売れるネット広告社は「デジタルD2C」の市場調査を実施した。「D2C」は”Direct to Consumer”の略であり、ECなどの自社チャネルを使って消費者に商品を直接販売するモデルのことを示す。
消費者はテレビを代表とする「マス」から、スマホなどを使ってSNSなどを利用する「デジタル」な領域に軸足を移した。このデジタルな領域におけるD2C、すなわち「デジタルD2C」市場は成長が見込める市場である。
今回の調査で、デジタルD2C市場が成長しており、今後も継続的に成長していくだろうという予想が示された。
参照元:デジタルD2C市場規模、2025年には3兆円に達すると予測(株式会社売れるネット広告社)
「マス」から「デジタル」に軸足を移した消費者
スマートフォンの普及により、消費者の生活にとってインターネットやSNSは今まで以上に身近なもの、なくてはならないものになった。それを象徴することとして、2019年にインターネット広告費がテレビ広告費を追い抜いた出来事が挙げられる。
「マス」中心から「デジタル」中心への変化にともない、消費者の消費行動にも大きな変化が生まれた。これまでECサイトなどでの購入に抵抗を感じていたユーザーも、徐々にECでの商品購入に抵抗感がなくなってきているという。店舗には足を運ばずにECで商品を購入するユーザーや、店舗で見かけた商品をあえてその店舗ではなくECで購入するユーザーもいるという。
このような消費者の変化を受け、注目されているのがデジタルD2Cだ。SNSなどを使えば、仲介業者などをはさまずに消費者と直接コミュニケーションをとることが可能だ。そのようなデジタルなコミュニケーションには、自社ブランドの世界観や新たな価値観などを今まで以上に明確に消費者に伝えられるというメリットがある。
また消費者との双方向コミュケーションがとれることは、自社商品・サービスをブラッシュアップし、より強い信頼関係を築くことも可能にする。消費者の中にブランドロイヤリティを育て、ライフタイムバリュー(生涯顧客価値)の生成につなげることもできるだろう。
こういったメリットに注目し、新興企業・大手企業問わずに多くの企業がデジタルD2Cに続々と参入し、市場は高い水準で成長しているという。
参考:https://www.profuture.co.jp/mk/column/6908
2020年には2兆2,200億円、2025年には3兆円に達すると予想
以上のことを踏まえると、デジタルD2C市場は今後も中長期にわたって継続的に成長していくことが見込まれる。売れるネット広告社の市場推計と予測は下のグラフで示されている。
※売れるネット広告社の過去5年の独自データおよび関連業界への調査に基づき推計。2020年度以降は同社の予測。 ※ECモールなどの中間取引事業者、およびそれらを通じて商品を販売する事業の取引高は含まない。
参照元:デジタルD2C市場規模、2025年には3兆円に達すると予測(株式会社売れるネット広告社)
この予測によると、2020年は前年対比109%の2兆2,200億円、2025年には3兆円に達すると考えられている。コロナウイルスによる「ステイホーム」を合い言葉にした新たな生活スタイルも、実店舗ではなくECなどで購入するスタイルを後押しし、デジタルD2C市場の成長をさらに加速させることが予想される。