アクセス解析ツール「AIアナリスト」を提供する株式会社WACULは「B2Bサービスサイト・ECにおけるユーザー行動調査」の結果を2020年8月11日に発表した。データ抽出期間は2020年5月1日~5月31日。B2Bサービスサイト21社とEC22社のサイト、および、自然検索で流入した新規ユーザーを調査対象として、GoogleアナリティクスのデータかWebサイト内におけるユーザー行動を定量的に調査した。これにより、CV獲得を目的としたサイト内でのユーザー行動の特徴が明らかとなった。
参照元:Webサイトは流し読みされる。B2Bサービスサイト・ECにおけるユーザー行動調査
B2Bサイト、全CVの58%がトップページからフォームへ直行
まず、B2Bサービスサイトの調査結果より見ていきたい。B2Bサービスサイトトップページの「直帰率」は38.2%の結果となった。約4割のユーザーがトップページから他のページを見ずにそのままサイトから離脱している。
次に、「平均セッション時間」は208.3秒、「PV/セッション」は3.6の結果となった。離脱しなかった約6割のユーザーは、3分ほどの時間でサイト内を3~4ページを見ている。
そして、特筆すべきは「直行CV/全CV」の58.0%だ。CVの過半数のユーザーが、トップページから資料請求、あるいは、問合せフォームへそのまま直行しているのである。
参照元:Webサイトは流し読みされる。B2Bサービスサイト・ECにおけるユーザー行動調査
BtoBサービスでは、相手の営業担当者と接触する前に顧客側ではその意思決定プロセスの57%を済ませているというデータがある。意思決定プロセスの57%と、全CVのうちフォーム直行が58%の値が近しい数値になったのはまったくの偶然だが、フォームに直行する前にある程度の意思決定を済ましている可能性はあるだろう。
CVボタンやフォームをファーストビューに置く、製品サービスに関する情報の充実といったWebサイトの改善だけではなく、比較サイトなどの外部メディア、口コミや紹介を促進するなど、サイト訪問前の対策も重要といえる。
参考:https://www.gentosha-webma.com/knowledge/0823/
EC、最初に見たページのアイテムを購入は全CVの2割
続いて、ECの調査結果を見ていく。
ECトップページは「直帰率」17.2%、「平均セッション」292.5秒、「PV/セッション」10.6であった。トップページを訪れたユーザーのうち約8割が残り、5分ほどの時間をかけて10~11ページを見ており、B2Bサービスサイトと比較しても情報収集が長く多い。一方で、「直行CV/全CV」0.7%と非常に低い数値であり、情報収集を目的とした動きがまた特徴的である。また、商品一覧ページも「直行CV/全CV」がトップページと同様の0.7%と、こちらも情報収集が目的だろう。
商品詳細ページは「直帰率」50.4%、「平均セッション」125.5秒、「PV/セッション」3.8であった。トップページ・商品一覧ページと比較しても、情報収集は短く少ない結果となった。一方で、「直行CV/全CV」は21.7%と、購入をしたユーザーのうち2割が最初に見たページのアイテムを購入している。逆説的にいえば、残りの8割が複数以上のアイテムを見て購入しているとも言えるだろう。
参照元:Webサイトは流し読みされる。B2Bサービスサイト・ECにおけるユーザー行動調査
ECではトップページや商品一覧ページでは、アイテムの充実しサイト内の滞在を促す。商品詳細ページでも、おすすめや類似のアイテムを紹介し、ユーザーに提案する仕組みがCVR改善に寄与する。
調査の結果、B2BサービスサイトではCV獲得を前提としてサイトへの訪問、ECでは情報収集を前提としたサイトの訪問と、それぞれ異なる特徴が明らかになった。B2Bサービスサイトではサイト内外での改善、ECではサイト内のアイテムの充実で、それぞれのCVRの最適化とCV獲得の最大化が実現する。