インターネットの普及により、さまざまな業界の商品やサービスがオンライン上で販売されている。近年の保険業界においても、生命保険をネットで購入したいという消費者の希望が増加している状況だ。
こうしたネット保険の需要に応え、数ある競合の中から自社サイトでの申し込みを増加させることに成功したのがアクサダイレクト生命保険である。同社の成功事例をもとに、消費者視点のマーケティングの重要性や、その取り組みについて解説する。
参照元:見過ごしていたニーズを拾うには? 「顧客視点」のデジタルマーケティングが成功した理由──アクサダイレクト生命
対面からオンラインへ
近年の保険業界では、保険の購入をより手軽に行うために、ネット生命保険のような、オンラインでの保険申し込みに需要が高まっている。新型コロナウイルス感染症の拡大で、消費者の外出機会が減ったことも影響が大きいだろう。対面営業よりも、消費者が自身で商品の試算を行い、申し込みを済ませるスタイルが増加しているようだ。
そこで問題となるのが、数ある生命保険サイトの中から、自社サイトにたどり着いてもらうにはどのような施策が必要か、である。保険会社は多岐にわたるが、その中でも、消費者の求める最適な内容の保険を自社の商品から選んでもらう必要があるのだ。
ネット生保を取り扱うアクサダイレクト生命保険では、対面での説明をすることなく、消費者に最適な保険を提供できるような仕組みづくりに取り組んでいる。
以下では、多様なニーズに応える細やかなマーケティングを行い、顧客獲得に成功しているアクサダイレクト生命保険の事例を紹介する。
参照元:見過ごしていたニーズを拾うには? 「顧客視点」のデジタルマーケティングが成功した理由──アクサダイレクト生命
関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説
アクサダイレクト生命保険の取り組み
これまで、アクサダイレクト生命保険が販売している保険の40%は代理店やネットの保険比較サイトから申し込まれたものだった。しかし、この領域に費用をかけず、自社サイトでの売り上げを伸ばせないかということが、解決すべき最初のマーケティング課題として挙げられた。
ライフタイムバリュー(LTV:契約開始から終了までの間に、自社にもたらす収益)の高い消費者へ積極的にアプローチを行い、自社サイトでの契約件数や保険料収入の最大化を目指したのである。
参照元:見過ごしていたニーズを拾うには? 「顧客視点」のデジタルマーケティングが成功した理由──アクサダイレクト生命
検索広告に注目
出典元:見過ごしていたニーズを拾うには? 「顧客視点」のデジタルマーケティングが成功した理由──アクサダイレクト生命
オンラインでの「指名検索」を強化するためには、知名度が必要となる。競合が多い生命保険業界で、これまでと同じ「アクサ」や「アクサダイレクト生命」などのワードを優先する対策では、大きな費用がかかってしまう。
そこで、アクサダイレクト生命保険では、「消費者が本当に求めている保険とは何か」という基本に立ち返り、詳細なニーズを掘り起こすことで、他社との差別化を行った。
今までは見過ごしていたかもしれない消費者の求めている需要の高い保険内容を訴求ポイントに設定し、知名度を上げる広告よりも、検索の最適化に力を入れた検索広告に取り組んだのである。
一貫した広告内容
出典元:見過ごしていたニーズを拾うには? 「顧客視点」のデジタルマーケティングが成功した理由──アクサダイレクト生命
アクサダイレクト生命保険の訴求広告は、社名から一般ワードに変更。「医療保険・相談」「糖尿病・保険」などのマッチタイプで、保険を探している消費者にアプローチした。
スコアが低い検索ワードには、レスポンシブ検索広告(RSA:複数の広告や説明文を登録しておけば、消費者の検索に合わせて自動的に組み合わせて配信してくれる広告機能)でフォロー。詳細なチューニングを行い、「女性・保険・ランキング」などの検索ワードでは、効率化を図るために、「女性専用保険」の広告のみしか表示しないようにルール化した。
そうした取り組みから1年後には、自社サイトの契約数や年換算保険料収入が大幅アップ。同時にCVクエリ数・広告出稿クエリ数も改善することができたのである。
まとめ
成長に必要なマーケティングとは何かを的確に捉え、当初目標としていた自社サイトでの売り上げ増加に成功したアクサダイレクト生命保険。知名度を上げる広告から消費者視点の広告へと立ち返り、見過ごしていたニーズを掘り起こせたことが奏功した、参考にすべき事例といえるだろう。