WEBサイトの改善にアクセス解析は必要不可欠です。アクセス解析でよく使われるGoogleアナリティクスは、アクセス数やCV数、滞在時間、離脱率などの定量的な数値は明らかになりますが、ユーザーがWEBサイトのページ上でどのように行動しているのかまでは分かりません。
ユーザーのWEBサイトにおけるページ上での行動を定性的に可視化しUX/UI視点からも具体的に改善を進めることができるツールにヒートマップがあります。今回は、ヒートマップを活用したWEBサイトの改善について紹介します。
ヒートマップ以外のWEBサイト解析の手法についてはこちらがおすすめです。
web分析のアプローチ方法によって結果は変えられる | MarkeTRUNK
目次
ヒートマップとは
ヒートマップとは、WEBサイト内でユーザーがどのコンテンツを見ているのか、どこをクリックしているのか、どこで離脱しているのか、などのアクションを色で可視化したアクセス解析ツールです。
ヒートマップは人間の体温を視覚的に見ることができるサーモグラフィに例えると、アクションが集中している部分は温度が高くなるように、アクションが集中していない部分は温度が低くなるように見えます。
ヒートマップに反映されるアクションはカーソルの動きです。カーソルのログからヒートマップを反映しています。そのために、ヒートマップを見るためにはWEBサイト内にツール指定のタグを設置する必要があります。
ヒートマップで分かること
ヒートマップから下記の4つのことが分かります。
①スクロール
WEBサイトに訪れたユーザーがそのページ上でファーストビューからどこまで読んで、どこで離脱したのか明らかになります。具体的にはファーストビューを100%とし、その場所まで何%のユーザーが残っているか表示されます。
ページ途中での離脱率を計測することで、ユーザーがそのページをアクセスした際に求めていたコンテンツであったかどうか、把握することができます。
②アテンション
ユーザーがページ上でどの部分をよく読んでいるのか分かります。具体的にはスクロールを止めて滞在している時間を計測し、色を分けて可視化しています。赤色の部分はよく読まれており、黄から緑、緑から青になればなるほど、読まれていないことになります。
ユーザーがよく読んでいる部分はユーザーが求めている情報であり、逆にあまり読まれていない部分はユーザーが求めていない情報であることが把握できます。
③クリック
ユーザーがページ上でどこをクリックしているのか分かります。②のアテンションと同様に、クリックの場所を計測し、よくクリックされていると赤色で表示され、そこからクリックの度合いで、黄から緑、緑から青で表示されます。
クリックされている、あるいはクリックされていない場所と、CTAボタンではないのにクリックされているといった「誤クリック」の有無を把握できます。
④マウスムーブ
マウス(カーソル)がどのように動いているのか、分かります。カーソルの動きはユーザーの視線と一致すると言われています。ユーザーの視線がどのように動いているのか、把握することができます。
ヒートマップを活用したWEBサイト改善
ヒートマップを活用してどのようにWEBサイトの改善を行っていくのか紹介します。
①トップページのファーストビュー
ヒートマップを活用した効果的なWEBサイト改善はトップページのファーストビューが非常に効果的です。ファーストビューには、キャッチコピー・CTAボタン・実績(エビデンス)・サービスのUIの設置といった様々な要素を検討しなければなりません。
例えば、キャッチコピーがユーザーに刺さっているかどうか、ヒートマップで測定できます。具体的には、キャッチコピーを読んだ後にユーザーがスクロールをしたのか、離脱してしまったのかを見ます。キャッチコピーのみを変えて、ファーストビュー直後の離脱率の変化を見ることで効果改善をしていきます。
また、CTAボタンであれば、CTAの種類、テキスト、設置場所、デザインを変更し、クリックの色の変化を見ることで効果改善をしていきます。
実績(エビデンス)やサービスUIの有無についても検討しながら、離脱率やクリック数を改善していきます。
②よく見られているコンテンツ
アテンションでよく見られているコンテンツがページの下にある場合、ページの上に持っていくと良いでしょう。離脱率の高いページ下の場所から、多くのユーザーに読まれやすい上の部分に変更することで、より多くのユーザーがそのコンテンツを読むようになります。ユーザーは求めているコンテンツを見ることができ、結果的にはユーザーの離脱を防止しCVRの改善が期待できるでしょう。
③コンバージョンページ
お問い合わせや資料ダウンロードなどのコンバージョンページでのCVRの改善にも有効です。例えば、ページ遷移後にフォームが映っていない場合、到達できていない場合、フォームをファーストビューにあげるのも有効です。
④セグメントでの分析
一定のセグメントに分けて分析することが可能であれば、セグメントごとの分析結果から効果改善を図ると効果的です。
・CVユーザー/非CVユーザーでの分析
・新規ユーザー/リピーターでの分析
例えば、上記のようにセグメントをし、コンテンツやCTAボタンを改善していきます。
無料ヒートマップツール
ヒートマップツールには無料で利用できるものもあります。まずは、無料で活用してみて、サイト改善に取り組むところから始めましょう。
①User Heat
月間30万PVまで無料で利用でき、分析に必要な十分なPVがあれば「熟読エリア」「終了エリア」「クリックエリア」「マウスムーブ」「離脱エリア」の5つが見ることができます。1ページではなく、サイト内の複数のページを見られるので、各ページの分析が可能です。また、タグマネージャーでの埋め込みができ、簡単にはじめることができます。しかし、分析には期間を限定することができないので、サイト改善後の分析が困難な点があります。
User Heat https://userheat.com/
②Ptengine
月間3,000PVまでは無料で利用できます。アクセス解析ツール機能とヒートマップ機能があり、定量的・定性的な分析を同時にすることができます。無料プランではヒートマップはサイト内の1ページのみしか見られないため、トップページの分析から始める際にはおすすめです。
Ptengine https://www.ptengine.jp/
③SiTest
月間30,000PVまでは無料で利用でき、2つのドメインを登録できます。また、ユーザーの行動に合わせてセグメント化したヒートマップ解析が可能です。
SiTest https://sitest.jp/
まとめ
・ヒートマップとは、WEBサイト内におけるユーザーのアクションを色で可視化したアクセス解析ツール
・ヒートマップでは、ページ上のどこまで見ているのか(スクロール)、どこをクリックしているか(クリック)、どこをよく見ているのか(アテンション)、どのように見ているのか(マウスムーブ)の4つが分かる
・ヒートマップを活用して、ファーストビューを改善する際には、キャッチコピーだけを変えてスクロール離脱率の変化を見る、CTAの種類、テキスト、設置場所、デザインを変えてクリックの色の変化を見ながら、効果改善をする
・ヒートマップツールには無料で利用できるものもあり、まずは、無料で活用してみて、サイト改善に取り組むのがおすすめ