株式会社PLAN-Bは「Webマーケティング施策実施状況」に関する調査結果を2020 年12月23日に発表した。調査期間は2020年11月6日~11月13日。BtoB企業のマーケターを対象に225名より回答を得た。
この調査により、BtoBマーケティングの取り組み状況と運用体制による課題の傾向が明らかになった。
参照元:BtoB企業のマーケター225名にWebマーケティング実施状況を調査!BtoB企業の半数以上はオウンドメディアの運用を行っていると回答。
BtoBマーケティングの施策で最も取り組まれているのはSNS
BtoB企業のWebマーケティングにおける取り組み状況はどうだろうか。
まず、現在集客施策として行っている施策について聞いたところ、「インターネット広告」が45.8%、「オウンドメディア」が52.3%、「SNSアカウント」が67.0%という結果になった。 SNSが最も多く、7割近くの企業が取り組んでおり、続いてオウンドメディアも半数以上の企業が取り組んでいることが分かった。一方で、インターネット広告は半数を下回る結果となった。
関連記事
・BtoBマーケティングとは?基礎や戦略の立て方、13の手法、成功事例を解説
・BtoBとは?BtoBマーケティングの特徴、BtoCとの違いをわかりやすく解説
・マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説
・SNSマーケティングとは?成功事例や始め方のポイントを解説
インターネット広告の運用企業の半数以上がアウトソース
BtoBマーケティングの取り組み状況が明らかになったうえで、各施策の取り組み体制を見ていく。
まず、インターネット広告の運用をどのように行っているか聞いたところ、「社内で運用」が20.9%で最多。「部分的に外注」が20.4%、「完全に外注」が4.4%となった。
インターネット広告を運用している企業のうち「部分的に外注」と「完全に外注」を含めると、54%と半数以上の企業がアウトソースしていることが明らかになった。オウンドメディアとSNSを比較すると、アウトソースしている割合は最も高い。
アウトソースの有無によって、インターネット広告運用における課題にどのような影響があるだろうか。
インターネット広告運用において課題に感じることを聞いたところ、運用を完全にアウトソースしている企業は「CV数がのびない」の44.4%が最多。次に「成果を分析ができていない」が33.3%、「CPAが下がらない」が22.2%と続いた。
インハウス運用の企業は「CV数がのびない」の60.5%が最多で、次に「CPAが下がらない」が55.8%となった。運用を部分的にアウトソースしている企業も同様の順位となっている。完全または一部インハウス運用の企業は、特にCV数とCPAに課題を感じていることが分かった。
アウトソース運用の企業はインハウス運用の企業と同様に、CV数の伸びについて課題を持っているが、一方で、CPAについてはCV数の結果と20%以上の差があり、そこまで課題を感じていないことが明らかになった。
インターネット広告は専門的なスキルが必要とされる施策であり、専門的なスキルをもった企業に運用をアウトソースすることで、インターネット広告が適切に運用がされている結果がこの調査に表れていたと言える。
リスティング広告のインハウス化を検討する重要な4つのポイント | ProFutureマーケティングソリューション|MarkeTRUNK
オウンドメディアの運用課題はアウトソース運用の企業ほど強く感じる傾向
次にオウンドメディア運用の取り組み体制を見ていく。
オウンドメディアの運用をどのように行っているか聞いたところ、「社内で運用」が29.5%、「部分的に外注」が21.5%、「完全に外注」が1.3%となった。
オウンドメディアを運用している企業のうち、「部分的に外注」と「完全に外注」を含めると、43.5%の企業がアウトソースしていることが明らかになった。SNSとインターネット広告と比較すると、アウトソースしている割合が最も低い。
運用を完全にインハウスで実施するのと、部分的にもアウトソースを活用しているのでは、運用面の課題はどのような影響が出ているのだろうか。
オウンドメディア運用において課題に感じることを聞いたところ、インハウス運用の企業は「自然検索順位」が52.9%で最多。次に「セッション、PV数」「CV数が増えない」が同率で47.1%、「CVRが上がらない」40.0%と続いた。いずれも成果に対して課題を感じている結果となった。
また、部分的にアウトソース運用の企業は「セッション、PV数」が68.4%で最多となり、次に「自然検索」が63.2%と続いた。インハウス運用の企業と比較して10ポイント以上の差があり、課題を強く感じている傾向となった。
オウンドメディア運用は成果が出るまでに一定の期間が必要となるため、成果に対する課題を感じやすくなる。特に、部分的にアウトソース運用の企業は、少なからず費用を投じているため、その課題感がより強く表れる結果となった。
SNS運用の課題トップは「フォロワー数」「エンゲージメント」
最後にSNS運用の取り組み体制について見ていく。
SNSの運用をどのように行っているか聞いたところ、「社内で運用」が36.3%、「部分的に外注」が28.8%、「完全に外注」が1.9%となった。
SNSを運用している企業のうち「部分的に外注」と「完全に外注」を含めると、45.8%の企業がアウトソースしていることが明らかになった。
運用を完全にインハウスで実施するのと、部分的にもアウトソースしているのでは、運用面の課題はどのような影響が出ているのだろうか。
SNS運用で課題に感じることを聞いたところ、インハウス運用の企業は「フォロワー数」「エンゲージメント」が同率で56.5%で最多。次に「分析を行えていない」が42.0%、「収益に繋がらない」が39.1%と続いた。 また、部分的にアウトソース運用の企業は「フォロワー数」が53.1%で最多、次に「エンゲージメント」が44.9%となり、インハウス運用の企業と同様の順位になった。
しかし、「分析を行えていない」「アカウント更新」が同率で18.4%となり、インハウス運用の企業と比較すると、20ポイント近く、あるいは、それ以上の差が出ている。SNSの分析と更新の運用面をアウトソースしている部分で、課題の認識に差があることが明らかになった。
今回の調査により、BtoBマーケティングにおける各施策の取り組み状況と、運用体制による課題の傾向が明らかとなった。この調査結果は、新たな施策を始める際にインハウスでの運用か、アウトソースでの運用を検討する上、貴重な判断材料になる。また、すでに取り組んでいる施策の現状の運用体制を見直す貴重なデータとしても活用できる。
参照元:BtoB企業のマーケター225名にWebマーケティング実施状況を調査!BtoB企業の半数以上はオウンドメディアの運用を行っていると回答。