商品を手にする「モノ消費」から、手にするだけでは得ることができない経験を優先させる「コト消費」へと消費の潮流がある中で、2021年に新たなスタイルとして注目されているのが「トキ消費」である。
オンライン化が急速に進んでいるコロナ禍に登場した「トキ消費」とは、具体的にどのような消費行動なのか。トレンドとなっている音声メディア「Clubhouse(クラブハウス)」の解説とともに、これから大きく成長すると予想される注目の市場や消費の流れについて、詳しく分析する。
「トキ消費」とは?
若年層を中心とした調査で判明した、遊びやイベントなどで得られる経験に価値を置く「コト」消費の伸びに加え、新しい生活様式の中で誕生した「トキ」消費に、現在大きな注目が集まっている。
「トキ」消費とは、「今だけ」の、一度だけの体験に価値を見いだし、自らがその場に参加して盛り上がるといった消費行動を指している。具体的にはハロウィーンパーティーや音楽・スポーツなどのイベント、オンラインサロンの参加やファンミーティングなどが「トキ」消費と呼べる行動だろう。
「トキ」消費の特徴は、盛り上がりの中に自主的に参加していることである。その場でなければ得ることができない感覚を実感し、さまざまな人々と感動を共有していることがポイントのようだ。
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音声メディアの台頭
「トキ」消費が急増する背景には、自宅にいながら楽しめる音声メディアや配信ライブアプリの台頭が影響していると考えられる。
具体的には「Spotify」や「Castbox」などのポッドキャストや、「voicy」や「SPOON」などの配信サービスが有名なコンテンツだといえるだろう。インターネットでラジオを配信する「radiko」や、オーディオブック「Audible」など、多岐にわたる音声サービスが展開されている。
中でも注目なのは、利用者が増え続けている次世代の音声メディア「Clubhouse(クラブハウス)」だ。以下で詳しく紹介しよう。
「Clubhouse(クラブハウス)」とは?
多くの著名人が参加し話題となっている「Clubhouse(クラブハウス)」。
アメリカ発の音声メディアサービス「Clubhouse(クラブハウス)」とは、App Storeでiosのみダウンロードできるアプリであり、参加するためには、既存ユーザーから招待される必要があるサービスである(2021年2月現在)。
現在200万人超のユーザー数を誇り、国内外で注目されるメディアの一つといえるだろう。
各ユーザーがそれぞれのroom(ルーム)を作成し、そこに参加したユーザー同士で話をしたり、聞いたりすることができるサービスとなっている。会話を公開するかどうか、範囲設定も可能なため、知り合いや仲間うちだけで楽しめることもポイントだ。
大きな特徴は、招待制の他にも、音声だけ(映像や文字なし)であること、そのため他者からのコメント機能がついていないこと、基本的に会話の内容は記録されないことが挙げられるだろう。
現在はios版のみだが、今後はAndoroid利用者にも対応するアプリになると発表されている。また、今後は「Clubhouse(クラブハウス)」内で使えるチケット・チップの販売や、課金機能の追加など、これまでにない新たなサービスが付随される見込みである。
まとめ
急拡大する音声メディア「Clubhouse(クラブハウス)」を筆頭に、新しいサービスの登場で、消費行動がどのように変化していくのか。また新しいプラットフォームからどのような機能が生まれるのか、注目だ。
参照元:
・利用者急増中!注目の次世代SNS、Clubhouse(クラブハウス)とは?
・2021年はトキ消費が急増!?新しい生活様式の中で広がる、モノ消費・コト消費に続く消費とは。
・音声メディア(音声コンテンツ)とは?種類、市場規模、人気の理由と将来の可能性