本来、同じ目標達成に向けて、両輪となり売上を作っていくマーケティングと営業ですが、目標達成にいたらなかった原因を陰で押し付けあうなど、しばしば敵対する話は珍しくありません。
しかし、目標達成や売上拡大にはマーケティングと営業が互いに連携することは必要不可欠です。
マーケティングが創出したリード(見込み客)を、営業が商談に案件化し受注する。
この一連の中で、営業にとって本当に欲しいリードを考えていきたいと思います。
営業が欲しいリードは「質の高い」リード。「質の高いリードとは?」
弊社では「HRプロ」などのWEBメディア、「HRサミット」などの各種フォーラムを通じて、人事ベンダー様のリード獲得の支援をしておりますが、年間数百~千件の量であったり、ある一定の企業規模を求める質であったり、個社ごとの様々な要望に沿って支援をしております。
その中に、マーケティング部署に所属する担当者より「営業から質の高いリードを求められている」という要望を頂くことがあります。
ここで言う「質の高い」リードとは具体的にはどういうことでしょうか。
営業は、新規アポ取り・ヒアリング・提案・クロージングといった営業活動の中で、商談を案件化し受注に至るまで、いくつものリード(見込み客)を相手に進めていきます。
さらに、既存客を担当している場合には、顧客フォローなどの業務負荷は非常に大きなものとなります。
そんな中、マーケティングから渡されたリードにアプローチをした際に「今後の勉強のため」「まだ情報収集」と対応された際には、営業にとって商談の案件化は期待できず「受注につながる見込の低い」リードが渡されたという認識になり、これが蓄積されるとマーケティングに対する信頼は失われます。
目標をダイレクトに追う営業にとって、本当に欲しいリードとは「受注につながる見込みの高いリード」であり、営業活動では特に「アポイントの取りやすさ」が重要になってきます。
そういった営業の声を理解するからこそ、先ほどの「質の高い」リードを求める声が上がってくるのだと思います。
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「質の高い」リードを渡す為にマーケティングが出来る事
営業の欲しいリードが、受注につながる見込みのある「質の高い」リードということが明確になった上で、営業を支援するマーケティングが出来る事を考えていきます。
人事ベンダーにおいては、HRサミットなどのイベントや展示会、自社サイトやSNS、HRプロなどの外部メディアへの広告で獲得したリードに対し、商品・ソリューションへの理解と、導入を検討するために必要な情報を提供し(ナーチャリング)、商談に案件化していく、マーケティングプロセスがあります。
そこで、獲得・ナーチャリングしたリードを営業へ渡す際に出来る事を2つご紹介します。
◆営業に渡す前のアクション
人事ベンダーの中には、営業とは別にインサイドセールスを設置しております。
インサイドセールスは、リード獲得後に電話やメールなどを活用し、受注の高い見込み客の絞り込みをし、営業への橋渡しを行う役割を担っています(詳細は、コラム「インサイドセールスとは?BtoBビジネスの課題を解決するマーケティング」を参照)。
インサイドセールス部署の設置自体には非常に大きな予算や人員を使います。
具体的な例として、イベントや展示会などで獲得したリードをそのまま営業に渡すのではなく、リードに対しマーケティング内で電話をかけて相手の反応が良ければ、そのリードのみを営業に渡すなどのアクションを実施することで、見込みのあるリードを営業に渡すことができます。
◆リードを渡す基準について精度を上げる
マーケティングとして、リード獲得後のナーチャリング(絞り込み)施策を行い、営業へのリードを渡す基準を設定していると思います。
その基準について、定期的なメンテナンスは重要ですが、営業との意見交換を行い、営業が現場で経験した知見を取り込むことで、より見込みの高いリードを営業に渡せることができます。
上記のような施策を行い、営業が本当に欲しい「質の高い」リードを渡すことにより、営業からマーケティングへの印象は変わり、両者が連携を取りやすくなります。
また、マーケティングオートメーション(MA)の導入により、多量のリードに対して、より細やかなナーチャリングが可能となり、マーケティングは「質の高い」リードを営業に渡すことができ、また、営業は確度の高いリードに集中することができます。
営業とマーケティングの連携が強化され、さらなる売上拡大が期待できます。
まとめ
◆営業が本当に欲しいリードは「質の高い」リードであり、具体的には「受注につながる見込みの高い」リードであり、営業活動では特に「アポイントの取りやすい」こと
◆リードを営業に渡す上で、渡す前にリードへのアクション、渡す基準について精度を上げるなど、「質の高い」リードを渡す施策がある