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リスティング広告のインハウス化を検討する重要な4つのポイント

2020.11.19
読了まで約 3

リスティング広告はあらゆるマーケティングの施策のなかでも、特に専門スキルが求められる施策の1つである。専門スキルをもった代理店に運用を委託したままでよいのか、運用手数料を削減するためにインハウス化にするのか、どちらが最適なのか悩む企業も多い。

今回は、代理店と自社運用のメリット、デメリットとあわせて、リスティング広告のインハウス化を検討するうえで、重要なポイントを解説する。

リスティング広告は自社運用・代理店、どちらがいいのか?

リスティング広告は代理店に運用を委託する方法と、自社で運用する方法がある。代理店は、リスティング広告運用の専門知識と培った運用ノウハウを持っており、効率よく結果を出すには代理店に委託したほうが早い。しかし、広告費とは別に、運用した広告費に対し一定の手数料が発生する。一般的な手数料率は20%であるが、少額の広告費の場合は費用に応じて定額の運用手数料が設定されているケースもある。

一方で、自社でリスティング広告を運用する場合は、一切手数料は発生せず、運用した広告費のみとなる。マーケティングコストやCPAなどの獲得効率を考える際、リスティング広告を代理店に任せていれば、まず目に行きやすいのが代理店に支払う手数料である。自社運用に切り替えれば、手数料分は削減できることが明確ではあるが、それ以上に慎重に判断すべきポイントがある。

リスティング広告の運用スキルを習得するのに1年~3年はかかると言われている。自社でリスティング広告を運用する場合に、ある程度の予算があれば運用スキルを持った人材を専任で採用しなければならないほど、リスティング広告の運用には専門スキルが求められる。

自社運用と代理店のメリット、デメリット

リスティング広告の運用に求められるスキルは上述の通りであるが、それとは別に運用を自社で行う、代理店に委託することのそれぞれのメリット、デメリットはどうだろうか。それぞれのメリット、デメリットを下記の表にまとめている。

・自社で運用する場合

メリット デメリット
代理店の運用手数料がかからず、広告予算に上乗せできる ノウハウが蓄積されるまでに試行錯誤と時間が必要となる
自社のノウハウやデータとして蓄積されていく 人員配置にコストがかかる
自社のサービスやターゲットについて深く理解している 最新の情報を定期的に取りに行く必要がある

 

・代理店に委託する場合

メリット デメリット
早く効率的に効果を出せる 運用手数料がかかる
煩雑な運用業務をすべて任せて、他の業務に集中できる 自社のノウハウやデータとして蓄積されない
自社のサービスやターゲットに対し理解が浅い

リスティング広告のインハウス化を検討する4つのポイント

自社運用と代理店のメリット、デメリットをふまえ、リスティング広告のインハウス化を検討するポイントを4つ解説していく。

①リスティング広告の運用が事業の中核
代理店に支払う手数料を削減することが目的ではなく、多くのコストを自社運用のリソースに投下することで、代理店が運用するよりも高い成果を上げることを想定している。

②長期的な取り組みが可能
運用担当者が試行錯誤を繰り返し、成果を出していくために十分な時間をかけて、長期的に取り組める環境がある。

③特殊な業態・業種、特殊な自社ルールが存在
商品やサービスそのものや、ターゲットとするマーケットが特殊で、他業界にいる人には理解が難しい場合、理解をするため学習と時間が必要になるため、代理店の担当者を教育するには効率が良くない。また、レポートを指定の外国語で作成するなど、特殊な自社ルールが存在し、代理店が対応できない。

④運用担当者を評価できる仕組み
リスティング広告を運用できるマーケターは重用され、条件の良い他社へ転職するリスクがあり、運用担当者に対し、評価をできる仕組みが備わっている。

⓪広告予算が少額
予算が少額の場合、代理店が対応していないことが多く、例外として、自社運用しか選択肢がない。

リスティング広告のインハウス化について、これら4つのポイントを検討しながら、なぜ、リスティング広告をインハウス化するのか、その目的に沿って判断することが重要である。インハウス化により運用手数料がなくなればいいのか、ROIまで紐づけて黒字になっていれば良いのか、分析データを容易に見られれば良いのかなど様々あるが、そもそも、何をアウトソースして、何をインハウス化すべきかを見定めたうえで、ROIを伸ばしていくべきか考えなければならない。

リスティング広告のインハウス化サポート

リスティング広告のインハウス化については、代理店に支援を依頼することもできる。具体的には以下の2つ方法がある。

・インハウス化 運用サポート 20万円~/月*企業により変更
1か月目は代理店で運用をし、その結果を踏まえ、2か月目以降は、徐々に企業側に運用ノウハウやスキルを提供しながら、企業側で運用できるようにサポートしていく。実際に企業側での運用が開始したら、月1回のミーティングとともに、メールやチャットツールでの質問対応などの継続的なサポートがある。

・インハウス化 運用アドバイザリー 15万円~/月*企業により変更
運用サポートとは異なり、代理店は一切運用せず、あくまでアドバイザーの立場でサポートする。企業側の運用が開始したら、運用サポートと同様に定期的なミーティングと、メールやチャットツールの質問対応などの継続的なサポートがある。

まとめ

・リスティング広告の運用は、代理店から自社運用に切り替えれば手数料を削減できるメリットはあるが、それ以上に慎重に判断すべきポイントがある

・インハウス化を検討すべき重要なポイントは、①リスティング広告の運用が事業の中核、②長期的な取り組みが可能、③特殊な業態・業種、特殊な自社ルールが存在、④運用担当者を評価できる仕組みの4つである。

・インハウス化を検討する際には、インハウス化の目的や、ROIを伸ばしていくために何をアウトソースして、何をインハウス化すべきかを考えることが重要

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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