スマートフォンの普及とともに、この10年でSNS利用者数は、年々右肩上がりで増えています。現在、日本のSNS普及率は80%を超えており、昨年から続いている新型コロナウイルス感染拡大の影響により自宅で過ごす時間が増えたことで、個人が1日にSNSを利用する時間が増えたと言われています。そのことも後押しとなり、SNSマーケティングは企業の販促活動において、より重要な活動の一つとなっています。今回SNSマーケティングとは、という基本的な部分から、メリット・4大SNSの特徴・注意すべきことについて、それぞれご紹介していきます。
目次
SNSマーケティングとは?
SNSマーケティングとは、Facebook・Twitter・Instagramなどのソーシャルメディアを利用して行うマーケティング施策のことを指します。企業の広告宣伝媒体の一つであり、SNSを通して商品・サービスなどの情報を発信し、認知度や好感度を高め、ブランド力の向上を目的としています。また、顧客との継続的なコミュニケーションを通して、購入後も企業のファンを増やすことや信頼度を上げることもでき、再購入につなげることや、ブランディングや販売促進など多くの役割を担っています。
SNSマーケティングに限らずオンラインでのマーケティング施策にはこと細かにセグメントをかける機能が充実してます。その中でどのような年齢層の顧客が興味を持っているのかなど顧客情報を獲得できる利点があります。企業が公式アカウントとしてSNSを運用していくことで、SNSに登録されているユーザー属性、顧客の年齢層・性別・最近の興味関心などを知ることができ、そこで得たデータを元に、より多くの顧客に興味を持ってもらえるようマーケティング施策に活用することが可能です。さらにSNS上では、顧客の生の声をダイレクトに知ることができます。その企業や商品・サービスについての情報を、インターネットを通して集めることで、市場調査などのアンケートなどとは異なる顧客の生の評価を即座に知ることができるのです。
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SNSマーケティングのメリット
こちらではSNSマーケティングで得られるメリットを4つ紹介します。
情報伝達スピードが速い
SNSマーケティングでの大きなメリットとして挙げられるのは伝播スピードの速さです。日本のSNS普及率は80%を超えており、手軽に情報を得られる媒体としてSNSは抜きん出ています。スマートフォン所持率も90%以上と高い水準となっており、ユーザーはスマートフォンを使えばいつでもどこでも情報を得ることができる状態となっています。
またSNSには拡散機能がついており、顧客が気に入った情報を友人などに簡単にシェアすることが可能です。企業の公式アカウントからアップされた内容をそのままシェアすることもできますし、個人の感想とともに口コミの要素を含んでのシェアも可能です。口コミは企業から発信される内容よりも、率直な顧客からの声として好まれる傾向にあります。そのため、SNS上で良い口コミが拡散されれば、その商品・サービスが注目される可能性が高くなり、購買意欲も高めることができます。
スマートフォンでいつでもどこでも新しい情報を得られる手軽さと、気に入った情報を簡単にシェアできる機能があるSNSは、これから企業にとってますます必要とされる広告媒体の一つだと言えるでしょう。
ブランディング効果を得ることができる
企業の公式アカウントを持つことで、運用方法によっては顧客と企業の距離を近づけることができ、企業自体やその商品・サービスに対するブランディング効果を得ることもできます。
ユーザーから多くの拡散や“いいね”などの評価を得ることはもちろんのこと、ユーザーから信頼されるインフルエンサーによって情報が拡散されることで、認知度がアップするとともに、その価値は飛躍的に上がります。企業の公式アカウントで有益な情報を提供することで、信頼性のあるアカウントとして確立でき、企業のブランディングとして成り立ちます。
うまくSNSマーケティングを活用できると認知度アップだけでなく、企業自体の市場価値を上げるブランディングにまで影響させることができるのです。
関心や信頼度が高まる
SNSを利用したマーケティングでは、利用者の検索履歴から趣味趣向にマッチした情報を広告として表示させることができます。検索履歴から関心が高そうな広告を表示させているため、比較的興味を持ってくれそうな見込み顧客に対しての案内が可能となります。
また、手軽に拡散できるため、元々は全く知らなかった企業の商品・サービスについても、繋がりがあるユーザーなどから、その存在を知ることがあります。その商品・サービスに対するシェア数や“いいね”の数も簡単に確認できるため、商品情報とともに、情報の信頼度や注目度についても知ることができます。
SNSを使ったマーケティングでは、商品情報とともに、情報の信頼度や注目度についても知ることができるため、ユーザーの趣味趣向にマッチした情報が、信頼できる形で伝わることが重要な要素となります。
コストの削減ができる
SNSを利用したマーケティングでは、文章や写真がメインとなるため、テレビCMや紙媒体での広告に比べ、コストを削減して運用することができます。現在、日常生活にSNSは欠かせないものとなっており、その伝播速度の速さから認知度アップも期待することができます。
日常生活に欠かせないものとなったSNSは、コストを抑えて認知度を高められる広告媒体の一つとして、これまでのマーケティングの形を変えてしまったと言えるでしょう。
ただし、SNSによっては短い文章で顧客の興味を惹きつける文章や、パッと目を引く画像や動画が必要となる場合があるので、今までの広告とは異なる手法で運用していくことが必要です。また情報が流れるスピードが早いSNSでは、古い情報は埋もれてしまうので定期的に投稿していくことも大切となります。SNSの特徴に合わせた投稿の形で、こまめに投稿できる体制を作ることも大切になります。
関連記事:成果につなげるSNSマーケティング戦略の設計方法とは?具体的な運用の流れを解説
代表的な4つのSNSの特徴
こちらでは日本でよく利用されている4つのSNSについて、それぞれ特徴を含めご紹介します。
Facebookは2004年から始まったソーシャルメディアです。日本では、2600万人以上の方が利用しており、基本的には実名制の登録となります。自分の略歴・性別・趣味などを登録することができ、自分の友達としてほかのユーザーを追加できます。また投稿した内容についてコメントでき、何か更新があった際の自動通知の受信することができるサービスがあります。「公開」、「友達」、「自分のみ」などプライバシー設定で公開する範囲を決められるため、誰にまでその投稿を表示するのかフレキシブルに変更が可能です。そして、“Messenger”アプリを使えば個別にやり取りができ、チャットだけでなく音声のみの通話、ビデオ通話が可能です。
ビジネスで利用する際には、一般ユーザー向けの個人ページではなく、企業向けのFacebookページを作成できます。営業時間や連絡先などの、ビジネスでは必要不可欠な情報を載せることができ、友達登録で顧客とつながることや、友達登録をしていなくても、投稿にコメントできる手軽さがあります。また、 企業向けのFacebookページ利用数は全世界で9000万社を超えています。Facebookに広告を出稿している企業数も2017年に500万社を突破しており、SNS上でビジネス活用の事例も多く、SNSマーケティングが活発に行われているSNSでもあります。
Twitterは2006年から始まったソーシャル・ネットワーキング・サービスです。Twitterの国内ユーザー数は4,500万人を超えています。投稿が140字以内という文字数制限があり短文でのコミュニケーションとなること、実名を出さずに投稿ができること、「今、起きていることを」リアルタイムで知れることが特徴となります。投稿の手軽さと、投稿を簡単にシェアできるリツイート機能があることから、拡散性が高いSNSと言われています。Twitterの利用ユーザーは若年層が多いイメージがありますが、実際には30代以上のユーザーも多く利用しています。
なお、Twitterはビジネスアカウントとして利用する場合、個人アカウントとの明確な違いが存在しません。ビジネスアカウントであっても、140字以内での投稿のルールは同じとなります。リアルタイム性をコンテンツに生かし、ターゲットが興味を持ちそうなことに対して短い文章で発信することが必要です。またTwitterでは、商品・サービスなどで検索することが可能となっており、自社の商品・サービスに対してユーザーがどのように発信しているかを知ることができます。その際に商品・サービスに対して何か困っている人がいれば、返信して問題解決に努めたり、自社の商品に対してポジティブな発言をしている人がいれば感謝の気持ちを伝えたりすることで、ユーザーとコミュニケーションが可能となります。それをきっかけに企業イメージを高め、より多くの人に知ってもらえることができます。ツイートでアンケートを作ることもでき、気軽にユーザーと繋がり、顧客との距離を縮めるツールとして活用することが可能です。
Instagramは2010年から始まったソーシャル・ネットワーキング・サービスで、国内ユーザー数は3,300万人を超えています。Instagramの特徴は写真や動画をメインで投稿することです。
アパレル業や観光業・飲食店など、写真映えがするフォトジェニックに活用ができるビジネスや業界との相性が良いSNSです。ビジネスで利用をする上では、アカウントを作成後「プロアカウント」に切り替えることが必要です。カテゴリーの中から、自社のビジネスに当てはまるものを選択することで、Instagramビジネスアカウントの取得が完了します。ビジネスアカウント取得後、Instagramが提供している無料のマーケティングプランを利用することもできます。ユーザーの目を惹く写真や動画を載せられることが特徴なので、一貫したデザインと雰囲気でコンテンツを制作することで、企業のブランディング力向上を図れます。
関連記事:Threads(スレッズ)とは?登録方法や使い方を解説
LINE
日本では、2011年から始まったモバイルメッセンジャーアプリケーションです。LINEの日本国内のユーザー数は約8,800万人と、最も多くユーザーが利用しているSNSとして有名です。利用ユーザーの性別内訳も男女比がほぼ同じで、年齢層も10代〜60代と幅広い層が利用しています。
企業はLINE公式アカウントを作成し、ビジネス利用ができます。一般的な使い方として、作成したLINE公式アカウントを登録してもらい、トーク機能から顧客に対しておすすめ商品やセールなどの情報を送ることが挙げられます。最も利用者が多いLINEは企業とユーザーとの距離を近づけることができるサービスと言われています。
SNSマーケティングで注意すべきこと
1. 良い情報も悪い情報も伝播が速い
SNSマーケティングにおいてのデメリットは、何か予期せぬ不祥事が起こった際に悪い情報の伝播も早いということです。企業などの情報発信元が、誤った情報を流してしまうといったミスも考えられますが、顧客であるユーザーの勘違いから悪評が広がってしまうということも十分に起こりうる問題です。
このような事態が起こると、商品・サービスへはもちろんのこと、企業に対しての信用を低下させる可能性があります。今まで発信していた情報に対しても不信感につながり、今までコツコツ築いていた全ての信頼を一瞬で失うことも考えられます。また、一度ネットに載ってしまった情報は消しにくく、長期的にその問題が発生することもあります。
2. 訂正が容易ではない
先ほどもお伝えしましたが、万が一、企業にとってマイナスな印象を与える情報が拡散されてしまった場合、それを訂正することは簡単ではありません。一度、拡散されてしまった情報を削除することはできませんし、データの履歴も残ります。また、あらゆるユーザーが拡散することで、長期間にわたりその情報が個人のSNSに上がってくることも考えられます。
情報伝達の速さがメリットではありますが、それに伴うデメリットがあることも、しっかりと認識しておくと良いでしょう。
まとめ
私たちの日常生活には欠かせない存在となったSNSですが、Facebook・Twitter・Instagramなどを利用し、多くの企業が SNSマーケティングを行なっています。それぞれSNSの特徴・強みが異なるので、SNSマーケティングを検討している場合には、自社のサービスにどのSNSが一番効果的かを考え、利用していくと良いかと思います。また、情報伝達が早いという点はメリット・デメリットどちらにもなり得るので、どのようにSNSマーケティングを展開していくかは、しっかりとルールを決めた上で発信していくことが大切です。