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Googleが解説! アプリ広告の要素分解によるクリエイティブ改善

2021.3.19
読了まで約 3

スマートフォンの普及にともないスマホアプリ市場が活性化する中、新たなモバイルユーザーの獲得にはその場ですぐにアプリをダウンロードできるような動画広告の展開が必要です。Googleはこれを「ダウンロード促進のための広告手法」といい、アプリのリリースにともなうユーザーの獲得は各企業にとって大きな戦略テーマとなっています。

この記事では、Googleが提供するアプリ広告の活用によってクリエティブを改善し、インストール率を向上させた企業の事例をご紹介します。

Googleのアプリ広告を効果的に運用するポイント

Google広告のひとつにアプリの宣伝を目的とした「アプリキャンペーン」があります。アプリキャンペーンは他のGoogle広告とは異なり、Googleのシステムによって自動的に作成されます。広告掲載のプロセスを合理化するアプリキャンペーンでは広告主が自分で広告を作成する必要がなく、簡単に自社アプリを宣伝できる仕組みです。

アプリ広告が掲載されるGoogleの主要サービスは次のとおりです。

・Google検索ネットワーク
・Google Play
・YouTube
・Googleディスプレイネットワーク
・Google検索のDiscover(英語版のAndroidのみで利用可能)

アプリキャンペーンでインストールを促すために、Googleは次の2点を広告運用におけるポイントとしてあげています。

1. 機械学習を進めるために「Googleが推奨する設定」でアプリキャンペーンを運用すること
2. 広告クリエイティブを最適化すること

アプリキャンペーンでは、アプリの新規ユーザーをできるだけ多く獲得するために、入札単価とターゲティング設定をGoogle広告が自動的に最適化します。さまざまなアセット(広告主が設定したデータ)の組み合わせで検証し成果の高い広告が高頻度で表示されるため、Googleが推奨する設定はなるべく変更せずに運用することが大切です。

また、広告クリエイティブ最適化のために、Googleが推奨するのはテキスト案4本以上、動画1つ以上の設定です。これらがあれば、画像とHTMLはなくてもよいとしています。

アプリの動画広告でクリエイティブを最適化した事例

スマートフォン向けゲームアプリを開発するフォワードワークスでは、プレイステーションの人気タイトルを完全な新作のスマホ用ゲーム「アークザラッドR」としてリリースしています。同社はこの新作ゲームをより多くのユーザーにインストールしてもらうために動画クリエイティブを改善し、YouTube広告に出稿することを決めました。

フォワードワークスとGoogleの分析チームがおこなったのは、クリエイティブを目視で要素ごとに分解し、それらがインストール率に及ぼす影響を分析することです。この分析の結果、アークザラッドRは「縦型フォーマット」や「限定特典」の要素を取り入れたクリエイティブによって、インストール率がさらに向上することが明らかになりました。

●クリエイティブの要素とインストール率の相互関係

さらに、要素分解によるデータ分析は、社内では効果的と見ていた「続編であることの訴求」や「キャラクターの訴求」といった要素がコンバージョンに影響しないことも教えてくれました。どのような要素がコンバージョンに影響するかわかったことで、フォワードワークスは既存のクリエイティブを改善し、コンバージョンに効果がある要素を盛り込むことができました。

改善した広告クリエイティブで大きな成果を実証

要素分解によって改善した広告クリエイティブを配信したところ、改善前のクリエイティブと比べてインストール獲得単価は21%減少し、インストール率は31%向上しました。フォワードワークスは今回の分析手法を活かし、他のスマホ用ゲームタイトルでも同様の施策をおこなっていく予定です。

また、今回は動画クリエイティブの要素ごとの分解を担当者による目視でおこなったため、工数がかかってしまったことを課題としてあげています。今後は効率的な分析のために、業界トップクラスの予測精度で画像から情報を引き出す「Vision API」の活用も検討しているそうです。

まとめ

◆Google広告のひとつ「アプリキャンペーン」は、Googleのシステムによって自動的に作成される広告掲載のプロセスを合理化した広告である。

◆アプリキャンペーンでインストールを促すためのポイントは次のとおり。

1. 機械学習を進めるために「Googleが推奨する設定」でアプリキャンペーンを運用すること
2. 広告クリエイティブを最適化すること

◆フォワードワークスは新作スマホ用ゲームのインストール率向上に向けて、Googleの分析チームとクリエイティブの要素分解をおこない、それらがインストール率に及ぼす影響を分析した。

◆改善した広告クリエイティブを配信したところ、改善前と比べインストール獲得単価は21%減少し、インストール率は31%向上するなど大きな効果が実証された。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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