や顧客の反応を把握することができます。特にアーリーフェーズからシリーズAにかけては、MRRの増加率が高いほど、投資家からの評価も高くなる傾向があります。そのため、この時期のMRR、特にNew MRRの管理は、事業の将来性を示す上で非常に重要です。

②シリーズB~シリーズC

顧客獲得がある程度安定しサービスの拡充に取り組む段階のシリーズBや、事業として安定し新規事業の開発にかかる段階のシリーズCでは、New MRR・Expansion MRR・Downgrade MRR・Churn MRRすべての指標に注視します。これらのMRR指標は、SaaSビジネスの成長と安定性を評価する上で重要な役割を果たします。

4つすべてのMRRを評価する便利な指標に「SaaS Quick Ratio」があります。SaaS Quick Ratioは、下記の計算方法の通り、その月に獲得したMRR(New MRRとExpansion MRR)と、同月に失ったMRR(Downgrade MRR・Churn MRR)の比率を表します。この指標は、MRRの増減を一目で把握できるため、投資家や経営陣にとって非常に有用です。

SaaS Quick Ratio = New MRR・Expansion MRR / Downgrade MRR + Churn MRR

この値が大きければ大きいほど事業の成長性が高いと言え、投資家はこの指標を注視して、事業の健全性を図っています。例えば、SaaS Quick Ratioが4.0であれば、獲得したMRRが失ったMRRの4倍であることを示し、ビジネスが順調に成長していることを意味します。

一方で、SaaS Quick Ratioが1.0未満の場合、MRRの純減を意味するため、ビジネスモデルの見直しや顧客維持策の強化が必要となる可能性があります。このように、MRR指標を活用することで、SaaSビジネスの現状を正確に把握し、適切な戦略立案につなげることができます。

MRRの改善方法

毎月のMRRの変動を分析することで、New MRR・Expansion MRR・Downgrade MRR・Churn MRRのどれがボトルネックになるのか明確となり、それらに対して改善策を打ちやすくなります。MRRの改善は、SaaSビジネスの成長と持続可能性を高める上で極めて重要です。

各MRRの改善策を実施する際は、顧客のニーズや市場動向を十分に考慮し、データ分析に基づいた戦略的なアプローチが必要です。例えば、New MRRの改善には、ターゲット顧客層の明確化とそれに応じたマーケティング施策の最適化が有効です。Expansion MRRの向上には、既存顧客との関係強化や付加価値の高い新機能の開発が重要となります。

また、Downgrade MRRとChurn MRRの抑制には、顧客満足度の向上と継続的な価値提供が不可欠です。カスタマーサクセス部門の強化や、ユーザーフィードバックを積極的に製品開発に反映させるなど、顧客中心のアプローチがMRR全体の改善につながります。

定期的なMRRの分析と改善策の実施により、SaaSビジネスの安定的な成長と収益性の向上を図ることができます。各MRRの改善に取り組む際は、短期的な成果だけでなく、長期的な事業の持続可能性も考慮に入れることが重要です。

①New MRR

新規顧客に起因するMRRです。新規顧客の獲得には一定のマーケティング予算を投じ、マーケティング施策やセールス活動を行います。顧客獲得にかけたコストが過剰であるとビジネス全体が赤字となるため、適切なコストで算出するため重要なのがNew MRRです。New MRRは、SaaSビジネスの成長を示す重要な指標の一つとなります。

New MRRを向上させるためには、効果的なリードジェネレーション戦略が不可欠です。例えば、コンテンツマーケティングやSEO対策を通じて、潜在顧客にリーチし、質の高いリードを獲得することが重要です。また、獲得したリードを適切に育成し、商談へとつなげていくリードナーチャリングのプロセスも、New MRRの増加に大きく貢献します。

さらに、セールスチームとマーケティングチームの連携を強化し、リードの質と量を最適化することで、より効率的にNew MRRを伸ばすことができます。このように、New MRRは単なる新規顧客からの収益だけでなく、SaaSビジネス全体の成長戦略と密接に関連しているのです。

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②Expansion MRR

既存顧客に起因するMRRで、前月の利用料金からの増加分を計上します。MRRの重要な構成要素であるExpansion MRRには、主に2つのパターンがあります。1つ目は、複数の料金プランのあるサービスで、契約プランよりも高い料金プランへ移行するアップグレードです。これにより、顧客単価が向上し、MRRの増加につながります。2つ目は、既存のサービスとは別のサービスを追加で契約するクロスセルです。クロスセルは、顧客のニーズに合わせて関連サービスを提案することで、MRRを効果的に拡大する手法です。Expansion MRRを増やすことは、SaaSビジネスの成長戦略において非常に重要であり、顧客満足度の向上と収益の拡大を同時に実現できる可能性があります。そのため、多くのSaaS企業がExpansion MRRの最適化に注力しています。

<成功事例込みのアップセル・クロスセル関連記事>

③Downgrade MRR

Expansion MRRと同様に既存顧客に起因するMRRですが、アップセルやクロスセルによる増加分ではなく、ダウングレードによる減少分を計上します。MRRの減少につながるため、SaaSビジネスにおいては注意が必要です。

Downgrade MRRを抑えるためには、顧客の利用状況を常に把握し、満足度を高める施策を実施することが重要です。例えば、定期的なカスタマーサポートの実施や、製品機能の改善などが効果的です。また、顧客のニーズに合わせた柔軟な料金プランの提供も、ダウングレードを防ぐ一つの方法となります。

MRRの安定性を保つためには、Downgrade MRRを最小限に抑えることが不可欠です。そのためには、顧客との継続的なコミュニケーションを通じて、サービスの価値を常に伝え続けることが重要です。また、顧客のフィードバックを積極的に取り入れ、サービスの改善につなげることで、顧客満足度を向上させ、ダウングレードのリスクを軽減することができます。

関連記事:カスタマーサクセスとは何か?類似するようで異なるカスタマーサポートと比較して解説 

④Churn MRR

解約・退会の要因を分析し、それに対しての改善を行うことがChurn MRRの削減につながります。MRRの中でも特に重要な指標であるChurn MRRを最小限に抑えることが、SaaSビジネスの安定的な成長には不可欠です。要因分析の結果、他社より料金が高い、サービス自体に問題があるといったことであれば、サービス自体の見直しを検討する必要があります。また、カスタマーサクセスの仕組み構築も解約・退会の改善に有効です。具体的には、顧客との定期的なコミュニケーション、サービス利用状況のモニタリング、顧客満足度調査の実施などが挙げられます。これらの施策を通じて、顧客のニーズや課題を早期に把握し、適切なサポートを提供することで、Churn MRRの削減とMRR全体の向上を図ることができます。さらに、解約率(チャーンレート)の分析も重要で、業界平均と比較しながら自社のMRRの健全性を評価することが大切です。

まとめ

  • MRRとはMonthly Recurring Revenueの略で、月次経常収益という意味。具体的には、毎月決まって発生する売上を指し、SaaSビジネスにおいて重要な指標となる
  • MRRは4種類のMRRで構成されており、前月のMRRにNew MRR・Expansion MRR・Downgrade MRR・Churn MRRを加えることで、その月のMRRが確定する
  • 投資家がSaaSビジネスを評価する際に重視する指標がMRRであり、SaaSビジネスの事業フェーズによって注目するMRRの種類は異なる
  • 毎月のMRRの変動を分析することで、New MRR・Expansion MRR・Downgrade MRR・Churn MRRのどれがボトルネックになるのか明確となり、それらに対して効果的な改善策を講じることが可能になる
  • MRRの改善には、新規顧客獲得の強化、既存顧客のロイヤリティ向上、サービス利用定着のサポート、解約・退会要因の分析と対策など、各MRRの特性に応じたアプローチが必要となる
  • SaaSビジネスの成長と安定性を測る上で、MRRは欠かせない指標であり、継続的なモニタリングと改善が求められる

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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