モバイル広告効果計測プラットフォームとマーケティングアナリティクスを提供するAppsFlyer Japanは、保有する2,000以上のアプリデータおよび2020年1月~11月の期間における約8億件のアプリインストールデータをもとに作成した2020年における世界のモバイルアプリのアンインストールに関するレポートを発表した。
参照元:
・2020年版アプリ業界におけるアンインストール率のベンチマーク調査
・世界の50%以上のアプリが30日以内にアンインストールされていると判明 AppsFlyer、2020年のアプリアンインストールに関するレポートを発表
・アンインストールの脅威とその対策 2020年版アンインストール率のベンチマーク
2020年1月と3月以降でアプリのアンインストール率が急上昇
本調査によると、インストール後30日以内のアプリのアンインストール率は、2019年11月までは50%に満たなかったものの、2019年12月以降は2020年2月を除いて50%以上となっている。中でも、2020年の1月と3月にアンインストール率が著しく上昇している点は注目に値する。
AppsFlyer Japanは、1月には新年および長期休暇明けという2つの要因によって新しいアクティベーションが起こり、3月以降は新型コロナウイルス感染症の流行による在宅時間の増加およびモバイル接触時間の増加、さらにはゲーム業界のマーケターがユーザー獲得キャンペーンを積極的に実施したことにより、インストールアクティビティが増加すると同時に、アンインストール数も増加したと分析している。
参照元:
・2020年版アプリ業界におけるアンインストール率のベンチマーク調査
・世界の50%以上のアプリが30日以内にアンインストールされていると判明 AppsFlyer、2020年のアプリアンインストールに関するレポートを発表
・アンインストールの脅威とその対策 2020年版アンインストール率のベンチマーク
ユーザーの心をつかむ上で最も重要なタイミングはインストール後「24時間」
2020年10月におけるインストール後30日間のアプリの累計アンインストール率は、インストール後24時間で40%を超える結果となった。以降、2日で50%、3日で60%を超えた後は、7日で70%、10日で80%、18日で90%に達しており、徐々にアンインストール率の伸びがゆるやかになっている。
なお、どのカテゴリーにおいてもインストール後30日間の累計アンインストール率の推移は同様の傾向を示していたが、ソーシャルアプリとファイナンスアプリのインストール後24時間のアンインストール率は他のカテゴリーの平均と比べると35%高くなっていた。
AppsFlyer Japanは、アプリの選択肢がありふれる今では、代わりがいくらでも見つかるため、アプリを完璧なクオリティに仕上げ、かつスピード感をもってサービスを提供しない限りすぐに削除されてしまうと分析している。
参照元:
・2020年版アプリ業界におけるアンインストール率のベンチマーク調査
・世界の50%以上のアプリが30日以内にアンインストールされていると判明 AppsFlyer、2020年のアプリアンインストールに関するレポートを発表
・アンインストールの脅威とその対策 2020年版アンインストール率のベンチマーク
アンインストール率が最も高かったアプリのジャンルは「ゲーム」
インストール後30日以内のアンインストール率が最も高かったアプリのジャンルは、59%の「ゲーム」だった。以下、58%の「SNS」、49%の「教育」が続いている。
AppsFlyer Japanはゲームアプリのアンインストール率の高さについて、プレイするゲームを頻繁に変えたり、お試し感覚でゲームアプリをインストールしたりするユーザーの性質に起因すると分析している。
また、AppsFlyer Japanはスマートフォンのストレージ容量が限界を迎えた際、ユーザーはプライベート写真や他カテゴリーのアプリよりもゲームアプリを優先的にアンインストールする傾向にあるとしている。
一方、「フード&ドリンク」は28%、「ショッピング」は31%、「ライフスタイル」は35%と、インストール後30日以内のアンインストール率が比較的低かった。AppsFlyer Japanはこれらの3ジャンルはブランド認知度が高いだけでユーザーとのつながりを築きやすく、長期間使い続けてもらえるため、結果的にアンインストール率が低くなると分析している。
参照元:
・2020年版アプリ業界におけるアンインストール率のベンチマーク調査
・世界の50%以上のアプリが30日以内にアンインストールされていると判明 AppsFlyer、2020年のアプリアンインストールに関するレポートを発表
・アンインストールの脅威とその対策 2020年版アンインストール率のベンチマーク
Androidのアンインストール率はiOSの2倍
Androidのアンインストール率は、iOSの2倍だった。トップ市場13か国のアンインストール率はいずれもAndroidがiOSを上回る結果となったが、特に、インドネシア、韓国、ドイツの3か国では、両者間の差が大きかった。
AppsFlyer Japanは、Androidのアンインストール率がiOSを上回る要因について、一般的なAndroidの端末はメモリの容量が少ないこと、iOSと比べると動作の安定性や接続環境などのクオリティが劣ることを挙げている。
参照元:
・2020年版アプリ業界におけるアンインストール率のベンチマーク調査
・世界の50%以上のアプリが30日以内にアンインストールされていると判明 AppsFlyer、2020年のアプリアンインストールに関するレポートを発表
・アンインストールの脅威とその対策 2020年版アンインストール率のベンチマーク
アンインストールは広告費をはじめとするマーケティング予算の損失につながる
2020年9月から11月にかけてのアプリのマーケティング予算の月間平均損失額は約600万円で、2019年と比べると約7割増加していた。
中でも、「ショッピング」「フード&ドリンク」「SNS」の3ジャンルは1インストールあたりのコストが上昇し、他ジャンルと比べて損失額が大きくなっていた。特に、「ショッピング」の1アプリあたりの平均アンインストール数は31%、1インストールあたりのコストは35%増加していた。
AppsFlyer Japanは、 まだアンインストールを計測していない、または最適化をはかっていないアプリマーケターは、この数字が意味するところを深刻に受け止める必要があると警鐘を鳴らしている。また、広告主は「アンインストール」という1つの指標の重要性を再確認し、適切な広告予算の投下および経営資源の配分を行って消費者が求めるものを押さえる必要があると述べている。
参照元:
・2020年版アプリ業界におけるアンインストール率のベンチマーク調査
・世界の50%以上のアプリが30日以内にアンインストールされていると判明 AppsFlyer、2020年のアプリアンインストールに関するレポートを発表
・アンインストールの脅威とその対策 2020年版アンインストール率のベンチマーク