SMN株式会社は株式会社デジタルインファクトと共同で実施した、国内コネクテッドテレビ広告の市場動向調査の結果を2020年10月22日に発表した。調査期間は2020年9月日から2020年10月。国内外の広告主、広告会社、動画メディア、広告配信事業者、有識者などへのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、関連企業・機関データ、公開情報の収集による調査を行った。
この調査により、コネクテッドテレビ広告市場の現状と今後が明らかになった。
参照元:SMN、国内コネクテッドテレビ広告市場調査を実施~2020年の市場規模は102億円の見通し、2024年には、558億円規模と予測~
コネクテッドテレビの普及に伴い、新たな広告媒体として注目
まず、コネクテッドテレビはインターネット回線に接続されたテレビ端末のことを指し、コネクテッドテレビ大手企業としてNetflixやAmazon Prime Video、Huluなどが挙げられる。アメリカではコネクテッドテレビのユーザー数は2019年時点で1億8000万人を超え、コネクテッドTV広告への需要も高まっている。
コネクテッドテレビ広告は、家庭のテレビ端末を通じてユーザーとコミュニケーションを図ることができる広告媒体として、動画コンテンツを配信する企業や広告代理店は高く注目している。このような現状は背景に本調査は実施された。
コロナ禍で2020年コネクテッドテレビ広告市場は102億円の見込み
2020年は新型コロナウィルスの感染拡大の影響によりユーザーが自宅で過ごす時間が増え、テレビ端末でのインターネット動画配信サービスの視聴需要は大幅に増加した。それに伴い、コネクテッドテレビ広告市場も拡大が見込まれ、2020年は102億円、前年比1.6倍と予測されている。
参照元:SMN、国内コネクテッドテレビ広告市場調査を実施~2020年の市場規模は102億円の見通し、2024年には、558億円規模と予測~
また、2019年12月発表のサイバーエージェントによる調査では、動画広告市場は2019年の2,592億円に対し、2020年は3,289億円、前年比1.3倍と予測されている。動画広告市場全体が拡大とあわせ、コネクテッドテレビ広告の市場も同様に拡大していくことが見込まれている。
参照元:サイバーエージェント、2019年国内動画広告の市場調査を実施
今後の動画広告とコネクテッドテレビ広告市場は?
上述のサイバーエージェントの調査では、今後、5Gの普及とともに通信速度の高速化が進むことで、ユーザーはより動画中心のコンテンツ視聴にシフトすると予測している。これに伴い、動画広告市場は2021年3,888億円、2022年4,470億円と増加し、2023年には5,056億円に到達すると見込んだ結果となった。
コネクテッドテレビ広告市場も、動画広告市場と同様に高い水準での増加が予測され、2021年175億円、2022年277億円、2023年は416億円と見込んでいる。コネクテッドテレビの普及で、ユーザーは自分の好きなことや関心にあわせて、放送コンテンツとデジタルコンテンツを使い分けて視聴するようになった。新たな視聴行動にあわせ、広告主は、ユーザーの年齢や性別などに合わせ、適切なコミュニケーションを図ることが出来る媒体を選択できるようになる。
今回の調査により、コネクテッドテレビの普及とともに、コネクテッドテレビ広告市場が今後拡大していくことが明らかになった。ユーザーが自分の好きなことや関心にあわせて新たな視聴行動をしていくなかで、企業はより自社に適したユーザーとコミュニケーションを求められるだろう。
参照元:SMN、国内コネクテッドテレビ広告市場調査を実施~2020年の市場規模は102億円の見通し、2024年には、558億円規模と予測~