営業が本当に欲しいリードとは?マーケティングとして出来る事は◯◯だったでは、目標をダイレクトに追う営業にとって、本当に欲しいリードとは「受注につながる見込みの高いリード」であり、営業活動では特に「アポイントの取りやすさが重要」と触れ、またその具体的な手法の1つとして「リードを渡す基準について精度を上げる」ことを紹介しました。
今回は「リードを渡す基準」の設定、リードスコアリングについて考えていきます。
リードスコアリングとは
リードスコアリングとは、獲得したリード(見込み客)に対して、「受注につながる見込みの高さ」を点数付け(スコアアリング)することを意味します。具体的に、大きく2つの観点が軸になります。
① デモグラフィック(顧客の属性)
デモグラフィックとは、人口統計学的属性、つまり性別、年齢、住んでいる地域、所得、職業、学歴、家族構成などその人のもつ社会経済的な特質データのことを指します。
BtoBマーケティングにおいては法人企業が顧客となるため、法人企業の従業員規模や、業種・サービス、地域、また、担当者の部署や役職などが対象となってきます。
自社のターゲットとなりやすい法人企業の従業員規模や、業態・サービスに高いスコアをつけることにより、自社のソリューションと親和性の高いリードを抽出することができます。
また、担当者の役職に対し、事業部長・部長以上の経営層など決裁権のある役職に対し高いスコアをつけ、担当者ベースで優先順位をつけていくことが可能となります。
② アクティビティ(顧客の活動履歴)
マーケティングオートメーションツールの導入により、送信したメールの開封はもちろん、メール内リンクのクリックの有無や、自社HPへの訪問や回遊状況(1つのリードのサイト内ページの閲覧状況)が確認できるようになります。
これらの活動履歴から、自社のソリューションに対しての現状の興味関心や、検討状況の度合いをスコアリングしていきます。
例えば、「メールの開封」は2点に対し「メール記載リンククリック」は5点、「自社HPの訪問」は3点に対し「特定ページ(料金記載ページ、商品比較ページ)の閲覧」は10点、「資料ダウンロード」は10点に対し「問合せ」は30点など、関心度合いや検討状況により、リードの起こすアクションは変わってくるため、そこに傾斜をつけてリードの評価を行います。
注意点としては、時間経過での関心度合いや検討状況を加味する必要があります。
アクションのあった一定期間より1か月後でも、同じ関心度合いや検討状況であることはあまり考えられないでしょう。
情報収集する中で新たな課題が見つかり関心自体がなくなっていたり、他社のソリューションなど比較検討し他社での導入が決まっていたりするかもしれません。
よって、あるアクションから一定期間を経過したら、加点したスコア自体を減点させる設定をあらかじめ入れておくことで、時間経過による影響を加味することができます。
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リードスコアリングは絶対ではない
リードスコアリングのメリットは「受注見込みの高いリード」を数値化することで、見込みの高いと思われるリードをセグメントし、効率的よく営業に渡すことができる点にあります。
しかし、このリードスコアリングによって評価されたリードとは絶対ではないことを注意する必要があります。
100点のリードでは受注しなかったけれども、50点のリードで受注したケースも往々にして出てきます。
先ほどのスコアリングの例にして、「メールの開封」をし【+2点】、「メール記載リンククリック」【+5点】し、「自社HPの訪問」後【+3点】、「特定ページ(料金記載ページ、商品比較ページ)の閲覧」を9回【+90点】行ったが、アポイントの取れないリードA【合計100点】。
一方で、検索エンジンから「自社HPの訪問」後【+3点】、「問合せ」【+30点】よりアポイントが取れ、受注したリードB【合計33点】。
スコアとしてはおよそ70点低いリードBですが、実は同業他社からの口コミで検討がはじまり、ダイレクトに検索エンジンから自社HPに訪問して問合せしたとのこと。
このような形でスコアリングでは見えない、オフラインでの動きもあるため、スコアリングは論理的で効率が良いものでもありますが、「限界が存在する」ということを予め認識しておく必要があります。
まとめ
◆リードスコアリングは、デモクラティック(属性)とアクティビティ(活動履歴)の2つの観点よりスコアリング(点数付け)していく
◆アクティビティ(活動履歴)では、一定のアクションからの時間経過による影響を加味する必要がある
◆スコアリングでは見えない、オフラインでの動きもあるため、スコアリングは論理的で効率が良いものでもあるが限界が存在する、ということを予め認識しておく必要がある