YouTubeの人気は年々高まっており、日本では2019年6月の段階で100万人以上のチャンネル登録者数を持つチャンネルが170以上であったという。
またスマホやタブレット、PCといったデバイスで楽しむだけでなく、テレビ画面でYouTubeを楽しむユーザーも増えているらしい。
このように動画メディアがデジタル化している状況に、広告はついていけているのだろうか。
Google Media Lab チームは、自社をテストケースとしてテレビとYouTubeに広告を出稿。それぞれの広告の効果を比較した。
参照元:YouTube 広告をやりきるとどうなるか? 「リーチ力の可能性」を検証する
広告配信のテストを計4回実施
今回の調査は2019年下半期に行われた。
調査は下記のような流れで行われた。
・1週目:テレビCMを出稿
・2週目:テレビCMと同規模のターゲット視聴率でYouTube広告を配信
・1週目と2週目の結果を比較
このテストを計4回実行したということだ。
詳細は以下の通りだ。
参照元:YouTube 広告をやりきるとどうなるか? 「リーチ力の可能性」を検証する
YouTube広告がリーチ・スピードで優れていることが判明
調査結果は下のグラフで示された。
参照元:YouTube 広告をやりきるとどうなるか? 「リーチ力の可能性」を検証する
テレビCM・YouTube広告を合わせると、ターゲットの65.5%〜77.8%にリーチしていたという。
その中で、YouTube単体の寄与分は65.2%〜75.3%であり、テレビCMと比較して1.1〜1.4倍のリーチ率だった。
「テレビによるリーチがメインであり、デジタル広告は補完」というイメージが根強いが、この調査結果からはテレビがむしろ補完の役割だったことがわかった。
またリーチのスピードについても、1日目からYouTube広告の方が成果を出していたことがわかる。
YouTube広告のリーチで優れた成果がでた要因とは
この調査ではYouTube広告の成果が目立つが、その要因は何だろうか。
Google Media Lab チームは以下の3つのポイントを挙げる。
・15秒の動画広告と6秒のバンパー広告を併用
・事前予約可能な広告を利用
・「フリークエンシーキャップ」の機能を活用
6秒間再生されるバンパー広告は、幅広い広告枠に掲載可能だ。この調査では、関東エリアの若年層(男女18〜34歳)に対しては15秒の動画広告で十分なリーチが獲得できていたという。
しかし、幅広い層に向けての配信の際にはバンパー広告も併用することで、より多くのリーチを獲得することができたらしい。
また事前予約可能な広告を利用することで調査期間中の広告配信枠を切らさないようにしたことも、たった1週間で広いリーチを獲得できた要因だったと分析する。
「フリークエンシーキャップ」とは、同一ユーザーに広告が表示される回数を制限する機能だ。調査期間中、1人あたりの広告接触回数を制限したことも、より多くの人に効率的にリーチさせることに貢献したとされる。
この調査ではYouTube広告がテレビ離れした層にもリーチし、大きな成果を出せることが明らかになった。
デジタルマーケティングの中で、YouTubeの果たす役割はとても大きいと言えるだろう。