企業が自社の課題を見つけたり、不足している部分を補ったりするために欠かせない「ベンチマーク」の設定。
マーケティング用語でよく耳にするものの、その言葉が持つ意味や詳細な内容までは詳しく知らないという場合も多いだろう。
さまざまなマーケティング施策を展開する上で知っておきたいベンチマークとは、具体的にどのようなものなのか。設定する上で考えられるメリットからデメリットまでを分析・解説する。
ベンチマークとは何か?
マーケティングに重要な要素となるベンチマークとは、もともと「水準」を指す単語である。ビジネスや経営の場では、「対象と比較するための基準」や「指標」として使用され、自社分析や、課題の発見に役立つ「基礎的標準値」である。
例えば「A社をベンチマーク企業に設定する」といった場合、比較対象としての基準がA社となるため、「自社はA社と比べてどうなのか」「A社を見習って改善すべきところはないか」などを、検討したり見直したりができるのだ。
マーケティング活動で最終目標となる「KGI:Key Goal Indicator」や、その中間目標である「KPI:Key Performance Indicator」をベンチマーク企業の指標から設定すれば、細かい部分もさらに比較しやすくなるだろう。
参照元:経営やマーケティングにおいて「ベンチマーク」を設定するメリット、デメリットと調査方法
ベンチマークのメリット
企業がベンチマークを設定することで得られるメリットの一つは、さまざまな施策を深く理解できることだ。詳細な他社分析を行うことで、自社にない施策を発見したり、それによって新たなアイデアを生み出したりする可能性も出てくるだろう。
例えば、自社の売り上げが前年比で15%増加していた場合、「今年はマーケティング施策が成功したのだ」と判断できる。
しかしながら、ベンチマーク企業である他社の売り上げが40%も増加していた場合はどうだろう。
比較して「なぜ自社は15%しか上がらなかったのか」という課題が浮上してくるのである。そこで、自社が気づかなかった消費者のニーズを、ベンチマーク企業である他社が、よりいっそう把握していたことが判明。その差を埋めるべく、さらなる施策を打ち出す必要が見えてくるだろう。
他社に比べて不足しがちなポイントが浮き彫りになるのもメリットとして挙げられる。今後伸ばしていきたいところが明確化され、発見・改善までのスピードも速まるはずである。
参照元:経営やマーケティングにおいて「ベンチマーク」を設定するメリット、デメリットと調査方法
ベンチマークのデメリット
一方、デメリットとしては、ベンチマーク企業をあまりに意識しすぎて、自社独自の戦略における幅が極端にせまくなってしまうことが挙げられる。
意識するあまり、類似したキャンペーンや施策、戦略が目立つようになり、オリジナリティーのあるキャンペーンや独創的なアイデアが生まれにくくなる可能性があるからだ。
数字やブランディングは意識しつつ、その動向に大きく影響されすぎないよう注意することが大切だろう。
参照元:経営やマーケティングにおいて「ベンチマーク」を設定するメリット、デメリットと調査方法
まとめ
ベンチマークを設定する際には、メリットやデメリットを把握した上で、自社に合った規模の競合他社を選ぶとよいだろう。また、さらに上の、自社が理想とする企業を追加してベンチマークしておけば、学ぶことも多いはずである。
定期的にそれぞれのベンチマークを分析・解析し、商品・サービス・キャンペーン施策・ブランディングなどを参考にすれば、より飛躍するための企業成長に期待が持てるだろう。