芸能人や著名人を起用して、自社のサービスや製品の広告を行う「インフルエンサーマーケティング」。近年は、SNSやブログで多くのフォロワーがいる一般人が、企業のサービス・製品を紹介して、その知名度を上げるという活動が増えている。
経済効果が高く、注目の市場といわれるインフルエンサーマーケティングには、どのくらいの費用がかかり、どの程度の効果があるのか。Webで行う広告にかかる費用の目安と比較・解説する。
インフルエンサーマーケティングとは何か?
インフルエンサーマーケティングの「インフルエンサー」とは、日本語に訳すと影響者という意味を持つ単語である。企業の利益を上げるために、一般消費者の購買行動に影響を与える存在である。近年では主にInstagramやTwitter、Facebookなどで、自身が抱えるフォロワーなどに向け、PRを行っていることが多いだろう。
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なぜインフルエンサーマーケティングなのか?費用は?
企業が行うさまざまなマーケティングの中でも、インフルエンサーマーケティングを重視し、取り入れたい理由には、「SNS上の消費者が身近でリアルに感じることができる存在であること」「広告の出稿と比較すると費用を抑えられること」が挙げられる。
ネットでなかなか検索数が上がらない企業や新商品・サービス、ブランド名を多くの人に訴求したいと願う企業、また、長期的な自社のファンづくりのためにSNSでターゲットを獲得したい企業などは、フォロワー向けて魅力的なPRが行える、インフルエンサーの起用を考えるとよいだろう。
費用の相場は、フォロワー1人につき3円から5円といわれている。例えば、フォロワーが10万人いるインフルエンサーはフォロワー1人につき3円。フォロワーが100万人ならフォロワー1人につき5円、というように、影響力がどのくらいあるかによって、費用も上下すると考えてよいだろう。
インフルエンサーがSNSで自社の情報を拡散したときに、どれだけの波及効果があるのかがポイントだ。
ナノインフルエンサー(1000人以上のフォロワーがいる)よりもマイクロインフルエンサー(フォロワーが1万人以上いる)。マイクロインフルエンサーよりもミドルインフルエンサー(フォロワーが10万人以上いる)やメガインフルエンサー(フォロワーが100万人以上いる)というように、数字が大きくなればなるほど、その影響力が増し、波及効果も高いといえるだろう。
web広告と比較
費用対効果を考える上で、Web広告と比べてどちらが安価で影響が大きいのか、分析することは大切だ。基本的には広告にかかる費用を抑えられるといわれるインフルエンサーマーケティングだが、Webでの広告にはどのくらいの費用が必要になるのか。検証結果を以下にまとめた。
●期間契約型(特定の枠に掲載/期間ごとの課金)
費用は数十万円の枠から数千万円の枠まで。メディアとのタイアップである記事広告や媒体の枠に掲載する純広告がある。
●インプレッション課金型(表示されるごとに課金)
100回の表示で数十円から数百円ほど。リターゲティング広告(一度自社サイトに訪れたユーザーに再訪問を促す)やアドネットワーク(複数の媒体を集めてそれらにまとめて配信)、Facebook広告などが対象である。
●ワンクリック課金型(クリック回数による課金)
1クリック十数円から数百円前後。キーワード検索に連動するリスティング広告、アドネットワーク、SNS、リターゲティング広告が対象となる。
●成果報酬型(広告による成果があった場合に課金)
100円前後から数万円まで。アフィリエイト広告が対象でASP(インターネット上のサービス提供業者)への初期費用・月額固定費・手数料などが必要となる。
●エンゲージメント課金型(各ユーザーがクリック、シェア、フォローをすると課金)
1円から数百円が相場。LINE@では月額無料のプランから21600円まで。アドネットワークやSNS広告が対象となる。
この他にも、Web広告にはさまざまな料金プランが存在するが、インフルエンサーの相場となる「1人につき3円から5円」という設定と比較すると、やはり高価格であるといえるだろう。
まとめ
インフルエンサーを活用したマーケティングには、消費者から「身近でリアル」に感じられる特性があり、企業の商品やサービスの訴求に大きな期待が持てる手法である。
知名度高め、ビジネス成長を促進するためには、自社のニーズにフィットするインフルエンサーに、魅力的な発信を行ってもらうことがポイントだ。