新型コロナウィルス感染拡大の影響で、延期や中止となっていた展示会も感染拡大の落ち着きとともに再開され、コロナ前の水準ほどではないものの徐々に来場者数も戻ってきています。
展示会は出展するだけで一度に大量のリードを獲得できるチャネルです。その見込み顧客のなかから、すぐに商談化するリードの割合は5~10%と言われており、それ以外のリードは商談化しません。
今回は、展示会の費用対効果を最大化させる、商談に至らないリードに対しやるべきナーチャリングについて紹介します。
目次
来場者の展示会参加目的は情報収集メイン
2020年7月に発表された「製造業における展示会実態調査」の結果によると、展示会の参加目的のトップは「市場動向調査、定期的な情報収集」95.6%となり、ほとんどの回答者が上オフ収集を目的に来場しています。
次点には「出展企業に直接詳しい説明を聞く」87.9%が上がったものの、「出展企業との具体的な商談」は41.7%となり、導入を検討している来場者は半数以下という結果となっています。
製造業の展示会、オンライン参加に93.5%が関心。一方で、リアル展示会の参加は来年以降か(アペルザ調査)
この結果から見ても分かるように、ほとんどの来場者が情報収集を目的に展示会に参加しています。来場者のうち4割が商談目的に参加したとしても、一部の企業ブースのみ訪れることができないため、自社の展示ブースに来る来場者数、商談化する見込み顧客数はさらに少なくなるでしょう。
ほとんどのリードがナーチャリングを前提に獲得する形になるため、展示会の費用対効果を最大化させるためには、展示会後のフォローが重要となります。
関連記事:ナーチャリングとは?意味と手法、4つのメリットを解説
展示会後のメール送付とフォロー
展示会が終わった後は、あらかじめ決められたセグメントに基づいて、フィールドセールスやインサイドセールス、マーケティングへリードは振り分けられ、それぞれでフォローを行っていきます。
展示会後は獲得したどのリードに対しても御礼メールを送りますが、そのタイミングとしては営業日で翌日、または翌々日に送るのが良いタイミングです。展示会初日の場合、会期中のメール送付になるので、事前にメールを送信設定しておくなどして準備しておくと良いでしょう。
また、それぞれのセグメントに適した内容のメールを送ります。メール以外にもどのようにフォロー行うのか、セグメントと一緒のタイミングで決めておきます。
【フィールドセールス】
フィールドセールスに割り当てられるリードは、商談希望など製品・サービスへの興味関心が強く受注見込みの高いリードです。名刺交換や対応したスタッフから企業ごとに、すでに決定した商談日(あるいは候補日)やブース内で会話した内容を沿えてメールを送ります。
メールを送った後はすぐに後追いの電話を架け、商談日を確定させ、次へと確実につなげていきます。
【インサイドセールス】
インサイドセールスに割り当てられるリードは、資料希望など製品・サービスへの興味関心はあるものの、そこまで受注見込みの高くないリードです。フィールドセールスと同様に名刺交換や対応したスタッフから企業ごとに、製品・サービス資料とブース内で会話した内容を沿えてメールを送ります。
メールを送った後は1週間以内に後追いの電話を行います。サービス資料を見ているかどうか確認をしながら、改めて製品・サービスの紹介とヒアリングを行いながら見極め、商談の提案を行います。
商談の獲得ができればフィールドセールスへ繋ぎ、また、商談が断られれば、マーケティングのナーチャリングへ組み込み、継続的に接点を作るようにします。
【マーケティング】
マーケティングに割り当てられるリードは製品・サービスへの興味関心はなく、受注見込みの低いリードです。展示会のフォローセミナーやホワイトペーパーの案内を沿え、メールを次の日に対象リードに一斉に送ります。
マーケティングでナーチャリングを行うリードに対しては、必ずフォローセミナーに招待し来場者ともう一度コミュニケーションを取る機会を作ります。必要に応じてインサイドセールスから架電を行い、フォローしても良いでしょう。
展示会の後も繋がりやすくなるためのポイント
ブース内で話をした時には来場者の反応が良く、ヒアリングシートに「フィールドセールス」フォローとチェックを入れて、展示会後に商談の候補日をあげてメールをしても「結構です」と商談を拒否されてしまうことがあります。
展示会と展示会後のこのギャップが生まれてしまうのには、下記の理由が考えられます。
・反応は良かったが、展示会後に何の製品・サービスか思い出せなかった
・反応が良かったのは個人的に興味があっただけで、本来の業務には関係がなかった
・反応が良いと思っていたが、早く立ち去りたいために「良いですね」と言っていた
このようなキャップが生まれないように、展示会の後も繋がりやすくするポイントは〇つあります。
①ブースやノベルティで記憶しやすく
展示会中、来場者は多くのブースをまわるため、どのブースにどの製品・サービスがあったのか全てを記憶しておくことはできません。記憶に残りやすいように、ブースやコスチュームなどの色を統一したり、特徴的なノベルティを配布したりするなど工夫をします。
関連記事:はじめての展示会出展 – ノベルティの目的と選定方法
②呼び込みの質問でターゲットか判断する
ブースの前に通る来場者に声をかける際に、製品・サービスのターゲットかどうか確認する質問を行い。ターゲットであるかを判断します。ターゲットであればブース内へ誘導し、ターゲットでなければ、必要最低限の話に留めるようにします。
ブース前では10~30秒の短い時間で会話しなければいけません。ターゲットであるかどうか、2~3つの質問で判断できるような内容にしておきましょう。
関連記事:はじめての展示会出展 – ブースを活かすオペレーション
③展示会で完結させず、提案の余地を残す
ブースで製品・サービスの紹介と来場者への提案を1から10すべて行ってしまい、商談を行う前から来場者が「不要」と判断してしまっている場合があります。これとは別に、出展社側はなるべく多くの来場者とコミュニケーションを取り、商談を獲得していく必要があります。
BtoBの製品・サービスは展示会でのコミュニケーションだけでは、受注に至るケースはほとんどありません。展示会ではすべてを話す必要はなく、あくまで商談を獲得するのに必要な内容を留め、商談での提案の余地を残しておきます。
そうすることで、製品・サービスの説明を短縮し、1件でも多く商談を獲得できるように他の来場者への対応に時間を作ることができます。
まとめ
・ほとんどのリードがナーチャリングを前提に獲得する形になるため、展示会の費用対効果を最大化させるためには、展示会後のフォローが重要となる
・展示会後は獲得したどのリードに対しても御礼メールを送りますが、そのタイミングとしては営業日で翌日、または翌々日に送るのが良いタイミング
・マーケティングでナーチャリングを行うリードに対しては、必ずフォローセミナーに招待し来場者ともう一度コミュニケーションを取る機会を作る
・BtoBの製品・サービスは展示会でのコミュニケーションだけでは受注に至るケースはほとんどないため、展示会ではすべてを話す必要はなく、あくまで商談を獲得するのに必要な内容を留め、商談での提案の余地を残しておく
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