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プロモーションの定義とは?戦略を練る時に重要な7つの手段を解説

2021.6.24
読了まで約 6

プロモーションとは、サービスや商品を顧客に販売するための流れを指します。ただしプロモーションは広義であり、集客をする際の流れを指すこともありますし、顧客との信頼構築をするための行動を指すこともあります。

この記事では、プロモーションを行う際に押さえるべき「4P3C」について解説するとともに、戦略を練るための7つの手順をご説明します。また、プロモーションが失敗してしまうよくある原因も解説しますので、今後のマーケティング戦略にお役立てください。

プロモーションとは?

まずは、プロモーションの定義からご説明します。あくまで、Web業界におけるプロモーションとは、商品やサービスを販売するための流れを示します。ただし、上述したようにプロモーションは広義であり、信頼関係を構築したり、集客したりする際にもプロモーションは使われます。

また、プロモーションと似た言葉に「PR」があります。PRは、プロモーションと比較するとより広義であり、この場合プロモーションは「狭義」として捉えられることが多いです。それぞれが具体的に異なる点は状況によって異なるものの、まずはプロモーションが販売戦略の一連の流れであることを理解しておけば問題ありません。

関連記事
はっきりさせておきたいプロモーションの定義と戦略的な実施方法
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プロモーションを行う上で押さえたい「4P3C」

プロモーションを行うには、マーケティングの基本的な考え方である「4P」および「3C」について理解を深めることが重要です。まず、4Pとは4つのPから始まる言葉のことを指し、具体的な構成は下記のとおりです。

● Product(プロダクト):どのような商品やサービスを提供するか
● Price(プライス):商品やサービスの価格および支払方法
● Place(プレイス):流通させるルートや販売場所
● Promotion(プロモーション):広告宣伝・販売促進など

上記のとおり、プロモーションはマーケティング戦略を構成する1つの要素として含まれています。加えて、企業は販売戦略を練るうえで、まずは上記の4Pに自社のサービスや商品を当てはめてみることが重要です。
関連記事:マーケティングミックス(4P)とは?マーケティング実行戦略の基本を学ぶ

続いて、3Cはマーケティング環境の分析に関する考え方のことで、下記3つから構成されます。

● Customer(カスタマー):市場・顧客
● Competitor(コンペティター):競合他社
● Company(カンパニー):自社

Customerでは、市場規模や市場の成長性といった市場に関する観点と、顧客のニーズや顧客の購買行動といった観点を考えます。Competitorでは、競合他社のシェア率や強み、また今後どのような戦略を打ち出してくるのかといった、将来的な動向まで分析します。

最後に、Companyでは自社の経営理念・資本力、そしてヒト・モノ・カネといった武器を、現状どの程度有しているのかを鑑みて、今後の戦略の基盤づくりを行います。
関連記事:競合分析とは?マーケティング分析のフレームワーク「3C分析」を解説

ここで解説した4P3Cを、自社・商品に当てはめて分析することで、適切なプロモーション戦略を練れるでしょう。

プロモーションには戦略が重要

プロモーションを行うにも、ただ漠然と自社の商品やサービスを消費者に知ってもらおうというだけでは、顧客の効果的な行動には結びつきにくいのが現状です。ここでは、プロモーションを実行する際に重要となる7つの戦略についてご紹介します。

● ①:目標KPI・KGIの設定
● ②:ターゲットの設定
● ③:チャネル選定
● ④:コミュニケーション手法の選定
● ⑤:予算設定
● ⑥:効果測定
● ⑦:改善

それぞれを順番にご説明します。

①:目標KPI・KGIの設定

効果的なプロモーションをしていくためには、効果を測定して結果を振り返る作業が不可欠です。企業経営やマーケティングなどの最終的な目標を数値化したものをKGI(Key Goal Indicator)と呼び、KGIを達成するために戦術まで落とし込んだ指標をKPI(Key Performance Indicator)と呼びます。

なお、プロモーションの効果測定にはKPIがよく用いられています。また、KPIは重要業績評価指標と言われ、商品やサービスの認知度の変化を知るための指標となります。具体的には、Webページの閲覧数やSNSでのシェア数をKPIとして設定する場合が多いです。
関連記事:KPIとは?ビジネス成長に必須のKPIやKFSを正しく理解し「勝ち筋」を極める方法

②:ターゲットの設定

自社の商品やサービスを効果的に利用してもらうには、消費者の年齢や性別・職業といったターゲット層を理解し、設定することが大切です。そして、ターゲット層を把握したら、次にそのターゲットのニーズを知る必要があります。

なぜなら、消費者がものを購入したりサービスを利用したりするのは、自分の望みを叶えてくれると思っているからです。ターゲットとなるお客様が何を欲しているのかを知ることが、プロモーションの方向性を決定する1つの重要な要素となります。
関連記事:ターゲティング|競合他社と差をつけるターゲット設定の方法

③:チャネル選定

次に、商品やサービスのチャネル、すなわちどういったルートで流通させるかも大切です。たとえば、現代はIoTの発展によって顧客情報が簡単に手に入るため、オンラインとオフラインを組み合わせたプロモーションが有効です。

オンライン(Web)の情報から、オフライン(実店舗)の購入へと誘導するO2O戦略が有名です。他にも、近年では広告やLPを活用して、顧客に商品をダイレクトで届ける「D2C領域」も活発化してきています。
関連記事:O2Oとは?「ユニクロ」の成功事例やOMO、オムニチャネルとの違いもあわせて解説
関連記事:ECサイトなど自社チャネルで消費者に販売する「デジタルD2C」。市場規模が2025年に3兆円に達することを予測(売れるネット広告社調査)

④:コミュニケーション手法の選定

モノやサービスにあふれ、同質の商品が複数の企業から提供されていることも珍しくない現代において、消費者は購買の際にストーリー性を重視する傾向にあります。そこで、プロモーションの一環としてイベントを開催することで、消費者とのコミュニケーションを図り、自社のファンになってもらう戦略が有効です。

さらに、イベントは話題にもなりやすく、実際にイベントに参加していない消費者の購買意欲をもかき立てることができます。このように、事業者は消費者とのコミュニケーションをどのように行うかを考える必要があります。

⑤:予算設定

上述した戦略を徹底的に落とし込んだ段階で、事業を拡大していくための予算を設定します。予算の決め方としては、以下のように目標から逆算して設定するのがおすすめです。

● 市場の何%の人にメッセージを届けたいか(市場シェア目標)を決定する
● メッセージが届くと見込まれる市場比率、および製品・サービスを試用する見込み客の比率(試用率)を設定
● さらに、試用率を1%上げるために必要な広告露出回数を定める

標的となる人口1%に対して、広告露出1回あたりの費用(GRP)を算出し、GRPに基づいて予算を決定します。なお、目標と限界予算に乖離があると、事業の継続性が低くなってしまうため、当然ながらイニシャルコストやランニングコストも鑑みましょう。

⑥:効果測定

プロモーションの効果を測定する際は、売り上げはもちろんのこと、認知率やイメージアップ度を測定することにより、ビジネスの将来性を評価する必要があります。なお、インターネットから商品やサービスを販売する場合、すべては下記4つの公式に当てはめて効果測定をすることが大切です。

● Impressions:広告やWebサイトが何度ユーザーの目に触れたか
● PV:実際にユーザーが何度コンテンツを閲覧したか
● CTR:お問い合わせやサービス購入等のCVに繋がる部分をユーザーが何回クリックしたか
● CVR:クリックしたユーザーが何%成約したか

たとえば、Impressionsが少ない場合は、広告の表示回数が少なかったり、SEOコンテンツの検索順位が低かったりする場合があります。その場合は、予算を上げて広告の表示回数を増やしたり、コンテンツをリライトして検索順位を上げたりすることが必要です。

⑦:改善

最後に、プロモーションの効果が測定できたら、今後の改善案を練ります。改善策を練る際は、必ずKPI・KGIを軸に考えるようにしましょう。たとえば、現状プロモーションによる売上が月間500万円あるとして、3ヶ月後のKPIが月間600万円だとします。

この場合、3ヶ月間で売上を100万円増やす必要があるため、上述した4つの公式のどれを改善することが、最も効果的であるかを徹底的に考えます。また、次のアプローチに向けて横展開できる手法を発見することで、より精度の高いプロモーションを目指しましょう。

プロモーションが失敗してしまうよくある要因

ここまで、プロモーションの概要や戦略に必要な考え方、手順を解説してきました。ここからは、プロモーションに失敗してしまう事業者が陥りがちなポイントをご紹介します。

チャネル選定を間違えている

まず、プロモーションによって思うような成果が上がっていない場合、チャネル選びを間違えている可能性があります。選定したチャネルが自社の商品・サービスにとって本当に有効なものであるかを再考する必要があるでしょう。

● 選定したチャネルに何人の見込み客がいるのか
● その見込み客の何%が自社の顧客となるのか

最低限、上記2つは都度確認することが大切です。予算を使い始めた初期の段階であれば、サンクコストも少なく、チャネルを変更することも容易です。したがって「気づいたときにはもう遅い」といった最悪の事態を避けるためにも、常に市場の動向を確認し続けることも必要でしょう。

KPI・KGI設定に対する予算管理ミス

次に、経営における最終目標であるKGIに対して、適切なKPIを設定できていないケースもあります。また、前提としてKGI事態を再考する必要があるかもしれません。

なぜこういったミスが起きてしまうかというと、市場分析を怠ってしまったことが原因です。実際、自社の求める売上のみをベースにしてKGIを設定してしまうケースは多々あります。そのため必ず顧客ベースでKGIやKPIを設定し、そのうえで自社がどの程度のKPIなら達成できるかを考えましょう。

効果測定による改善ミス

上述したようにプロモーションにおいては、Impressions、PV、CTR、CVRの4つの指標を中心に改善することが重要です。ただし、注力する指標を間違えてしまうと、改善どころかマイナスの方向に進んでしまう可能性も否めません。

たとえば、すでにある程度閲覧されているのにPVを改善しようとしてしまったり、Impressionsがあるのに広告予算を上げてしまったりするなどです。すべてにおいて適切に改善することは容易ではありませんが、改善のための分析も的確に行うことが重要です。

ターゲットが明確になっていない

性別や年齢、その他基本的な属性によってターゲットを設定する考え方は、現代においてはもはや古いとする見方もあります。現代では、さらに奥深いターゲット分析が要求されています。

基本属性の枠組みから脱却して消費者の人格パターンを見つけ出し、購入につながるニーズを明確化することによって、プロモーション効果の改善が見込まれます。

まとめ:プロモーションは事前準備が最重要

本記事では、マーケティングで重要となるプロモーションについて、言葉の定義やプロモーションの際に重要となる戦略、そしてプロモーションがうまくいかない事業者が陥りがちなポイントを解説してきました。

プロモーション成功のためには、市場や顧客を知り、他社の戦略を分析したうえで自社の事業指針を練ることが不可欠です。すなわち、考え方をきちんと理解し、事前準備を十分に行うことが最も重要であるため、まずは自社の商品や他社のサービスを分析することから始めてみてはいかがでしょうか。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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