新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた観光業を支援し、再興の目的で実施された「Go Toトラベルキャンペーン」。感染者が多いという理由から、当初は東京発着の旅行を除外し、日本の人口の10%以上が参加できない施策としてスタートした。しかし、2020年10月1日から東京発着を解禁。「Go Toトラベルキャンペーン」で観光業の消費はどのように変化したのか。目を見張るような快進撃をみせる「旅行ポータルサイト」の動向も含め、コロナショック後の観光業界を解析する。
参照元:「AIアナリスト」のデータから見る「コロナショックの影響」第4弾 GoToキャンペーン東京解禁で再加速する観光業、リモートワーク関連B2Bは定着フェーズへ
観光業全体を4つに分類/それぞれの調査結果
「Go Toトラベルキャンペーン」の東京解禁が9月前半に各種メディアで報じられた。キャンペーンスタート直後の7月~9月にかけてはどのような影響があったのか。観光業界を4つに分類し、回復傾向を調査した結果は以下である。
① レジャー施設
レジャー施設の訪問者数は前年と比べ8月に下がってはいるものの、9月に入って再加速し回復している。しかしながら、プラスマイナスの上下差は激しく、引き続き注視が必要だろう。
② 宿泊施設
「Go Toトラベルキャンペーン」の本命ともいえる宿泊施設は、4月~5月に落ち込みをみせていたが9月に大きく回復。例年並みの水準へと回復傾向にあるだろう。本格的な盛り上がりまでには至っていないものの、一時の厳しさは脱したといえるのではないか。
③ 旅行代理店
観光業界において、訪問者数の低下が最も著しかった旅行代理店だが「Go Toトラベルキャンペーン」により復活の兆しをみせている。前年比でみると、キャンペーンスタート直後の7月にはマイナス41%だった数字が、9月にはマイナス12%まで回復してきた。
④ ポータルサイト
現在、驚くべき回復をみせているのが旅行ポータルサイトだ。宿泊施設などに比べ、業界内ではもともと落ち込みの少ない方だったが、6月にはすでに回復。7月は「Go Toトラベルキャンペーン」の影響で前年比プラス7%、9月は21%まで伸びている。旅行の情報を得たい消費者が一斉にポータルサイトを訪問し、本命以上の伸びをみせたのだろう。
出典元:「AIアナリスト」のデータから見る「コロナショックの影響」第4弾 GoToキャンペーン東京解禁で再加速する観光業、リモートワーク関連B2Bは定着フェーズへ
観光業界全体では前年の水準まで回復
出典元:「AIアナリスト」のデータから見る「コロナショックの影響」第4弾 GoToキャンペーン東京解禁で再加速する観光業、リモートワーク関連B2Bは定着フェーズへ
観光業全体の数字では、4月のマイナス65%を底にして、6月、7月に大きく回復。前年比の同水準まで数字を伸ばしている。8月にいったん下がったが、9月の「Go To トラベルキャンペーン」東京解禁により、大幅な増進をみせた。消費者の関心が再度「旅行」に集まり、さらなる勢いがついたのではないか。
コロナショック後の観光業界/まとめ
「Go To トラベルキャンペーン」の東京解禁でさらなる回復をみせる観光業界。「キャンペーン終了とともに失速」とならないよう、勢いを持続させることが重要だろう。コロナショック後の新しい社会に合わせた「観光スタイル」を構築できるかどうか。今後の観光業界に注目が集まっている。
参照元:「AIアナリスト」のデータから見る「コロナショックの影響」第4弾 GoToキャンペーン東京解禁で再加速する観光業、リモートワーク関連B2Bは定着フェーズへ