企業のホームページを制作し、公開する段階まできた際には、企業として新たに情報を公開するタイミングであるため、失敗は避けたいものです。しかし、初めての場合や慣れていない場合には、戸惑うことでしょう。
そこで今回は、ホームページ制作のプロが行っている公開前の確認や公開の流れなどのお作法をご紹介します。
ホームページ公開の前に確認しておくべきこと
ホームページを公開する段階に来たら、公開する前に、いくつか確認しておくことで、失敗ややるべきことの抜け漏れを防ぐことができます。
例えば、次の項目をチェックしておくと良いでしょう。
●公開のためのツールの準備はできているか
ホームページを公開する方法は複数あります。企業ホームページを公開する一般的な方法は、パソコンのローカル環境でHTMLファイルなどを作成したものをFTPソフトでアップロードする方法です。
WordPressのようなCMSを利用する場合には、公開方法も変わります。一般的に、あらかじめサーバーにCMSをアップロードしておき、ブラウザ上で記事を投稿し、公開ボタンを押して公開という流れが一般的です。
また、WixやJimdoなどのホームページ作成サービスを利用してホームページを制作する場合、公開方法はそのツールによって異なります。例えば、Jimdoはログインしたら編集に進み、「更新」 ボタンをクリックして公開します。
公開までに、企業としてどのような方法を取れば良いか確認しておきましょう。一つめのFTPソフトを利用する方法は、FTPソフトが必要になりますので、用意が必要です。
●サーバーとドメインの環境は整っているか
ホームページを公開するには、ホームページをアップロードするサーバーが必要です。また自社の独自ドメインを取得しておく必要もあります。
また「SSL」というWebサイトから情報を送信する際に、送信する情報を暗号化するための仕組みは、企業ホームページには不可欠となっています。SSLの設定が済んでいるか、確認しておきましょう。
●ローカル環境で正常に表示されるか
ローカル環境でHTMLファイルやCSSファイルを制作した場合、ローカル環境やテストサイト上で、最終のブラウザ表示確認をしっかり行っておきましょう。このとき、きちんとリンクがつながっているか、エラーページが表示されないかの確認も必要です。
またスマートフォン、タブレットでのデザインをパソコンのデザインと変えている場合は、必ずそれらのデバイスでも確認しておきましょう。
●「noindex」の設定内容は問題ないか
ホームページ公開前には、ホームページが検索エンジンにインデックスされないように「noindex」を設定していることもあるでしょう。公開するときには、インデックスされたいページなのか、されたくないページなのかを判断し、必要に応じて各ページのnoindexの設定内容の確認を忘れずにしておきましょう。
ホームページ公開のお作法
準備が整ったら、いよいよホームページを公開していきます。ここでは、ローカル環境にあるHTMLファイルやCSSファイル、画像等を自分でFTPソフトを利用してサーバーにアップロードする場合の手順とお作法をご紹介します。
1.FTPソフトでサーバーにアップロードする
FTPソフトで、サーバーにファイルをアップロードします。漏れがないようにしっかりとアップしていきましょう。
2.公開したURLにアクセスする
アップロードが終わったら、公開したURLに、パソコン、スマートフォン、タブレットそれぞれのブラウザでアクセスしてみましょう。
3.すべてのページの表示確認・リンクチェックを行う
次に、パソコン、スマートフォン、タブレットすべてにおいて、全ページをチェックしていきます。見るポイントは、ローカル環境で見たときと比べて表示が崩れていないか、背景画像も含めて画像はすべて表示されているかどうか、リンク切れを起こしていないか、ブラウザのタブに表示されるアイコン「favivon(ファビコン)」は表示されているかなどを入念にチェックします。ここで不具合が見つかればすぐに改善しましょう。
4.メールフォームの動作を確認する
お問い合わせフォームなどのメールフォームを設置している場合は、必ず実際に送信してみて動作テストを行います。
5.Googleアナリティクスなどのアクセス解析をチェックする
もしGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を入れている場合は、きちんと動作しているかの確認をします。ログインして解析結果を見て、アクセスしたものがカウントされているのかチェックしましょう。
6.Googleにホームページを登録する
すべてのチェックが終わり、問題なくホームページが正常に閲覧できるとわかったら、Googleに対して、「ホームページを公開しました」ということを知らせましょう。「Google Search Console」というGoogleが提供しているホームページ管理・監視ツールを利用してインデックス登録を行い、Googleの検索結果に公開したホームページを表示されるようにします。
7.GoogleにXMLサイトマップを送信する
GoogleにXMLサイトマップを送信することで、Googleのクローラーにホームページを的確に認識してもらうことができます。クローラーとは、ロボット型検索エンジンがWeb上のデータを収集するための巡回プログラムのことです。XMLサイトマップを送信することで、ホームページの構造を伝えられるため、それに沿ってクローラーが巡回してくれます。
XMLサイトマップとは、ホームページの各ページのURLと共に、最終更新日や更新頻度、ページの優先順位などを記述したXML形式のファイルのことです。
作成するには、自動作成ツールを利用する方法や自分で書く方法があります。作成したらFTPソフトでサーバーにアップし、Google Search Console上でサイトマップのURLを入力して送信すれば完了です。
まとめ
◆ホームページを公開する段階に来たら、公開する前に必要な確認を行い、プロが実施している公開手順で公開することで、不備なくスムーズに公開作業を行うことができる。
◆ホームページ公開の前に確認しておくべきこととして、FTPソフトなどの公開のためのツールの準備はできているか、サーバーとドメインの環境は整っているか、ローカル環境で正常に表示されるか、「noindex」の設定内容は問題ないかなどがある。
◆ホームページ公開時には、1.FTPソフトでサーバーにアップロードする、2.公開したURLにアクセスする、3.すべてのページの表示確認・リンクチェックを行う、4.メールフォームの動作を確認する、5.Googleアナリティクスなどのアクセス解析をチェックする、6.Googleにホームページを登録する、7.GoogleにXMLサイトマップを送信するという流れで行うとよい。