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動画広告の特徴を掴んで、マーケティングを最適化しよう!

2021.6.17
読了まで約 8

動画広告とは、動画を活用した広告のことで、動画広告市場は年々成長を続けています。
企業のマーケティング活動において、自社商品やサービスをPRしていく方法は数多くあり、例えば主流であるFacebook広告やリスティング広告など、SEOに注力することもその一つでしょう。動画広告も宣伝の一つで身近な例でいえば、YouTubeの動画視聴中に流れる広告やアプリに流れる広告などが挙げられます。
動画広告には、「インストリーム広告」、「インバナー広告」、「インリード広告」、「インフィード広告」など数種類ありますが、「動画広告に興味はあるが、どのような種類があるかよくわからない」「動画広告を運用するメリットはどのようなこと?」と興味は持っているが運用のイメージがわかない方もいるのではないでしょうか。本記事では、動画広告の種類と特徴、メリットや運用における注意点を紹介します。

動画広告の主な種類とそれぞれの特徴

数多く動画広告がありますが、配信場所の違い(動画の「中」か「外」か)で大きくは「インストリーム広告」と「アウトストリーム広告」の2つがあります。「アウトストリーム広告」は主に「インバナー広告」と「インリード広告」とに分けられます。運用していく上で掲載する媒体の性質をしっかりと把握して、広告選定を行うことが重要になります。

インストリーム動画広告

インストリーム動画広告とは、YouTubeなどの動画サイトで視聴時(動画の再生前後や再生中)に流れるタイプの広告です。動画広告の中で最も利用されています。
例えばYouTubeの動画再生中に流れる広告をイメージしていただくとわかりやすいですが、5秒後にスキップできるものや、最後まで広告を見ないと移らないものもあります。スキップできない広告は「バンパー広告」と言いますが、YouTubeで流れる動画広告のほとんどは、スキップのできるインストリーム動画広告です。長い動画広告だと途中でスキップされてしまう点がデメリットとされています。

インバナー動画広告

インバナー動画広告とは、従来の各プラットフォームのバナー広告枠に配信されるタイプの動画広告のことです。インディスプレイ広告と呼ばれることもあります。
動画サイト以外で動画広告の配信が可能な一方、インストリーム広告と比べると、動画視聴中に流れるものではないので、プロモーションできるユーザーは少なくなります。
ですが、この広告はディスプレイ広告のように、ターゲティングが可能でDSPなどで動画サイト以外の広告枠に配信できるところが強みとなるため、自社サービスや商品のターゲットユーザーに動画広告を配信できます。
インストリーム広告に比べると視聴数は減りますが、ターゲットに訴求できることで、コンバージョン率が高いことが魅力となります。

インリード動画広告

インリード動画広告とは、記事をスクロールしていって動画が画面に表示された際に初めて自動で再生される動画広告です。身近な例ですと、ニュースのまとめサイトやアプリで記事を閲覧していると、コンテンツとコンテンツの間で動画広告が流れることはありませんか。それがインリード動画広告です。
インバナー広告との違いは、動画の再生タイミングです。 インバナー広告は、画面に広告が掲載される・されないに関わらず再生されますが、インリード動画広告は画面に表示されないと再生されません。
特徴としては、ニュースのまとめサイトやアプリを利用している全てのユーザーに視聴してもらえるわけではないということです。しかし、インリード動画広告はユーザーの興味を引く工夫がされているので、記事コンテンツを最後まで読むユーザーに対しては閲覧される可能性が高くなるため、ターゲットにアプローチができる効果的なプロモーションです。
今後、スマートフォン向けのプロモーションを中心とした活用が期待されています。

インフィード広告

インフィード広告とは、FacebookやTwitterなどソーシャルメディアやモバイルサイトのフィード(タイムライン)型のコンテンツの間に、コンテンツと同様のフォーマットで表示される広告です。広告フォーマットは動画に限らず、静止画も含むため広告の定義はインリード広告よりも広義です。ネット広告はユーザーに不快なイメージを与えるリスクもありますが、インフィード広告の場合は、ページコンテンツに合わせて表示されるため、自然にアピールすることができます。

関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

まず使うべきはインストリーム動画広告?

ここまで動画広告の種類を紹介してきましたが、初めての運用にはインストリーム広告がオススメです。理由は、広告を見てもらえるユーザー数が多く、気になる広告に対するCTAが高いことが挙げられます。
CTAとは、「Call-To-Action」の略で、日本語に訳すと行動喚起という意味です。インストリーム広告は見たユーザーに具体的な行動を起こさせる広告として誘導することができて、直接働きかけてくれるとされています。
この広告の魅力的な点は動画広告を受動的に受け取るユーザーが多いですが、たくさんのユーザーにプロモーションすることができます。
ユーザーが「YouTubeの広告動画が邪魔!」と思っていても、自分に関わる広告だと、見入ってしまう、広告をきっかけにWebサイトを見に行くなど行動を起こす可能性が高くなります。
自社のサービスや商品を知ってもらうのか、もしくは利用してもらうためなのかによって動画広告の目的は変わってきます。
動画広告には、どちらの目的にも利用できるパフォーマンスがありますので、運用を検討している方は、インストリーム動画広告から試すとよいでしょう。

動画広告のメリット

「動画広告のメリットがよくわからない」と思っている方のために、以下では3つのメリットを紹介します。

静止画以上に情報を伝えられ、ユーザーの記憶に残せる

メリットの一つ目は画像やテキストに比べて多くの情報を伝えやすいという点です。動画での広告はスキップできない場合は少なくとも5秒は視聴者の目に止まります。テキストだと、情報量が多ければ多いほど読むのに時間がかかり、5秒だけで伝えられる文字は限界があります。
一方で、動画の場合は伝えたいことに動きやメリハリをつけることができ、ユーザーを広告に引き込みやすいのです。テンポの速さなどを工夫した動画であればユーザーも短時間で視聴できるため、飽きにくく、多くの情報を適切に伝えられます。

拡散効果を見込めるプロモーションができる

多くののユーザーに対しての見てもらえるため、プロモーション効果があるということです。
これからは「5G(動画)の時代」の到来と言われているほど、ますます動画の需要が高くなってきています。ここ最近ではテレビ番組の広告収入よりも、YouTubeやその他の動画サービスの広告収入が高くなるとも言われています。
理由としては、若者の「テレビ離れ」が考えられます。その影響により、動画の需要が今後さらに高くなります。
また、YouTubeなどの動画プラットフォームで配信する広告では、ユーザーが気にある商品や使いたいサービスと思ってくれれば、ワンクリックで簡単に利用できるので、コンバージョンにも繋がりやすいです。
さらに、サービス認知から販売まで一貫して対応ができるので動画広告をうまく運用すれば、売上の向上につながりやすいでしょう。
また、TwitterやFacebookなどSNSで掲載されている広告動画はユーザーに好感を持ってもらえると拡散効果に期待ができる特徴があります。
ユーモアのある面白い動画や、インパクトや共感性が高い動画など、ユーザーへの訴求性が高く、斬新な動画制作ができれば、国内だけでなく世界的に注目を集めることもできます。

関連記事:コロナ禍で「テレビ離れ」に変化?YouTubeやNetflixなど動画配信とテレビ視聴数の実態

コストが抑えられる

最後に、3つ目は動画広告の運用にかかる単価が安いという点です。例えば、YouTubeでのインストリーム動画広告を運用した場合には、視聴者が30秒以上広告を再生しなければ、費用は発生しない料金体系もあります

仮に、費用が発生したとしても1再生3円~20円程度と比較的安価です。安価な費用で始められるので、利用したことない人もお試しで動画広告を運用できますし、実際に始めてみることが大切になります。費用については、動画広告の課金形態で後述します。

動画広告の運用注意点とは?

動画広告を運用上で注意しておきたい点が2つあります。

ターゲティングをする

誰に向けての動画広告なのかを明確にしていないと、コンバージョンされにくくわかりにくい広告になってしまいます。
誰に勧めたいのかなどターゲットをしっかりと定め、自社の商品やサービスの対象となる人に向けた動画を制作しなければ、コンバージョンにつながりません。
自社の商品やサービスにマッチするユーザーを動画制作する前に明確にして、ターゲティングを慎重に設定しましょう。そのうえで動画制作に取り組むということを心得ておきましょう。

まずは動画をあげて品質を上げていくことが必要

「まずは動画をあげてみる」ということが重要になってきます。動画広告を運用していくにあたって、見てもらうためにクオリティの高い動画を制作する必要があります。動画広告の運用にかかる費用の費用の内訳は動画の製作費になることが大半です。
自社で動画を制作できればその分費用を安く抑えることはできますが、構成やメッセージのわかりにくい低品質な動画は、たとえ運用を始めたとしても視聴者数は伸びませんし、当然コンバージョンに至るまでも難しくなります。
ですので、まずは動画を制作したら可能な限り高品質で見やすい動画を制作するように意識しましょう。ターゲットと設定したユーザーの興味関心をひく、スキップされない動画を目指す必要があります。

関連記事:9割以上が動画広告を途中でスキップ。良い印象を与える動画広告の4つのポイントが明らかに(ネオマーケティング調べ)

日本の動画広告は海外にくらべて遅れている!?

一般的にWebマーケティングの業界では、アメリカでの流行りが2~3年遅れ日本で流行り始めると言われていますが、動画広告に関しては5年以上も遅れて、最近になってようやく普及してきた印象だといえます。

まず、動画制作の課題として取り上げやすいのが動画制作に関するコストとリソース面(広告主側)です。当然、動画コンテンツを制作するためにはコストも時間もかかります。大手企業でTVCMを制作した経験者がいるなら別ですが、リスティングやバナー広告の経験のみで、制作のノウハウがない中小企業が動画広告に取り掛かるには、配信する前に制作しなければいけない大きな壁があります。

また、大手企業だとしても日本独特の著作権構造が複雑なため、TVCMで利用してきたコンテンツをそのままWebで利用することが難しいなどの問題も発生しました。今では少しずつではありますが、コンテンツ配信に関する改善の兆しが見えてきてはいます。
次に、広告主が動画広告の効果を把握しきれず、他のWeb広告と同じだろうと位置付けていたことです。これは直接CVやCPAのみによる評価によることで、動画広告はブランディングを得意としており、従来のWeb広告とは位置づけが異なります。今までのWeb広告と土俵が違う動画広告の効果を正しく評価できなかったことや、広告主が納得できるブランディング指標を伝えることができなかった広告媒体社や広告代理店など販売サイドの課題だと考えます。

今後も伸び続ける「動画広告」の市場

今ではほとんどの人がスマートフォンを持ち、インターネットで情報にリーチすることができるため。気軽に動画を利用できる時代になりました。その時代背景により、動画広告の市場規模が急激に拡大しており、今後も加速されると想定されます。

株式会社サイバーエージェントが2020年12月に発表した調査結果によると、同年の動画広告市場は、前年比114%の2,954億円に達するとされています。さらに、今後の予測として2021年には3,889億円、2024年には6,856億円に増える見込みと報告されています。

また、この調査報告によると、動画広告市場全体における需要の大部分(89%)はスマートフォンが占めていることも示されています。2020年においてもスマートフォン動画広告は、前年比114.8%もの需要増が見込まれています。

急激に成長している動画広告市場はさらに成長していくことが予想されており、スマートフォン動画広告のみの市場規模は2024年時点で6,396億円にも達すると想定されます。ICTの成長と普及が一層加速していく中で、企業の広告・マーケティング分野において動画広告市場の情勢は、規模の拡大も見込まれており、ますます注目されていくでしょう。

関連記事:国内動画広告の市場規模、2020年は昨年対比114%の2,954億円となる見込み(株式会社サイバーエージェント・株式会社デジタルインフェクト調査)

動画広告の課金形態

動画広告の課金形態としては、「CPV」「CPM」「CPC」の3つが挙げられます。

1つ目のCPVは、1回の再生ごとに費用が発生する課金形態になります。掲載する媒体によって何秒見たら再生数としてカウントするなどの視聴時間の長さなどは異なります。基本的には、広告をスキップしたユーザーはカウントされないので、広告を見たユーザーに対して課金が発生しするので、費用対効果の高い形態となります。また、ユーザーが最後まで動画を再生した場合のみ課金される、「CPCV」という派生形態もあります。

2つ目のCPMは、1,000回広告が表示されるごとに課金が発生する課金形態です。形態の性質上、ユーザーがスキップした場合もカウントされるため、短い再生時間の動画広告との相性が良いでしょう。コンバージョンよりも認知を目的として多くの人に広告を見てもらいたい場合に合った課金形態ですが、デメリットして広告効果の正確な評価がしにくいという点があります。

3つ目のCPCは、1回クリックごとに課金が発生する課金形態です。CPCは入札制で、広告と紐づけるキーワードや検索ボリュームによって、クリック単価を決定します。そのため、競合の多い設定で掲載しようとすると、単価が高くなってしまうため、なるべく競合と重ならない適切なキーワード設定が必要です。メリットとしては広告の効果を把握しやすいため、SNS広告やバナー広告などに適しています。

YouTube 動画広告を活用する

YouTube の月間利用者数は6,500万人以上といわれており(2020年9月時点)、特に18歳-19歳の使用率は90%以上とその年齢層は多くの人から支持されてます。
若年層だけでなく、18~64歳のインターネット利用者における YouTube 利用率は82%にのぼり、幅広い世代に自社のサービスや商品を宣伝するにはYouTube 広告を利用してリーチすることができます
YouTube 広告はニーズに合った広告メニューが多数あるほかに、エリアやオンラインでの興味・関心や行動傾向に沿ってターゲティングをすることができます。
実際に40%近いユーザーが YouTube で見つけた商品を購入した経験があり、55%のユーザーが商品を知った後にさらに商品について知りたいと思って YouTube に再び訪れるというデータもあります。
ユーザーの購買意欲にあわせてどういったアプローチをするかがポイントとなっています。

《YouTube で動画広告を配信するメリット》
①成果を測定できる
②適切なユーザーにリーチができる
③動き・音のある広告を出稿できる

動画広告の代名詞 YouTube 広告ですが、まだまだ馴染みが薄いのが正直なところです。自社の目標とあえば使用しても良いかと思います。

関連記事:YouTube広告の特徴とは?押さえておきたい動画広告のポイントや課金の種類を解説

ただし、動画広告のために一から動画の撮影や編集を始めるとなるとトータルコストを考えた時にあまりオススメできないのが実際のところです。なので、現在動画作成の素材となるものが手元にあり、検索広告やディスプレイ広告などを運用していても、予算的に余裕があったり、新しいことにチャレンジしてみたかったりする場合は是非ともご検討していただきたく思います。

まとめ

本記事では動画広告の種類、特徴、メリットや注意点を紹介してきました。成長が見込まれる動画広告を有効活用することで、企業の認知や売上の向上に貢献できる広告手法です。
目的を明確にして動画広告のそれぞれの特徴を活かして、自社のサービスや商品のマッチする運用方法を選びましょう。その際には、運用時の注意点に気をつけてください。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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