freee株式会社、株式会社サイバーエージェント、サイボウズ株式会社は「Webアクセシビリティ」に関するアンケート調査の結果を2021年2月17日に発表した。調査期間は2020年9月24日~2020年9月26日。
Web関連企業従事者を対象に807人より回答を得た。この調査により、Webアクセシビリティの認識の実態が明らかになった。
参照元:freee・サイバーエージェント・サイボウズ、Webアクセシビリティに関する調査結果を公開
Webアクセシビリティの意味と重要性
Webアクセシビリティについて、本調査では「高齢者や障害者など年齢的・身体的条件にかかわらず、Webで提供されている情報にアクセスできること」と説明している。
「視覚障害者がWebサービスを利用する際に、音声のみでサービスを利用できるような操作性の充実」を例として挙げている。
具体的には、情報を伝えている画像に代替テキスト提供したり、リンクテキストをリンク先が分かる文言にしたり、画面の情報を音声で読み上げるスクリーンリーダーが読みやすいページ構成とすることだが、Webサイトとして基本的な取り組みで十分な範囲のものも含まれる。
Webアクセシビリティは「災害時の情報取得などを含めて、高齢者や障害者などが情報弱者となり、不利益や危険な状況に陥らないよう」その重要性が高まっているという。
Webアクセシビリティの認知度は7割。一方で、内容の理解は4割以下
引用元:freee・サイバーエージェント・サイボウズ、Webアクセシビリティに関する調査結果を公開
まず、Webアクセシビリティの認識状況について聞いたところ「内容を知っている」の38.0%と「聞いたことはあるが内容は知らない」の32.7%とあわせて、7割以上が聞いたことがあると分かった。
しかし、Webアクセシビリティの内容について知っているのは4割以下にとどまり、言葉として聞いたことがあるものの、十分に理解されていない状況が明らかになった。
半数以上が必要性を認識しつつも、Webアクセシビリティ向上の企業内の取り組みは2割
企業のWebアクセシビリティの取り組み状況はどうだろうか。
引用元:freee・サイバーエージェント・サイボウズ、Webアクセシビリティに関する調査結果を公開
次に企業内のWebアクセシビリティ向上に向けて活動している人・部署がいるか聞いたところ「存在する」が21.0%となった。「存在しない」が49.4%、「わからない」が29.6%だった。
引用元:freee・サイバーエージェント・サイボウズ、Webアクセシビリティに関する調査結果を公開
続いて、Webアクセシビリティの必要性について聞いたところ、「とても必要性だと思う」の21.0%と「どちらかといえば必要だと思う」の32.9%のあわせて、半数以上が必要と感じている結果となった。
半数以上が必要性を認識しつつも、Webアクセシビリティ向上の企業内の取り組みは2割にとどまっていることが明らかになった。
Webアクセシビリティの取り組み課題トップは人材・リソース不足
必要性を感じている一方で、企業内の取り組みの障壁になっているものはなんだろうか。
引用元:freee・サイバーエージェント・サイボウズ、Webアクセシビリティに関する調査結果を公開
Webアクセシビリティに取り組む際の課題について聞いたところ、「Webアクセシビリティについて知見がある人がいない/最適な人材がいない」が29.2%でトップとなった。次に「リソースが足りない」が27.0%となり、人材・リソース不足が課題となっていることが明らかになった。
ほかにも「何から手を付けたら良いかわからない」が24.2%、「ビジネス上のインパクトを示しづらい」が15.8%となり、ノウハウや戦略の策定において十分な情報がない点が課題として挙がった。
今回の調査により、Webアクセシビリティの認識や企業の取り組み課題が明らかとなった。この機会に、Webアクセシビリティについて理解を深め、自社で提供しているWebサービスが現状どれだけ取り組めているのか、確認するところから始めてみるのも良いかもしれない。