トレンダーズ株式会社は、TwitterとInstagramに見られる生活者インサイトのトレンドを、同社開発の分析ツール「SNSトレンドファインダー」によって分析。新型コロナウイルス感染症の影響のもとで、各世代のインサイトにどのような変化が表れたか、その分析結果を公表した。
同調査では、2020年3月から8月を対象期間とし、TwitterとInstagramで「#おうち時間」と一緒に投稿されたハッシュタグを抽出。月別、年代別でインサイトの変化を分析している。
参考記事:【コロナ禍のSNSユーザーインサイト分析】ユニークな「#おうち〇〇」で自分らしさ表現…若年層は「繋がり」、子育て世代は「生活の質」を重視する傾向に(トレンダーズ株式会社)
Twitterにおける「月別」の投稿分析
同社の分析によると、緊急事態宣言が発令された4月から「#stayhome」のハッシュタグが表れたこと、またこれによってステイホーム期間ならではのコミュニケーションの活性化が見られたことを示している。また、5月以降は「#おうち時間」をつけた企業プロモーションが急増し、その後8月までハッシュタグトレンドの上位に位置していることを指摘。さらに、消費者のインサイトを印象づけるものとして、7月に「#質問箱」がトレンド入りしたことに対して、「引き続き簡単に人と会えない状況下で、Twitter上でもっと会話をしたいというユーザーのインサイトがうかがえる」と分析している。
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Twitterにおける「年代別」の投稿分析
「#おうち時間」と一緒に投稿された年代別のハッシュタグの分析結果では、10代が「#古着好きな人と繋がりたい」など、趣味友募集のハッシュタグが上位を占める結果を示した。20代では、「#マシュマロを投げ合おう」などTwitter上のコミュニケーションを楽しんでいる様子が示されているという。また、30代では、自分磨きを想起させるハッシュタグと、ファミリー層の生活を想起させるハッシュタグで二分されたこと、40代では「#おうちごはん」など、自宅で美味しいものを食べる志向が表れたと分析。
全体を通して、10代・20代の若年層が「繋がり」を重要視しているのに対して、30代・40代は「生活の質」を重要視している傾向があることを指摘した。
Instagramにおける「月別」の投稿分析
緊急事態宣言下の4月は、Twitterと同様に「#おうちで過ごそう」などステイホームのコミュニケーション投稿が特徴的であると分析。6月に入ると「#料理好きな人と繋がりたい」などのハッシュタグが増加し、おうち時間を充実させるためのアイデアをシェアし合いたいというインサイトが表れていることを指摘している。
一方、8月のトレンドがTwitterでは「#夏祭り」「#サマフェス」であったのに対し、Instagramでは「#夏休み」「#お盆休み」がトレンド入りしていることから、Twitterでは「イベント感のある投稿」が広がりやすく、Instagramでは「日常感のある投稿」が広がりやすいという、それぞれの特徴についての見解が示された。
Instagramにおける「年代別」の投稿分析
10代では、「#いいね返し」「#l4l」(like for likeの略。「いいね返ししますよ」の意味)等のハッシュタグが上位を占めることから、同世代とコミュニケーションをとりたいというインサイトが見られるという。
一方、20代は年齢に関係なく趣味嗜好でつながりたいという意向が見られることを指摘。30代は、Twitterと比較して「家族」よりも「自分」が主になるハッシュタグが多く見られること、40代は「#パンスタグラム」など、Twitterと同じく自宅で美味しいものを楽しみたいという意向が強く表れていることを指摘した。
各年代の傾向について同社は、Twitterと比較してInstagramの方がつながりを求めるハッシュタグが幅広い世代に使われていること、一方でその内容はライフステージによって異なるという特徴を示している。
今回の調査から、株式会社トレンダーズでは、現時点でのSNSにおける「#おうち時間」は、単なる状況説明の意味ではないことを指摘。「#おうち時間」は、「ニューノーマルな中での自分らしさ」を表現する意味に変化していることを示唆した。
「#おうち時間」をきっかけに自分らしい工夫やクリエイティビティをシェアしたいというユーザーインサイトは、今後もしばらく続くことが予想されるという。
この傾向を受けて、企業のSNSプロモーションにおいても、ユーザーにとって自分らしさが表現できるコンテンツを提供すること、ユーザーのクリエイティビティを刺激できるかどうかがポイントになると指摘している。