パソコンやスマートフォンを用いていつでもどこでも動画を視聴できる動画配信サービス。インターネットが普及したことで市場規模が拡大し、定額制の有料サービスや無料で視聴できるサイトなどさまざまな動画配信サービスが登場しました。
動画配信サービス「U-NEXT」(ユーネクスト)では、映画やドラマ、アニメ、電子書籍など20万本を超える豊富なコンテンツを配信しています。拡大する動画配信サービス市場で新規会員を獲得するために、ユーネクストではどのようなマーケティングを行っているのでしょうか。
この記事では、ユーネクストが実施したデジタルマーケティング施策とその成果をご紹介します。
動画配信サービス(VOD)の概要と市場規模の拡大
動画配信サービス(ビデオ・オン・デマンド=VOD)とは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデジタル端末で動画を視聴できるサービスです。インターネット環境があれば、いつでもどこでも好きな配信動画を楽しむことができます。
動画配信サービスは次の3種類に分けられます。
1. SVOD:月額料金を支払うことで動画コンテンツが見放題となるサブスクリプションタイプ(例:U-NEXT、Netflix)
2. PPV:視聴したい動画コンテンツだけ課金するタイプ(例:Google Play、iTunes)
3. AVOD:無料で視聴できるが動画内で広告が配信されるタイプ(例:YouTube、TVer)
インターネットやスマートフォンの普及にともない、動画配信サービスの市場規模が大きく拡大しています。近年は通信速度が改善され、大容量の動画が安定して視聴できるようになったことも要因でしょう。
今後もプロモーションの強化やテレビデバイスへの対応により、動画配信サービス市場はさらに成長していくと推測されています。
出典:野村総合研究所(NRI)『ITナビゲーター2021年版』(p28)
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動画配信サービス「U-NEXT」(ユーネクスト)とは
株式会社ユーネクストが2007年から提供する動画配信サービス「U-NEXT」(ユーネクスト)では、映画やドラマ、アニメなどの動画作品と、マンガ、ラノベなどの電子書籍を配信しています。国内の主な定額制動画配信サービスにおいて、見放題作品のラインアップ数はNo.1を誇ります。
ユーネクストは、一定額の月額料金を支払って利用するサブスクリプション形式(SVOD)の動画配信サービスです。しかし、ユーネクストでは月額会員なら追加料金なしで視聴できる見放題作品だけではなく、見放題作品では未配信の最新レンタル作品も取り扱っています。幅広いコンテンツや動画形態を扱うことで、ユーネクストに登録する新規会員の獲得につなげています。
主要な動画配信サービスには、Amazonプライム・ビデオ、Netflix、Hulu、dTVなどもあります。プライム会員になれば動画サービス以外にも特典が受けられるAmazonプライム・ビデオ、海外ドラマやドキュメンタリーなどオリジナル作品を多数取り扱うNetflixなど、それぞれ異なる戦略で会員数を伸ばしています。
ユーネクストのデジタルマーケティング施策とその成果
動画配信サービスを提供するユーネクストではオンライン経由で新規会員を獲得するケースが多く、デジタルの活用はユーネクストにとって重要なマーケティング手段となります。ユーネクストは、Google広告の動的検索広告をマーケティングに導入しました。検索画面に表示される検索広告は、ユーザーが興味を持っているコンテンツから直接会員獲得につながる確率が高いからです。
動的検索広告は、多種多様な商品群や大規模な商品在庫を持つ広告主に向いています。
広告を掲載する対象をウェブサイトのコンテンツに基づいて設定すると、個別のキーワードではリーチできなかった見込みユーザーに対しても、そのユーザーに関連性の高い広告見出しの生成が可能です。機械学習が自律的に学習を続けることで、会員になる見込みが大きいユーザーへより関連性の高いコンテンツを届けられるようになります。
さらに、動的検索広告はウェブサイト全体を広告掲載の対象に含めることも、カテゴリやページを絞って指定することも可能です。在庫がなければ広告を表示しないように設定するなどきめ細かな広告管理ができるため、質を維持しながらの規模拡大を目指していたユーネクストにとって、動的検索広告の導入は自然な流れとなりました。
●動的検索広告で生成された広告クリエイティブ
出典:Google社 『機械学習を活用して会員獲得数を拡大したU-NEXT』
ユーネクストがマーケティング施策として動的検索広告を取り入れた結果、動的検索広告での検索キーワードのうち、新たに50%以上の検索キーワードが発生しました。さらに、そのうちの35%でコンバージョンが発生し、ユーネクストの新規会員獲得につながっています。
●施策前後の成果
出典:Google社 『機械学習を活用して会員獲得数を拡大したU-NEXT』
動的検索広告の活用により会員獲得数を拡大したユーネクスト。今回の成功を受け、今後はさらに幅広いジャンルに動的検索広告を適用し、拡大していきたいと考えています。
まとめ
◆インターネットやスマートフォンの普及にともない、動画配信サービス(VOD)の市場規模が大きく拡大している。
◆動画配信サービス「U-NEXT」(ユーネクスト)では、幅広いコンテンツや動画形態を取り扱うことで、ユーネクストに登録する新規会員の獲得につなげている。
◆オンライン経由で新規会員を獲得するケースが多いユーネクストは、Google広告の動的検索広告を新たなマーケティング施策として導入した。
◆ユーネクストが動的検索広告を取り入れた結果、動的検索広告での検索キーワードのうち、新たに50%以上の検索キーワードが発生。そのうちの35%が新規会員獲得につながった。