生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なう株式会社ネオマーケティングは「動画広告の接し方に関する調査」の結果を2021年1月14日に発表した。調査期間は2020年12月23日~2020年12月24日。
20歳~69歳の男女1000人を対象に調査を行った。この調査により、動画広告に対する印象と接し方が明らかになった。
参照元:20歳~69歳の男女1000人に聞いた「動画広告の接し方に関する調査」
動画広告を途中でスキップしているのは全体の9割以上
コロナ禍の在宅勤務や外出自粛により家で過ごす時間が多くなり、YouTubeなどの動画共有サイトや、Hulu、Netflixなどの動画サービスを見るユーザーが増えている。動画の前後や間に流れる動画広告に接触する機会もおのずと増えており、これらの動画広告にユーザーはどのように接しているのだろうか。
引用元:20歳~69歳の男女1000人に聞いた「動画広告の接し方に関する調査」
まず、動画配信サービスで動画広告を目にした際に、途中でスキップをするか聞いたところ、「必ずスキップする」38.8%と「スキップすることが多い」56.7%を合わせると、95%以上の人が動画広告を途中でスキップしていることが分かった。
動画広告に良くないイメージを持つ理由トップは「動画を邪魔される点」
次に動画広告についての印象はどうだろうか。
引用元:20歳~69歳の男女1000人に聞いた「動画広告の接し方に関する調査」
動画広告についてどう思うか聞いたところ「どちらかといえば嫌い」33.1%と「嫌い」31.1%を合わせて、全体の6割以上が良くないイメージを持っていることが分かった。
そのようなイメージを持ってしまう理由にはなにがあるのだろうか。
引用元:20歳~69歳の男女1000人に聞いた「動画広告の接し方に関する調査」
動画広告について嫌いな点を聞いたところ、トップは「本編の動画を邪魔される点」の81.9%であった。次に「興味がない商品・サービスの広告が流れる点」が59.5%、「何度も同じ広告が流れる点」が41.4%、「広告自体面白くない点」が37.5%と続いた。
トップの動画が邪魔される点に関しては動画広告の性質上、解決の難しいところではあるが、2位以降の興味のない商品・サービスの広告、同じ広告、面白くない広告である点については改善の余地がある。
改善された場合どのような効果が期待できるのか、後述の調査結果で見ていきたい。
動画広告で良いイメージを持つ4つの理由
あまり良いイメージを持たれていない動画広告だが、内容によっては良いイメージに転じることがある。
引用元:20歳~69歳の男女1000人に聞いた「動画広告の接し方に関する調査」
観た動画広告の内容により、そのブランド/企業/商品への印象が【良くなった】ことがあるか聞いたところ、「ある」5.3%と「たまにある」21.3%をあわせて、26.6%が【良くなった】経験を持っていることが分かった。
その理由を自由回答で聞いたところ、
● 最初はただの広告だと思っていたが、ストーリー性がある話で見入ってしまった
● コロナに打ち勝つメッセージが伝わってきた
ストーリー性があり、メッセージが込められている内容であったり、
● ドラマのような作りで見ごたえがあった
● 堅いイメージだった企業が自分が好きなタレントを起用して面白い広告動画を作っていた
広告とは思えない見ごたえや、面白いと感じる内容であったり、
● 英会話関連の広告で内容が自分向けに感じてめずらしくちゃんと見てしまった
ユーザーとマッチしている広告であったり
● ポイントアップのキャンペーンを知れた
● 英語の勉強法のCMで本当に効果的だと思って関心したことがあった
ユーザーにとってお得な情報・役に立つ情報であるといったことが挙げられた。
これらの回答から、良い印象を与える動画広告のポイントは以下の通りに挙げることができる。
1. ストーリー性があり、メッセージが込められている内容
2. 広告とは思えない見ごたえや、面白いと感じる内容
3. ユーザーとマッチしている広告
4. ユーザーにとってお得な情報・役に立つ情報である
ブランド/企業/商品に良い印象を持ったユーザーの6割以上がアクション
引用元:20歳~69歳の男女1000人に聞いた「動画広告の接し方に関する調査」
観た動画広告の内容により、そのブランド/企業/商品への印象が【良くなった】ことがあると回答したユーザーへさらに、その動画広告を見た後にどのような行動を起こしたのか聞いた。
その結果、トップに「そのブランド/企業/商品についてインターネットで検索した」に45.9%となった。次に「そのブランド/企業/商品についてSNSで検索した」が18.0%、「そのブランド/企業/商品について口コミを調べた」が12.4%と続き、インターネットで情報収集を行っていることが分かった。
また、「何も行動を起こしたことはない」と回答したユーザーは34.6%となり、6割以上のユーザーがなんらかの行動を起こしていることも明らかになった。
今回の調査により、ユーザーが動画広告に対して良い印象を持っていないことが分かった。一方で、良い印象を持った動画広告に対して、6割以上のユーザーが動画広告を見た後になんらかのアクションを起こしていることも明らかになった。
ユーザーに対して、共感のできるコンテンツや、役立つコンテンツを提供することで、良いイメージに好転させ、自社サービスに対してのアクションにつなげていきたい。