年を追う毎にSNSを利用するユーザー数が増え、SNSマーケティングに強い企業の売上や集客数も増加しています。しかし、実際にSNSを運用しようと考えても、どのSNSで発信をすれば良いのか、そもそもなぜやる必要があるのか疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、SNSマーケティングに取り組む重要性を解説するとともに、アカウント設計や競合調査等の戦略設計をご説明します。さらに、SNSマーケティングの具体的な活用方法を紹介します。
目次
SNSマーケティングになぜ取り組む必要があるのか
まずは、SNSマーケティングに取り組むべき理由や、その重要性をご説明します。
Z世代を中心としたSNSユーザーの増加
企業ブランディングが可能になる
それぞれ順番に解説します。
Z世代を中心としたSNSユーザーの増加
Z世代とは、1990年代中盤以降に生まれた世代の方たちのことを指します。近年、Z世代を中心としたユーザーは、GoogleやYahoo!等の検索エンジンよりも、SNSを通して情報を収集します。
ユーザーが情報収集で利用するプラットフォームは様々であり、美容やコスメ・旅行等に関する情報であればInstagram、ビジネスに関する人脈形成であればFacebookやTwitterなど、多岐にわたります。
つまり、SNSマーケティングを通してこれらのプラットフォームで発信をすることで、多くのユーザーと接点を持つことが可能になります。その結果、自社の見込み客になってくれたり、気になる商品があればお問い合わせをしてくれたりすることに繋がります。
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企業ブランディングが可能になる
SNSマーケティングを活用することで、企業ブランディングも可能になります。企業ブランディングとは、「〇〇の業界と言えばあの会社」など、特定の業界や商品に関する認知が、多くのユーザーに知れ渡ることです。
加えて、SNSはユーザーとの距離が近いため、ユーザーが自社のファンになってくれる可能性も高いです。
たとえば、家電業界で有名な「SHARP」は、ユーザーからの引用リツイートを積極的にリツイートしたり、リプライに返信をしていたりします。その結果、徐々にユーザーがファン化し、SHARPの商品である家電製品を購入してくれることにも繋がるでしょう。
このように、距離の近いSNSユーザーとの接点を多く持つことで企業ブランディングがしやすいことも、SNSで発信をする重要な理由だと言えます。
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SNSの運用設計
SNSマーケティングに取り組む2つの重要性をご説明しましたが、ここからは、具体的なSNSの運用設計を解説します。運用設計は、下記5つのステップで進めていきます。
・マーケティングプラットフォームを決める
・アカウント設計・競合調査を行う
・KPIを定める
・運用体制を決める
・投稿スケジュールを決める
それぞれのステップを順番に見ていきましょう。
マーケティングプラットフォームを決める
まずは、マーケティングプラットフォームを決定します。プラットフォームによってユーザー属性や発信内容が異なりますので、下記4つのプラットフォームの特徴をご説明します。それぞれの特徴を理解し、自社が発信するプラットフォームを決定する際の参考にしてみてください。
・Twitter
・Facebook
・Instagram
・YouTube
Twitterは、日本の月間アクティブユーザー数が4,500万人を超えるSNSです。140文字以内のテキスト、動画、写真を投稿できる仕組みとなっており、リアルタイムでフォロワーのタイムラインに投稿が表示されます。
なお、Twitterは「いいね」や「リツイート」などのエンゲージメント率(反応率)が高いほど、タイムラインで上位表示され続けることが特徴です。したがって、フォロワーの属性を理解し、そのユーザーに反応されやすいツイートをするテクニックが必要になる側面もあります。
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Facebookは、世界最大数のユーザーを抱えるSNSです。上述したTwitterのタイムライン機能とは異なり、「エッジランク」と呼ばれるフィードが投稿される仕組みとなっています。
また、ビジネス上の繋がりや、オフラインでの繋がりを基にしてフォロワーが増えることが多く、新規で幅広いユーザーを獲得するプラットフォームとは言えません。
ただし、Facebookは原則として実名登録が義務付けられており、なおかつ学歴や社歴、居住地などの詳細なユーザー情報を入力する必要があります。したがって、ターゲットを絞った広告配信は抜群の効果を生むことに期待できるため、広告を配信する目的として利用する価値は非常に高いと言えるでしょう。
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Instagramは、日本の月間アクティブユーザー数が3,300万人を超えるSNSです。特に女性を中心に人気が爆発しており、美容系・コスメ系・旅行系・飲食系の投稿はエンゲージメントが高い傾向にあります。
また、写真や動画を中心とした、五感に訴えかける投稿が伸びやすいことも特徴です。さらに、InstagramはFacebook社の手掛ける事業の1つであるため、Facebookの詳細なユーザーデータを基にした広告配信も可能です。
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YouTube
YouTubeは、日本の月間ユーザー数が6,500万人を超えるSNSです。ほぼすべてのジャンルのYouTubeチャンネルが存在しており、Googleアカウント1つあればチャンネルを作成できます。
また、動画の視聴を目的としてインターネットを利用しているすべてのユーザーが、YouTubeを利用しているというデータも出ています。つまり、YouTubeが最も多くのユーザーにリーチできるSNSであることは間違いありません。
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アカウント設計・競合調査を行う
上述した4つのSNSの中から、自社が発信するプラットフォームを決めたら、次はアカウント設計と競合調査を行います。競合調査をせずに発信を開始してしまうアカウントもありますが、あまり望ましくありません。
なぜなら、自社商品ばかりを宣伝するアカウントになってしまったり、競合と似通った投稿ばかりになり、ユーザーからの信頼が落ちてしまったりすることに繋がる恐れがあるためです。
したがって、同じ業界の競合がどのような発信をしているか、投稿頻度はどの程度か、フォロワーがどの程度であるかは、最低限確認しておきましょう。
KPIを定める
次に、発信を開始してからのKPIを定めます。KPIの期間はアカウントによって様々ですが、まずは運用開始3ヶ月後、6ヶ月後など、3ヶ月スパンで検討してみることを推奨します。
KPIを定める際に重要なことは、「現実的な数字」を定めることです。仮に、3ヶ月後に10万フォロワーを達成することを目標にしても、現実との乖離が生まれてしまい、かえってKPIを定める意味がありません。
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運用体制を決める
KPIを定めたら、次はそのKPIを達成するための運用体制を整えましょう。なお、運用するための人件費はどうしてもかかってきますので、予算を鑑みながら運用体制を決める必要があります。
ただし、人件費を鑑みたとしても、担当者1人のみで運用することは望ましくありません。なぜなら、ダブルチェックをしないことが原因で、万が一の炎上が起こってしまうリスクが考えられるためです。
したがって、最低人員2人を前提に、KPIを達成できるための運用体制を整えましょう。
投稿スケジュールを決める
最後に、投稿スケジュールを決めましょう。投稿スケジュールの決め方に関しては、上述した競合アカウントを参考にしてみてください。
仮に、競合アカウントが1日1投稿をしている場合、自社は1日2投稿にしても良いですし、2日に1回投稿でも構いません。このあたりは、運用体制を踏まえて検討しましょう。
なお、あまりにも少ない投稿頻度にはしないことを推奨します。なぜなら、SNSの第一目的はユーザーとの接点を持つことであり、投稿頻度が少なければ、その分だけユーザーと接点を持つ機会が減ることに繋がります。
ここまで紹介した5つのステップを踏まえれば、運用体制も整っているため、効率よく発信を継続できるでしょう。
SNSマーケティングの活用・効果測定方法
効率よくフォロワーを増やしていくためには、投稿の分析が欠かせません。ここからは、SNSマーケティングの活用方法や、投稿の効果測定方法を紹介します。
ユーザーにとって有益なコンテンツを発信する
まず、効果測定を行う前に、ユーザーにとって有益なコンテンツを発信することを心がけましょう。自社商品の宣伝ばかりしていたり、特定他社の批判をしたりするような発信は、ユーザーを不快にさせてしまう恐れがあります。また、自社の信頼性やブランド力が落ちてしまうことにも繋がるでしょう。
したがって、ユーザーに役立つ情報やためになる情報を発信し、その結果フォロワーが増えることを理解して運用することを推奨します。
状況に応じて広告も配信する
次に、フォロワーの伸びが鈍化したり、なかなか新規フォロワーを獲得できなかったりする際は、広告の配信も検討しましょう。Facebookは詳細なデータを持っていると解説しましたが、フォロワーを増やすために広告を配信するのであれば、発信しているプラットフォームで配信を行う形で問題ありません。
また、広告を配信する際は、1ヶ月などの短期間のみ行うのではなく、3ヶ月〜6ヶ月程度は継続することを推奨します。なぜなら、1ヶ月のみではデータが溜まりませんし、広告を継続的に見てフォローをするか判断するユーザーもいるためです。
したがって、3ヶ月〜6ヶ月程度配信することを前提に広告予算を組んでみましょう。
効果測定を行う
最後に、投稿の効果測定を行います。各SNSプラットフォームで利用できる分析ツールは下記のとおりです。
Twitter:Twitter Analytics
Facebook:Facebook Analytics(2021年6月30日で終了)
Instagram:Instagramインサイト(スマートフォンのみ)
YouTube:YouTube Studio
それぞれ利用するツールは異なりますが、共通して分析するべきは「エンゲージメント」です。Twitterであれば「いいね」やリツイート、YouTubeであれば視聴維持率や再生回数などが挙げられます。
エンゲージメントが高いほどユーザーの反応率が良いということであり、自社のファンになってくれやすかったり、フォロワーが増えたりすることに繋がります。
仮に、前月と比較してエンゲージメントが悪い場合は、投稿頻度や投稿時間を見直してみる、自社からユーザーにフォローする数を増やすなどの改善を行いましょう。
まとめ:SNSマーケティングを活用しましょう
SNSマーケティングの活用方法や、アカウント設計のやり方を解説しました。SNSマーケティングは、ユーザー数の増えた近年において、無視しようにもできない重要な施策の1つです。
ただし、無理に自社の商談に繋げるために商品ばかりを宣伝するのではなく、あくまでユーザーとの接点を持ち、ファンや見込み客になってもらえる運用を心がけましょう。
まずは、この記事で紹介したSNSの運用設計を考えることを始めてみてはいかがでしょうか。