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マーケティングにおけるプロダクト広報とは

2021.5.31
読了まで約 4

見込み顧客が課題を認識し、製品・サービスの利用を検討し始めた際に、担当者の頭のなかに自社や製品・サービスの名前が候補として挙がることは非常に重要です。また、責任者や決裁者が知っていたら、その稟議はスムーズに進むことも期待できます。
広報のなかで、自社が提供する製品・サービスの焦点にあてた情報発信のことをプロダクト広報と言います。マーケティングにおいては、製品・サービスの認知拡大、信頼感の醸成において有効な施策です。
今回はプロダクト広報について、具体的な取り組み内容を紹介します。

プロダクト広報とは

広報は企業主体の情報発信となる広告宣伝や販促活動とは異なります。広報は会社や製品・サービスの認知拡大やステークホルダーとの関係構築を目的に行われます。
アプローチ先は顧客ではなく、主にメディアとなり、メディア読者視点での情報発信となります。第3者であるメディアからの発信により、ターゲットの認知と態度変容を目指していきます。
広報には大きく3種類あります。会社全体をPRする会社広報、採用を目的とした採用広報、顧客拡大を目的としたプロダクト広報の3つです。会社広報は、株主や求職者、顧客を含め会社に関連するすべてのステークホルダーに向けて会社をPRします。
採用広報は、求職者(中途・新卒)に向けて、働く社員の様子や、福利厚生や人事制度などの情報を発信します。採用広報に関する情報はこちらがおすすめです。

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プロダクト広報は、会社が提供する製品・サービスに関する情報を見込み顧客に向けて発信します。具体的には、導入企業数や導入企業の紹介、新機能リリースやサービス連携、アワードの受賞などが挙げられます。
 
近年はSNSの普及により、ユーザー顧客みずから情報を発信できるようになり、メディア以外からのユーザー顧客の発信もより影響力のあるものになっています。企業の中には、コミュニティを作り、ユーザー顧客同士の交流や発信を活性化し、より発信力の強い広報活動をしている企業もあります。

関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

 

マーケティングにおけるプロダクト広報

マーケティングにおいて見込み顧客の認知を獲得していることは非常に重要な要素となります。しかし、認知を得ているかの効果を図ることは難しく、その取り組み自体も費用対効果の判断が難しいため、広告宣伝や販促活動と切り離すケースも少なくありません。
マーケティングにおいてプロダクト広報は、見込み顧客の認知拡大、および、信頼感の醸成による行動変容(問い合わせへのアクション)が期待できます。また、マーケティングファネルにおいて、潜在層から顕在層まで広くアプローチできます。
費用対効果を示していくのが難しい取り組みですが、戦略的に取り組み成功している企業もあります。プロダクト広報を戦略的に取り組んでいくことがその後のマーケティング活動の成功要因になりうることは間違いないでしょう。

プロダクト広報の取り組み

プロダクト広報の取り組みとして、大きく2つに分かれます。

①目的の明確化、KPI・ターゲット設定

まず、プロダクト広報の目的の明確化と、目標KPI、そしてターゲットを設定します。目的は見込み顧客の認知拡大と信頼感の醸成です。
KPIは取り組みはじめの段階は、メディア担当者との接触数や獲得した連絡先の数、プレスリリース発信数などのアクション数で設定すると良いでしょう。まずは、メディア担当者との関係構築とプレスリリースの情報の確保を行います。
また、メディア担当者との関係性や定期的なプレスリリースの配信が可能になったら、メディアへの掲載本数や、掲載された内容での定性的な評価に変えて、質を担保していきます。
ターゲットは製品・サービスのペルソナや、取引実績の顧客から整理し、ターゲットが読んでいるメディアをリストアップし、メディア研究も行います。
具体的には、メディアの記事を読んだり、媒体資料を取り寄せユーザー属性を確認します。雑誌であれば、バックナンバーの表紙を過去1~2年確認し、どの特集が取り上げられているかをチェックします。その後のプレスリリースの配信に活用していきます。

②個別タスクの実践・PDCA

①で設定された目的・KPI・ターゲットをもとに、タスクへ落とし込みます。その後タスクの実践と進捗管理、そして、効果測定を行います。得られた効果から分析し、次へのアクションに反映させながら、PDCAを回していきます。

・メディア担当者と関係構築
①でリストアップされたメディアの担当者と接点を持ち、関係構築を図ります。
メディアにメールを送付するなどして、メディアの編集長や記者と接点を持ちます。そして、メディアの担当者からどのような情報を求めているかヒアリングをしたり、定期的に業界の情報をメールするなどして関係構築を図ります。

・プレスリリースの情報を探す
開発やセールスなど製品・サービスと関係する部署と積極的にコミュニケーションを取り、プレスリリースの情報を探します。開発であれば、新機能や外部サービスとの連携、セールスであれば、導入社数や導入企業の事例紹介がプレスリリースの情報となります。

また、マーケティングでも調査の公表やイベント開催があれば、プレスリリースの情報となります。

・プレスリリースの作成
プロダクト広報に限らず広報として、メディア担当者が分かりやすく、取り上げたくなるように作成することが重要です。
WEBメディアへの掲載やSNSでの発信を想定し、素材画像を用意しておきます。

・メディアへ働きかけ
プレスリリースを作成したら、メディアへ連絡します。この場合、プレスリリースの重要度によって連絡方法を分けます。企業として重要な情報であれば、メディアの担当者へ直接メール・電話をするなどして、取り上げてもらえるように働きかけます。企業としてそこまで重要生が高くない情報であれば、メディアのプレスリリース窓口へ投稿します。

プロダクト広報ハック

①プレスリリースをパターン化

プレスリリースの発信内容が多くなってきたら、その内容をパターン化し、ベースとなるテキストをストックしておきます。
いざ発信する際には、短時間で用意できるため工数が削減でき、効率的にプレスリリースを発信できるようになります。
SaaSサービスであれば、導入企業数や導入企業の事例紹介、新機能のリリースやサービス連携、アワードなど、パターン化できます。

②掲載内容をコンテンツ活用

メディアに取り上げられたら、その内容をコンテンツとして積極的に活用します。自社ホームページやサービスサイトに掲載し、SNSで掲載します。また、ハウスリストにもメルマガで配信していきます。
さらに、営業資料やパンフレットにもメディア実績として紹介できますし、社内の広報活動にも活用できます。

まとめ

・プロダクト広報は、会社が提供する製品・サービスについて、見込み顧客に向けて情報発信をする
・プロダクト広報を戦略的に取り組むことがその後のマーケティング活動の成功に導く
・プロダクト広報の取り組みとして、①目的の明確化、KPI・ターゲット設定 ②個別タスクの実践・PDCAがある
・プレスリリースの発信内容が多くなってきたら、その内容をパターン化し、ベースとなるテキストをストックしておくことで、工数削減が可能

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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