近年、多くの企業や顧客が重要視している顧客体験(CX:Customer Experience)。
顧客がサービスや商品に接する際に生じるさまざまな経験について、さらによいものにしようとする取り組みが、各企業で行われている状況だ。しかし、まだまだ顧客の期待に十分応えられているとはいえないだろう。
「顧客体験」のグローバル調査で明らかになった消費者やマーケターの本音をもとに、その結果の詳細な内容と、ニューノーマル時代におけるマーケティングの方向性について、分析・解説する。
参照元:アクイアが顧客体験(CX)について独自調査レポートを発表/カスタマーエクスペリエンス(CX)レポートを発表。デジタル・トランスフォーメーションを加速させるためのマーケティングの重要性が明らかに
企業の課題は「顧客体験」
新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、世界中の企業と顧客の価値観に、大きな影響を与えている。
さまざまな業種において急速にデジタル化が進む中、企業はどのような方法を用いて顧客とコミュニケーションをとり、テクノロジーを駆使した顧客体験を展開していくのか。 日本のみならず、世界の企業で課題となっているのだ。
「顧客体験」について、消費者・マーケターの両方に行ったグローバル調査の結果によると、 「まだ期待したような顧客体験が得られていない」と回答した消費者は90%に達しているという。さらに詳細な調査結果の内容を以下にまとめた。
参照元:アクイアが顧客体験(CX)について独自調査レポートを発表/カスタマーエクスペリエンス(CX)レポートを発表。デジタル・トランスフォーメーションを加速させるためのマーケティングの重要性が明らかに
「顧客体験」の調査結果
出典元:アクイアが顧客体験(CX)について独自調査レポートを発表
「顧客体験」を調査した結果によると、オンライン上のやりとりで消費者がブランドを選ぶ際のポイントに「便利で気の利いた顧客体験への期待」と答えたのは90%。
また、80%以上の消費者がオンライン上でテクノロジーを駆使した顧客体験を望み、そのための改善策を企業に求めていると判明した。
つまり、消費者が今望んでいる「顧客体験」は、オンライン上で各ブランドが自身を深く理解し、探している商品や最適な情報をすぐに提供・提案してくれることなのである。
パーソナライズにより、自身にとって最適な体験が生まれ、それがブランドロイヤルティーの向上につながっていくと消費者は感じているのだ。
「自身が好む商品・サービスについて、ブランドの理解がない」「ニーズについて、個人データを生かせていない」と答えた消費者が60%にのぼることも注視したいポイントである。
マーケターと消費者間のズレは確実に生じ、その原因は「パーソナライズできていないこと」にあると予測できるだろう。
ただし、80%近い消費者が、「収集した個人データをもとに、各ブランドから必要のないメッセージや広告を送ってくるべきではない」と感じていることにも注意が必要だ。
多くの消費者がテクノロジー化を求めているものの、それは自動化されたサービスという意味合いではない。「テクノロジーにプラスした人間味のあるサービス」に期待している、ということなのである。
参照元:アクイアが顧客体験(CX)について独自調査レポートを発表/カスタマーエクスペリエンス(CX)レポートを発表。デジタル・トランスフォーメーションを加速させるためのマーケティングの重要性が明らかに
まとめ
ニューノーマル時代のマーケティングには、利便性が高い、パーソナライズされた「顧客体験」が必須だといえるだろう。消費者の期待に応えられるような適切かつ有効となるテクノロジーを導入し、プライバシーに配慮しながら顧客の満足度を向上させることが大切である。
参照元:アクイアが顧客体験(CX)について独自調査レポートを発表/カスタマーエクスペリエンス(CX)レポートを発表。デジタル・トランスフォーメーションを加速させるためのマーケティングの重要性が明らかに