マーケティング知識や技術を習得する方法として、書籍は非常に有益です。一般的な知識はもちろん、国内外の専門家の実体験や実例を知ることもできるため、その一冊で仕事はもちろん、人生が変わることもあります。
そのような影響力の高いマーケティング書籍の中から、評判の高い書籍を5つ厳選してご紹介します。
おすすめのマーケティング書籍5選
1. 「ドリルを売るには穴を売れ」
佐藤義典著「ドリルを売るには穴を売れ」(青春出版社)(2006年)
http://www.seishun.co.jp/book/10419/
https://www.amazon.co.jp/dp/4413036239
マーケティングコンサルタントの佐藤義典氏によるもので、マーケティングにまつわる基本的な理論を体系的かつ実戦的にわかりやすく説明した良書です。マーケティングの教科書、入門書として2006年の刊行以来、未だに読まれています。
廃業寸前のイタリアンレストランが再生するストーリーが進み、わかりやすく楽しく理解ができるのも特徴です。小説編を読むだけでも、自然とマーケティングの基本的な考え方が身体に染みこむと著者は述べています。
人は「物」ではなく「価値」を買っているということをベースにし、「価値」を切り口に「あなたは何を売っているのか(ベネフィット)」、「誰に売っているのか(ターゲティング)」、「あなたの商品でなければならない理由はなにか(差別化)」「その価値をどうやって届けるのか(4P)」という流れにそって解説されています。
レビューでは、「基礎がわかりやすく学べる」「本質的な考え方がわかる」などの声が挙がっています。
2. 「データ・ドリブン・マーケティング―――最低限知っておくべき15の指標」
マーク・ジェフリー著「データ・ドリブン・マーケティング―――最低限知っておくべき15の指標」(ダイヤモンド社)(2017年)
https://www.diamond.co.jp/book/9784478039632.html https://www.amazon.co.jp/dp/4478039631
ノースウェスタン大学 ケロッグ経営大学院 非常勤教授、マーク・ジェフリー氏による著書です。Amazonの創業者でCEOである、ジェフ・ベゾス氏が愛読するもので、Amazon社員の教科書といわれています。顧客満足度からマーケティング投資効果まで、マーケティングの意思決定のためにあらゆるデータを測定し、最大限に活かすといった、データの可視化と成果の測定による意思決定の重要性を知ることができる一冊です。
データ・ドリブン・マーケティングとは、データ解析にもとづくマーケティングです。データを意思決定に役立てるには、有効な指標が何なのかを知る必要があります。そこで著者は、15の指標を挙げています。
特にデジタルマーケティングの事例が具体的に書かれているので、その点が非常に参考になるというレビューもあります。
データ活用が欠かせない今の時代にマーケティングで成功するための重要な一冊といえそうです。
3. 「沈黙のWebマーケティング ?Webマーケッター ボーンの逆襲? ディレクターズ・エディション」
松尾茂起著/上野高史作画「沈黙のWebマーケティング ~Webマーケッター ボーンの逆襲~ ディレクターズ・エディション」(エムディエヌコーポレーション )(2015年)
https://books.mdn.co.jp/books/3214203011/
https://www.amazon.co.jp/dp/484436474X
「ウェブライダー」の代表、松尾茂起氏によるこの著書は、キャラクターが活きているイラスト付きノベルでWebマーケティングを学べる話題の一冊です。
Web上で連載され大人気となったコンテンツ連載ストーリー全9話に、 本書の書き下ろしとなる本編ストーリーのエピローグと Webマーケティングの基本解説が加えられた一冊です。
解説記事ではSEOの当時の潮流、Googleウェブマスターツールの活用術、Twitterをはじめとしたソーシャルメディアの効果的な運用法、コンテンツマーケティングの極意など、Webマーケティングにかかわる仕事の人が押さえておくべき事柄がわかりやすく解説されています。
これからWebマーケティングを始めたいけれど、むずかしい書籍はなかなか気が進まないという人に適した書といえます。
レビューでは、実践で役立つノウハウを会得できるのはもちろん、ライバルを強く意識した戦略思考を身につけることもできるなどの声があります。“やり方”はもちろん、“思考法”についても基礎が築けそうです。
4. 「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」
森岡毅著「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」(KADOKAWA/角川書店) (2016年)
https://www.kadokawa.co.jp/product/321512000336/
https://www.amazon.co.jp/dp/4041041414
ユー・エス・ジェイ社にて、窮地にあったユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させた森岡毅氏による著書です。
2015年10月には過去最高の月間175万人を集客し、USJの3倍の東京ディズニーランドをも超えたというUSJの復活劇が綴られています。マーケティングを最重要視したことが重要なポイントとされており、マーケティングの基本戦略の立て方や実施方法など、あらゆる施策を実例とともに知ることができます。
マーケティングは、商品やサービスが自然に売れるようにするための技術であり、営業や宣伝と対立する概念ですらあるといった内容に、目からうろこが落ちる思いだったというレビューもあります。ただのケーススタディだけでなく、マーケティングの真髄をも知ることができる良書といえそうです。
また、成功を納めたいと切に願うマーケッターにとっても必読書といえるのではないでしょうか。
5. 「シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは」
シュガーマン・ジョセフ著「シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは」(フォレスト出版)(2006年)
https://www.amazon.co.jp/dp/4894512203
https://www.forestpub.co.jp/author/joseph_sugarman/book/B-1262
米国伝説のマーケッターと称されるシュガーマン・ジョセフ氏による著書で、マーケティングの30の法則が書かれています。
この著書の中で、シュガーマン氏は米国のダイレクトマーケティングの世界で大きな成功を収めたノウハウを披露しています。カタログ販売やテレビのショッピング番組で売り上げを左右するのは言葉の力だとし、「たった1つの表現、説明の順序、力点の置き方を工夫するだけでセールスの成績は劇的に上がる」とポイントを30挙げています。また通信販売のほか、人的販売の現場でも応用できるようにもなっています。
顧客の心理を理解し、とらえ、購買までつなげていく、その巧みな心理戦は、成功者だからこそ知り得た貴重なノウハウといえます。
通販分野にはもちろん、一般的な販促マーケティングにも活かすことができるのではないでしょうか。
関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説
まとめ
◆マーケティング書籍でおすすめのものを5冊紹介した。どれもマーケティングに関連する職種の人にとって役立つ良書といえる。
◆「ドリルを売るには穴を売れ」は、マーケティングにまつわる基本的な理論を体系的かつ実戦的にわかりやすく説明した良書。
◆「データ・ドリブン・マーケティング―――最低限知っておくべき15の指標」はAmazonのCEOジェフ・ベゾス氏の愛読書で、Amazon社員の教科書。データの可視化と成果の測定による意思決定の重要性を知ることができる。
◆「沈黙のWebマーケティング ~Webマーケッター ボーンの逆襲~ ディレクターズ・エディション」は、ノベル形式でキャラクターと共にWebマーケティングの基礎を楽しく学べる。
◆「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」は窮地にあったユニバーサル・スタジオ・ジャパンを革新的な施策を次々と実施したことでV字回復させたノウハウと考え方を学べる。
◆「シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは」には、カタログ販売やテレビのショッピング番組で売り上げを上げる30のポイントがつづられている。