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Cookieからの脱却を進めるGoogle広告を支える技術とは?

2021.3.30
読了まで約 3

オンライン広告のプライバシー問題が世界中で注目されるなか、Googleは自社ブラウザ「Chrome」におけるサードパーティCookieのサポートを段階的に廃止すると発表しました。そこでGoogleが新たに提案したのが、インタレストベース広告向けのプライバシーサンドボックス技術、通称「FLoC」です。

プライバシーサンドボックスとは、プライバシーを保持しながらユーザーに適切な広告を配信する構想です。Googleが提案する新技術は、サードパーティCookieの代替として有効なのでしょうか。

この記事では、Cookieに代わりGoogle広告を支える新たな技術をご紹介します。

参考:Google社 『プライバシーを優先したオンライン広告の未来にむけて』

Googleは2020年1月、ChromeにおけるサードパーティCookieのサポートを2022年までに段階的に廃止する計画を発表しました。サードパーティCookieとは、ユーザーがアクセスしたサイトではない別のドメインから発行されるCookieです。

サイトの閲覧履歴を保持するサードパーティCookieがあれば、ユーザーと関連性のある広告を表示することができます。しかし、ウェブ上での行動履歴がユーザーの知らないところで集められてしまうため、プライバシー問題の観点から規制の動きが広がっています。

Cookie規制の波を受けてGoogleが進めているのが、ユーザーのプライバシーを担保しながらサードパーティCookieに代わる効果的な技術です。Googleは、インタレストベース広告向けのプライバシーサンドボックス技術「FLoC」が、Cookieベースのアプローチとほぼ同等の効果を示したと発表しました。

ここからは、Googleの新しい広告API「FLoC」とユーザープライバシーを守る対策について解説していきます。

(※)API:「Application Programming Interface」の頭文字。ソフトウェアの機能を外部からも共有できるようにした仕組みのこと。

Google広告を支える新たな技術「FLoC」とは

Googleが新たに提案する技術「FLoC」は、「Federated Learning of Cohorts(コホートの連合学習)」の頭文字をとっています。簡単に言うと、機械学習によって生成された同じ属性を持つユーザーグループのことです。この技術があれば、広告主はサードパーティCookieを使わなくてもユーザーのターゲティングができるようになります。

FLoCとは、興味や関心が似ているユーザーを大規模な集団にグループ分けし、そのグループに対して関連性の高い広告を配信する仕組みです。Googleは、個人を「群衆の中」に隠し、さらに端末内でのみ処理することで個々のウェブ履歴を保護すると説明しています。情報を集める対象を「ユーザー個人」から「似たような関心を持つグループ」に変えることで、個々の特定ができなくなりユーザーのプライバシーが守られるということです。

Googleが実施したFLoC技術の検証によると、広告主は「Cookieベース広告と比べて投資1ドルあたりのコンバージョン率95%以上」が見込めることがわかり、GoogleはCookieの代替としてFLoCが効果的な技術であることを強調しました。今後はGoogle広告でFLoCベースのグループ検証を始め、広告主は新しい技術を試す機会が増えていくとしています。

参考:Google社 『プライバシーを優先したオンライン広告の未来にむけて』

不透明な技術からユーザーのプライバシーを守る

ユーザーのプライバシーを脅かす不透明な技術のひとつに「フィンガープリント」があります。フィンガープリントとはCookieを使わずにブラウザを特定する方法であり、Cookie脱却の流れから注目が高まっています。

Googleによると、プライバシーサンドボックスの重大な目的は、ユーザーからは見えないところで使われる不透明な技術から個々のプライバシーを守る技術を開発することです。フィンガープリント防止対策として、ChromeはウェブサイトのホストからIPアドレスを隠す「Gnatcatcher」を公開しました。ただし、不正利用の防止といった正当な目的があってIPアドレスへアクセスする必要がある場合は、認証・審査を実施したうえでアクセスを保証するとしています。

フィンガープリントがCookieの代替方法として注目されるようになったことで、Google「Chrome」やApple「Safari」などの各ブラウザは、Cookie排除の動きと並行しフィンガープリントの対策強化も進めています。誰もが安心してウェブサイトを閲覧できるよう、さまざまな方法でプライバシーを守る動きがおこなわれているのです。

参考:Google社 『プライバシーサンドボックスの取り組みに関する最新の進捗状況』

まとめ

◆Googleは自社ブラウザ「Chrome」におけるサードパーティCookieのサポートを2022年までに段階的に廃止する計画を発表し、ユーザーのプライバシーを担保しながらCookieに代わる効果的な技術の開発を進めている。

◆Googleが新たに提案する「FLoC」は、インタレストベース広告向けのプライバシーサンドボックス技術である。Googleの検証によると、FLoCはCookieベースのアプローチとほぼ同等の効果を示した。

◆フィンガープリントがCookieの代替方法として注目されるようになり、各ブラウザはCookieに加えフィンガープリント防止の対策も強化している。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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