ブログ運用やホームページ制作に欠かせない背景などのフリー素材。秀逸な写真・テクスチャーなどを無料でダウンロードできるフリー素材サイトは、日々さまざまな種類の画像を数多く扱う制作担当者にとって、大変便利なコンテンツとなっています。
本記事では、Webサイトのトップページ、アイキャッチ、バナー用のデザイン画像や、需要の高い背景などを提供している7つのフリー素材サイトと、制作者がフリー素材を使用するときの注意点やポイントについて、詳しく解説します。
目次
フリー素材とは?
ブログやホームページ、アプリ、バナー、アイコン、印刷物など、さまざまな制作物に活用されている無料のフリー素材。クオリティーの高い素材が豊富にそろい、誰でも手軽に利用できるフリー画像サイトは、制作担当者や運営者から重宝される存在となっています。
フリー素材とは、基本的にその名の通り無料で利用できる人物や背景、テクスチャーなどの画像素材です。素材の種類は主に、写真やイラスト、フォント、音楽(サウンド)などがあり、多くはインターネット上で配布しているデータをダウンロードして使用します。
フリー素材を使用すれば、自社の制作物に必要な背景画像やテクスチャー、写真などをそれぞれ一から撮影しなくてもよくなるため、制作にかかる時間や費用を大幅に削減することができます。良質な素材の中からイメージに合った作品を選べることで、ホームページやブログなどの制作者にとって利便性が高く、クリエイティブの幅が広がるというメリットもあるでしょう。
フリー素材サイトの多くは、必要な画像・写真をダウンロードするだけで手軽に使用でき、活用する人が増え続けている状況です。特に、背景素材は需要が高く、多くのフリー素材サイトで豊富に提供されています。例えば、自然の風景や都市の街並み、抽象的なパターンなど、様々な種類の背景素材が無料でダウンロードできます。
また、フリー素材の中には、商用利用可能なものも多く存在します。これらの素材を使用することで、ビジネス用のウェブサイトやプレゼンテーション資料など、幅広い用途に活用することができます。ただし、利用規約をしっかりと確認し、適切な使用方法を守ることが重要です。
フリー素材サイトでは、背景以外にも、人物、動物、食べ物、季節のイベントなど、多岐にわたるカテゴリーの素材が提供されています。これらの素材を組み合わせることで、より魅力的でオリジナリティのある制作物を作成することができます。
さらに、最近では高解像度のフリー素材も増えており、印刷物やデジタルサイネージなど、大型の制作物にも対応可能な素材が無料で入手できるようになっています。このように、フリー素材の世界は日々進化しており、クリエイターにとってますます重要なリソースとなっています。
フリー素材の注意点
品質のよい背景や人物などの素材を無料で使えるフリー素材ですが、利用する際には注意すべき点がいくつかあります。例えば、サイト内に「無料」「フリー」という記載があったからといって、すべての素材をどのように利用してもいいというわけではありません。
企業や個人がフリー素材サイトから、背景、人物などの画像、音楽(サウンド)などをダウンロードして使用する際の主な注意点は以下になります。
まず、素材の利用規約や利用条件を必ず確認しましょう。フリー素材サイトによって、商用利用の可否や加工の制限が異なる場合があります。
次に、著作権や肖像権に注意が必要です。フリー素材であっても、著作権は完全に放棄されているわけではありません。特に人物が写っている画像を使用する際は、肖像権にも配慮が必要です。
また、フリー素材の使用目的も重要です。個人利用と商用利用で異なる条件が設定されている場合があるため、自身の使用目的に合わせて適切な素材を選択しましょう。
さらに、フリー素材の出典元の明記が必要かどうかも確認しましょう。クレジット表記を求めているサイトもあります。背景画像や写真素材を使用する際は、適切なクレジット表記を行うことで、著作権者への敬意を示すことができます。
最後に、フリー素材の使用期限にも注意が必要です。一部のフリー素材サイトでは、使用期限が設定されている場合があります。長期的に使用する予定の素材については、使用期限の有無を確認しておくことをおすすめします。
これらの注意点を守ることで、フリー素材を適切に活用し、トラブルを回避することができます。フリー素材は便利なツールですが、責任を持って使用することが重要です。
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素材を加工しても問題ないか
フリー素材を活用する際、背景画像や写真の加工が許可されているかどうかは重要な確認事項です。同じフリー素材サイトでも、素材によって加工の可否や程度が異なる場合があります。例えば、ある背景素材は色調整のみ許可されているのに対し、別の素材はトリミングや合成まで可能というケースがあります。
フリー素材の加工に関しては、以下の点に注意が必要です。
1.加工の範囲: 背景や人物などの素材に対して、どの程度の加工が認められているか確認しましょう。
2.色調整: 多くのフリー素材サイトでは、背景色の変更や明るさの調整などの基本的な色調整は許可されています。
3.トリミング: 背景素材の一部を切り取って使用できるかどうか、確認が必要です。
4.合成: 複数のフリー素材を組み合わせて使用する場合、それぞれの素材の規約を確認しましょう。
5.テキスト追加: 背景画像にテキストを追加することが許可されているか確認が必要です。
フリー素材の加工ルールは素材ごとに異なるため、使用前に必ず利用規約を確認しましょう。特に商用利用の場合は、より慎重な確認が求められます。加工の可否や程度について不明な点がある場合は、フリー素材サイトの運営者に直接問い合わせるのも良いでしょう。
適切な加工ルールを守ることで、クリエイティブな作品作りと著作権の尊重の両立が可能になります。フリー素材を正しく活用し、魅力的な背景やデザインを作り出しましょう。
素材にクレジットは必要か
著作権者や作者などの表記が必要かどうかは、フリー素材を使用する際の重要な確認事項の一つです。背景画像やテクスチャー、人物写真などのフリー素材を無料でダウンロードできても、クレジット表記が必要と規定されている場合があります。例えば、ダウンロードしたフリー素材サイトのリンクを制作物に貼り付けたり、素材の近くに作者名を掲載したりすることが求められることがあります。
フリー素材サイトによって、クレジット表記の方法や位置が異なる場合があるため、注意深く確認することが大切です。背景素材や写真素材を使用する際は、各サイトの利用規約をよく読み、クレジット表記の必要性や方法を把握しましょう。
クレジット表記が不要なフリー素材サイトもありますが、そのような場合でも、使用した素材の出典を記録しておくことをおすすめします。将来的に素材の利用条件が変更される可能性もあるため、フリー素材の背景やどこからダウンロードしたかなどの情報を管理しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
また、複数のフリー素材サイトから素材をダウンロードして使用する場合は、それぞれのサイトのクレジット表記ルールに従う必要があります。背景素材や写真素材を組み合わせて使用する際は、各素材のクレジット表記を適切に行うよう心がけましょう。
商用目的・営利目的での利用は可能か
フリー素材やダウンロードした背景などの素材を商用制作物に活用する際には、事前に利用規約や利用条件を確認すること、素材の著作権を確認することが大切です。特に日本では「フリー」という言葉の定義があいまいなため、「フリー素材」と「著作権フリー」は異なるということを理解しておく必要があります。
多くのフリー素材サイトでは、商用利用が可能な素材を提供していますが、中には個人利用のみに限定しているものもあります。また、商用利用可能な素材でも、使用方法や加工の制限がある場合があります。例えば、背景素材として使用する場合は問題ないが、ロゴやアイコンとしての使用は禁止されているケースなどがあります。
トラブルを未然に防ぐためにも、制作に使用したフリー素材はどこからダウンロードしたのか、サイトの名前やURL、ダウンロードした日時、規約画面のスクリーンショットなど、必要な記録を残しておくとよいでしょう。特に、背景素材や人物写真などは、使用目的や加工の可否について慎重に確認する必要があります。
また、フリー素材を使用する際は、素材の品質や解像度にも注意が必要です。商用利用の場合、高品質な素材が求められることが多いため、フリー素材サイトの中でも高解像度の背景素材や写真を提供しているものを選ぶことをおすすめします。
最後に、フリー素材を使用する際は、自社のブランドイメージや制作物の目的に合致しているかどうかも重要な判断基準となります。商用利用可能なフリー素材であっても、自社の製品やサービスにふさわしいかどうかを十分に検討した上で使用するようにしましょう。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは?
フリー素材には、規約の範囲内で活用できるものと、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの「CC0(パプリックドメイン)」として著作権を気にせず利用できるものが存在します。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、背景画像やテクスチャー、写真などのフリー素材を利用する際に重要な概念です。
このライセンスは、素材の作者が自身の作品をどのように共有し、使用してほしいかを明確に示すためのツールです。例えば、ある背景画像のフリー素材に特定のクリエイティブ・コモンズ・ライセンスが付与されている場合、そのライセンスの条件に従って素材を利用することができます。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、フリー素材の利用における柔軟性と法的保護のバランスを取るために設計されています。これにより、素材の作者は自身の作品を広く共有しつつ、一定の権利を保持することができます。同時に、素材を利用する側も、明確な条件のもとで安心して素材を活用できるようになります。
特に、背景やテクスチャーなどのフリー素材を扱う際には、このライセンスの理解が重要です。例えば、ある背景素材が「表示-非営利」のライセンスを持つ場合、商用利用は禁止されますが、非営利目的であれば作者のクレジットを表示して自由に使用できます。
フリー素材サイトを利用する際は、各素材に付与されているクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの種類と条件を必ず確認しましょう。これにより、著作権法を遵守しつつ、適切にフリー素材を活用することができます。素材の背景や用途に応じて、最適なライセンスの素材を選択することが、クリエイティブな制作活動の基盤となります。
CCライセンス
初めに、クリエイティブ・コモンズ(Creative Commons/略称CC)とは、著作権に関わるライセンスである「CCライセンス」の普及とプロモートを行う国際的非営利組織であり、そのプロジェクトの総称です。
さまざまな種類の制作物に「定義した条件の範囲内であれば自由に使ってください」という意思を表示させるマークのことを、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスと呼んでいます。インターネット上だけでなく、著作物すべてがCCライセンスの対象となります。マークには、著作権者の「表示(BY)」や「改変禁止(ND)」「非営利(NY)」「継承(SA)」があり、それぞれ単体や組み合わせなどで条件の範囲を提示しているので、国際ルールとして理解しておきましょう。
CCライセンスは、フリー素材の背景や画像を使用する際に非常に重要な概念です。このライセンスにより、クリエイターは自身の作品をどのように共有し、使用してほしいかを明確に示すことができます。例えば、ある背景画像がCCライセンスで提供されている場合、その利用条件を簡単に確認できます。
フリー素材サイトでは、CCライセンスを採用している素材が多く見られます。これにより、ユーザーは素材の使用範囲や条件を容易に理解できるため、安心して素材を活用できます。特に、背景やテクスチャーなどのデザイン要素を探している場合、CCライセンスの素材は非常に有用です。
また、CCライセンスは国際的に認知されているため、グローバルなプロジェクトやウェブサイトの制作においても、素材の利用規約を統一的に管理できるメリットがあります。フリー素材の背景を使用する際は、CCライセンスの種類と条件を十分に確認し、適切に利用することが重要です。
CC0(パプリックドメイン)
CCライセンスが、著作権を権利所有者に残しつつ、再利用を選択できるものであったのに対し、著作者が著作権をすべて放棄するのが「CC0(パブリックドメイン)」です。CC0は、フリー素材の中でも最も自由度の高い利用形態を提供します。
背景画像や写真素材などのフリー素材において、CC0は特に重要な概念です。CC0が適用された素材は、制作物の作者に自動で付与されていた著作権とその他の占有権をすべて放棄し、いかなる権利も保有しないことを意味します。これにより、ユーザーは背景やテクスチャーなどの素材を、商用・非商用を問わず自由に使用できます。
フリー素材サイトでCC0の背景画像を探す際は、「CC0」や「パブリックドメイン」というキーワードで検索すると効率的です。CC0の素材は、クレジット表記や使用報告が不要なため、ブログやウェブサイトの背景、バナー制作などに幅広く活用できます。
ただし、人物や看板・建物のロゴなどが写っている写真については、第三者の著作権や商標権に注意が必要となります。フリー素材の背景画像であっても、これらの要素が含まれている場合は慎重に扱う必要があります。
作品をもっと自由に、柔軟性を持たせた方法で世界に広めたいときなどに、法令上認められる最大限の範囲で権利を放棄して、CC0(パブリックドメイン)の状態にすることがあると覚えておきましょう。フリー素材の作者にとっても、CC0は自身の作品を広く活用してもらうための有効な選択肢となります。
背景やテクスチャーなどのフリー素材を探す際は、CC0の素材を優先的に選ぶことで、著作権の問題を回避しつつ、自由度の高い制作が可能になります。ただし、CC0であっても、適切な利用を心がけましょう。
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背景などのフリー素材サイト7選
ブログやホームページ、バナー制作に欠かせない背景などのフリー素材を提供している7つのサイトを厳選して紹介します。これらのサイトでは、高品質な背景素材や写真素材を無料でダウンロードできます。
総会員数600万人超の人気フリー素材サイト。豊富な画像・画質が特徴。背景に使用しやすい自然や風景、町並みから人物、生き物など、あらゆるジャンルの写真素材がそろっています。加工や商用利用が可能で許可やクレジット表記の必要もありません。
経済産業省が委託し、観光予報プラットフォーム推進協議会が運営するフリー素材サイト。自然、暮らし、歴史、生き物など、日本各地の情景を世界に発信できるよう、写真を撮影する人、写真を使う人、写真を見る人のコミュニティー形成を理念としているフォトアーカイブです。
広告媒体などで活躍するプロのカメラマンが撮影した写真素材を提供するサイト。利用規約の範囲内で、商用利用やトリミングや合成などの加工もOK。リンクやクレジット表記の必要もありません。景色などの背景や人物、動物、乗り物など、欲しい素材のイメージに合わせて検索できます。
「使って楽しい、見て楽しい」をスローガンにした高解像度・高品質写真のフリー素材サイト。オススメ写真や企画コラボなど、オリジナルのリストからフリー素材をピックアップできます。複数のメディアに取り上げられたこともある2011年オープンの無料サイトで、掲載されている写真はすべて登録カメラマンが撮影。企画からリーガルチェック、リリースまで、内製化されていることが特徴です。
商用利用・加工が可能で制限なしのフリー写真素材サイト。さまざまなクリエイティブ制作で活用できる8000px超えの超解像度素材もあります。日本各地をテーマにした観光名所や風景などのコンテンツが豊富。背景にも使いやすい町並みから鉄道などの乗り物、生活、冠婚葬祭まで、シンプルで検索しやすい表示の国内サイトです。
背景のフリー素材が豊富な無料サイト。高画質で高解像度な風景素材からデザイン性の高いテクスチャーまで、クリエーターが使いやすいカテゴリーのコンテンツがそろっています。加工程度やトレースの制限もなく、商用利用も可能です。わかりやすい利用一覧表で利用規約の範囲が一目で確認できます。
世界の41サイトからクオリティーの高いフリー素材を日本語で検索し、ダウンロードできる便利なサイトです。検索ボックスに欲しい素材の関連ワードを入力すると、さまざまなサイトから集められた写真素材が一気に表示されます。気に入った素材をクリックすれば各サイトに自動遷移されるため、遷移先で規約・規定を確認後、ダウンロードしましょう。
これらのフリー素材サイトを活用することで、高品質な背景素材を無料で入手し、ブログやホームページ、バナーなどの制作に役立てることができます。ただし、各サイトの利用規約や制限事項を必ず確認し、適切に使用することが重要です。
まとめ
フリー素材を活用する際は、利用規約や利用条件がしっかり明示されたサイトを選ぶことが大切です。背景や人物などの素材を提供しているサイト自体が信頼できるかどうか、不明な点があれば専門家に相談するなど、気をつけて選択する必要があります。
制作担当者は、各サイトにおけるフリー素材使用時の禁止事項や利用規約・規定などのルールをしっかり確認した上で、正しく活用するようにしましょう。特に、背景素材やテクスチャーなどを使用する際は、商用利用が可能かどうか、クレジット表記が必要かどうかなどを確認することが重要です。
また、フリー素材の中には、CC0(パブリックドメイン)として提供されているものもあります。これらの素材は、著作権を気にせず自由に利用できるため、制作の幅が広がります。ただし、CC0の素材であっても、人物や建物のロゴなどが写っている場合は、第三者の権利に注意が必要です。
フリー素材サイトを活用することで、ホームページやブログ、バナー、アイコンなどの制作時間やコストを大幅に削減できます。しかし、同時に著作権への意識を高め、適切に利用することが求められます。フリー素材の「フリー」には様々な意味が含まれるため、常に利用規約を確認し、適切に使用することを心がけましょう。